割が仕事にやりがいを感じ、3人に2人が残業10時間未満、有給8割以上消化も4割
三大不満は「給料が安い・人手不足・昇給が見込めない」で将来性に不安~6割が偏った知識を持つ相談に困った経験あり、3割がアレルギー対応にて業務時間が増えたと回答~
株式会社エス・エム・エス(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤夏樹、東証プライム、以下「当社」)は、管理栄養士・栄養士向けコミュニティ「エイチエ」(URL:
)を提供しており、この度、全国の管理栄養士、栄養士2,129人を対象に、働き方についての実態を調査しました。
【主な調査結果】
1.管理栄養士・栄養士の約7割が仕事にやりがいを感じている
3人に2人がやりがいを感じているという結果となった。
2.やりがいを感じていることの1位は「患者・利用者から感謝される(50.4%)」、次いで「食に関する仕事に携わるのが楽しい(41.1%)」、「やりたい仕事ができている(36.0%)」が上位
社会の役に立つ実感や、目指していた自分の姿に重ね合わせつつ充実感を得られている様子が伺える。
3.管理栄養士・栄養士の約4割が有給休暇を8割以上消化。一方でほとんど、あるいはまったく消化しなかった層は15.1%。職場環境に大きな差あり
約1.5割が、ほとんど有給休暇が消化できない環境にあるものの、有給休暇の消化率は良好である様子が伺えた。
4.管理栄養士・栄養士の約6.5割は残業時間が月平均10時間未満
1日当たり30分前後であることが推測され、定時帰宅に近い状態での勤務実態という人が多いことがわかった。
5.管理栄養士・栄養士の61.9%が昇給ありと回答
全体の6割以上が昇給ありと回答し、昇給があった人のほうが多い結果となった。
6.勤務先の満足度については約4割が満足と回答
勤務先に満足している人の割合は半数以下にとどまり、やや低い様子が伺える。
7.満足していないことは「給料が安い(47.7%)」、「人手が足りなくて忙しすぎる(27.7%)」、「昇給が見込めない(27.7%)」が上位
給料や昇給といった金銭面での満足度は低い様子が伺える。また、4人に1人程度は忙しさについても満足しておらず、人手不足感を感じていることがわかった。
8.管理栄養士・栄養士の約1割が副業を行っている
副業をしてみたいという希望は約7.5割と多いものの、実際に行っている人は少なく、副業を行うにはハードルが高い様子が垣間見える。
9.副業を行う理由の最多は「収入を増やしたい(60.3%)」、次点で「自分の活躍の場を広げたい(40.2%)」、「スキルアップしたい(33.8%)」
副業は、本業での収入の補填と考えている層が多いように推測される。
10.管理栄養士・栄養士の副業は「栄養相談(18.6%)」が最多ではあるもののバラつきあり。一般的なアルバイトも多い
栄養関連の副業に偏っているということはなく、栄養関連以外の副業も多い。能力や興味の幅を広げようとしている様子も伺える。
11.管理栄養士・栄養士の約6割が正しくない栄養知識を持った顧客で困った経験ありと回答
正しくない栄養知識に対しての説明や説得などに時間を割いていることが示唆された。
12.近年、アレルギー対応で業務時間が増えたと約3割の管理栄養士・栄養士が回答
アレルギー疾患の増加などの影響が予想される。
【コメント抜粋】
1.やりがいを感じていることについてのコメント
・自分が考えたメニューが採用されて評価されるのが嬉しい(20代/栄養士/栃木県/給食委託会社勤務)
・子どもたちへ食育を行うとすぐに反応が返ってくるところや、知識として身についていっていることがわかるところです(40代/栄養士/愛知県/保育園勤務)
・栄養指導の件数が多く、様々な疾患の患者に関わることもできる。また、化学療法室での栄養指導の開始や周術期加算の算定ICU早期栄養介入管理加算など始めたい・取り組みたいことの導入が許され経験を積むことができる(30代/管理栄養士/神奈川県/病院勤務)
2.満足していない点についてのコメント
・資格を取得したりしていますが評価がされていない部分を感じています。長く勤務していますが給料が安いです。良いところがあれば転職を考えていますが家族の体調不良が重なったりで転職のタイミングが難しいです(40代/管理栄養士/埼玉県/病院勤務)
・評価体制が確立されておらず、忖度(30代/管理栄養士/北海道/病院勤務)
・訪問栄養指導を仕事にしているが、栄養指導が必要なのに、栄養指導までたどりつけない患者さんがいる。主治医やナースから依頼がないなど(50代/管理栄養士/茨城県/クリニック勤務)
・介護現場への応援があるのに管理栄養士だけ加算等がない(20代/管理栄養士/三重県/介護施設勤務)
3.偏った栄養知識を持つ相談で困った経験についてのコメント
・テレビの情報を信じている人。独自のこだわりがある人。健康オタクな人(30代/管理栄養士/北海道/病院勤務)
・子どもに米と野菜以外与えたくないという保護者(30代/管理栄養士/神奈川/保育園勤務)
・食中毒への認識の違いからくる温度管理、消毒等の衛生管理不足(20代/栄養士/神奈川県/介護施設勤務)
・サプリメントや、糖質制限など短期間でしか効果が認められていないことなど(30代/管理栄養士/東京都/病院勤務)
・とろみ剤はたくさん使えば使うほどむせなく安全に飲み込めると思い込んでいる介護員がたくさんいた(30代/管理栄養士/北海道/介護施設勤務)
・牛乳有害説を唱える人が現れ、牛乳の提供をなくせと言われて困りました(30代/栄養士/兵庫県/給食委託会社勤務)
4.アレルギー対応についてのコメント
・アレルギー確認手順が多い。除去食等が美味しく仕上がらない。急な休み等で食材が無駄になる。早く盛る為適温で提供が難しい。災害備蓄等にも気を使う(40代/栄養士/東京都/保育園勤務)
・アレルギー調査や、アレルギー対応について対象者に理解してもらうための面談をするのに膨大な時間がかかる(30代/管理栄養士/山口県/学校勤務)
【総括】
調査の結果、管理栄養士・栄養士の約7割が仕事にやりがいを感じているということがわかりました。やりがいを感じていることの内容は、「患者・利用者から感謝される」、「食に関する仕事に携わるのが楽しい」、「やりたい仕事ができている」が上位であり、社会の役に立つ実感や、目指していた自分の姿に重ね合わせつつ充実感を得られている様子が伺えます。
勤務環境については約4割が有給休暇の8割以上を消化しており、月の平均残業時間も約6.5割は10時間未満と回答するなど、一部を除いては職場環境が良好な様子も垣間見えました。一方で、勤務先の満足度は約3割が不満という結果となり、満足していないことの上位は「給料が安い」、「人手が足りなくて忙しすぎる」、「昇給が見込めない」でした。昇給に関しては約6割が昇給しているため、昇給自体はあっても期待している給料への差が埋まらずに不満につながっていることが考えられます。
有給消化率が高い様子や月の平均残業時間も短めであることから、労働時間が長すぎるという状況ではなく、業務の特性上、食事の提供時間に追われる業務が多く、瞬間的な忙しさを強く感じていることが示唆されます。これらの結果から、金銭的な理由や体力的な理由により、将来について不安を感じる可能性が垣間見えました。
近年、副業を解禁する職場も多いため、管理栄養士・栄養士の副業についても調査を行いました。調査の結果、実際に副業を行っている管理栄養士・栄養士は1割程度であることがわかりました。副業を行う理由の最多は「収入を増やしたい」であり、次点で「自分の活躍の場を広げたい」、「スキルアップしたい」となりました。副業の種類については、栄養関連の仕事以外も多く、能力や興味の幅を広げようとしている様子も伺えました。
前述のやりがいや、満足度の調査と合わせると、管理栄養士・栄養士としての仕事について充実感は得られているものの、将来的な不安もあり、管理栄養士・栄養士の業務を継続したままで給料面の補填のために副業を行う、あるいは、副業を行うことで自身のキャリアの選択肢を増やすことを模索している可能性があります。
一般の方の健康意識の高まりを受け、一般消費者の栄養知識やアレルギーの増加などに困った経験があるかどうかについても調査しました。管理栄養士・栄養士の約6割が正しくない栄養知識を持った顧客で困った経験があると回答し、介護施設では利用者、保育所では保護者の説得に苦労していることがわかりました。また、アレルギー疾患の増加について、管理栄養士・栄養士の業務への影響を調査した項目では約3割がアレルギーの対応により業務時間が増えたと回答しています。正しくない栄養知識を持った顧客やアレルギー疾患の増加への対応については、管理栄養士・栄養士の面談や説得、地道な情報の修正といった、陰ながらの努力で解決されている様子もコメントから伺え、職場での苦労が垣間見えました。
【調査概要】
・実施期間:2023年12月7日(木)~2023年12月13日(水)
・調査対象:フリーランス以外の形態で勤務中の全国の管理栄養士・栄養士2,129名
・調査方法:Webを使用したアンケート
※調査の詳細に関しては別途資料がありますので、お問い合わせください
【調査結果詳細】
1.管理栄養士・栄養士の約7割が仕事にやりがいを感じている
Q.現在の仕事にやりがいを感じていますか? (n=2,129)
3人に2人がやりがいを感じているという結果となった。
2.やりがいを感じていることの1位は「患者・利用者から感謝される(50.4%)」、次いで「食に関する仕事に携わるのが楽しい(41.1%)」、「やりたい仕事ができている(36.0%)」が上位
Q.(仕事にやりがいがあると答えた人への調査)どのようなところにやりがいを感じますか?(複数選択可)(n=1,497)
社会の役に立つ実感や、目指していた自分の姿に重ね合わせつつ充実感を得られている様子が伺える。
3.管理栄養士・栄養士の約4割が有給休暇を8割以上消化。一方でほとんど、あるいはまったく消化しなかった層は15.1%。職場環境に大きな差あり
Q.昨年度は与えられた有給休暇を何割程度消化しましたか?(法定有給休暇を含む)(n=2,129)
約1.5割が、ほとんど有給休暇が消化できない環境にあるものの、有給休暇の消化率は良好である様子が伺えた。
4.管理栄養士・栄養士の約6.5割は残業時間が月平均10時間未満
Q.月当たりの平均の残業時間は何時間程度ですか?(サービス残業を含む)(n=2,129)
1日当たり30分前後であることが推測され、定時帰宅に近い状態での勤務実態という人が多いことがわかった。
5.管理栄養士・栄養士の61.9%が昇給ありと回答
Q.(前年度から今年度<2022年4月1日から2023年3月31日まで>にかけて転職していない人への調査)今年度(2023年4月1日以降)、昇給はありましたか?(n=1,715)
全体の6割以上が昇給ありと回答し、昇給があった人のほうが多い結果となった。
6.勤務先の満足度については約4割が満足と回答
Q.現在の勤務先に満足していますか?(n=2,129)
勤務先に満足している人の割合は半数以下にとどまり、やや低い様子が伺える。
7.満足していないことは「給料が安い(47.7%)」、「人手が足りなくて忙しすぎる(27.7%)」、「昇給が見込めない(27.7%)」が上位
Q.現在の勤務先に満足していないことは何ですか?(複数選択可)(n=2,129)
給料や昇給といった金銭面での満足度は低い様子が伺える。また、4人に1人程度は忙しさについても満足しておらず、人手不足感を感じていることがわかった。
8.管理栄養士・栄養士の約1割が副業を行っている
Q.現在副業をしていますか?(n=2,129)
Q. (副業していない人への調査)副業をしてみたいと思いますか?(n=1,925)
副業をしてみたいという希望は約7.5割と多いものの、実際に行っている人は少なく、副業を行うにはハードルが高い様子が垣間見える。
9.副業を行う理由の最多は「収入を増やしたい(60.3%)」、次点で「自分の活躍の場を広げたい(40.2%)」、「スキルアップしたい(33.8%)」
Q.(副業をしている人への調査)副業をしている理由を教えてください。(複数選択可)(n=204)
副業は、本業での収入の補填と考えている層が多いように推測される。
10.管理栄養士・栄養士の副業は「栄養相談(18.6%)」が最多ではあるもののバラつきあり。一般的なアルバイトも多い
Q.(副業をしている人への調査)どのような副業をしていますか?(資産運用は含みません)(複数選択可)(n=204)
栄養関連の副業に偏っているということはなく、栄養関連以外の副業も多い。能力や興味の幅を広げようとしている様子も伺える。
11.管理栄養士・栄養士の約6割が正しくない栄養知識を持った顧客で困った経験ありと回答
Q.(一般の方の健康意識や栄養の知識は高まっていると思いますか?という問いに「はい」と答えた人への調査)これまでに、正しくない栄養知識を持った顧客などで困った経験はありますか?(n=1,697)
正しくない栄養知識に対しての説明や説得などに時間を割いていることが示唆された。
12.近年、アレルギー対応で業務時間が増えたと約3割の管理栄養士・栄養士が回答
Q.アレルギー対応により業務時間は増えましたか?(n=2,129)
アレルギー疾患の増加などの影響が予想される。
【「エイチエ」について】
管理栄養士・栄養士向けコミュニティ。献立を投稿・閲覧し、コメントができる献立レポ、栄養士業務に特化したQ&A、求人情報や働き方などのコンテンツを提供。管理栄養士・栄養士を多方面からサポートしています。
URL:https://eichie.jp/
【株式会社エス・エム・エスについて】
2003年創業、2011年東証一部上場、2022年4月より東証の市場区分変更によりプライム市場へ移行。「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをミッションに掲げ、「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを開発・運営しています。
名称:株式会社エス・エム・エス
所在地:東京都港区芝公園2-11-1住友不動産芝公園タワー
代表者:代表取締役社長 後藤夏樹
会社設立:2003年4月
資本金:23億1,518万円(2023年3月31日現在)
従業員数:連結3,703人、単体2,343人(2023年3月31日現在)
事業内容:高齢社会に求められる領域を、医療・介護・ヘルスケア・シニアライフと捉え、価値提供先であるエンドユーザ・従事者・事業者をつなぐプラットフォームとしての情報インフラを構築し、40以上のサービスを展開
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