「病弱児支援に横断的体制を望む」9割 ベネッセこども基金と協働実施の病気療養児支援者全国ネットワーク構築に関するアンケート結果を公開

~全国調査から見えた、医療・教育・支援団体の横断的つながりに課題感~

認定NPO法人ポケットサポート(所在地:岡山市北区、代表理事:三好 祐也)は、公益財団法人ベネッセこども基金(所在地:東京都多摩市、代表理事 理事長:五十嵐

隆)と協働で実施した病気療養児支援者全国ネットワーク構築に関するアンケート結果を公開いたします。

病気療養の必要な子どもは、それぞれの病気に応じた治療や支援が必要ですが、同じ病気の子どもが少ないこと等もあって、地域を超えて繋がりを作っていく必要があります。また、病気を抱えている子どもの支援をする団体は各地にあるが、全国的なネットワークはなく、医療や教育、行政、NPOなど多機関多職種との連携も課題ではないかと考えました。

このような仮説の元、全国的な支援ネットワークのニーズや現状を把握するために特別支援学校と支援団体に向けて調査を実施しました。

本調査は、小児がんや心臓病などの慢性疾病を抱える子どもたちへの支援課題や連携状況を把握するため、全国の特別支援学校と小児慢性特定疾病児童等の支援に関わる任意の支援団体を対象に、2023年10月4日~11月10日の期間で実施しました。本プレスリリースでは、主要なポイントを抜粋し紹介します。

※調査結果全容は、こちら(

https://www.pokesapo.com/202401-report

)からダウンロード可能です。詳細については、2024年2月24日(土)に開催するオンラインフォーラム(

)での解説を予定しています。

※前回プレスリリース:「小児慢性疾病を抱える児童生徒への支援につなげるアンケート調査を実施」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000083817.html

■調査結果から見る主要ポイント

・個別性の高さから活動地域内だけで支援を完結することが難しい現状がある。・特別支援学校における“小児慢性特定疾病児童等自立支援事業”の認知度に課題感。

・双方で医療機関・教育機関・支援団体らの横断的サポート体制が求められている。

◆調査概要

調査対象(1)

全国病弱虚弱教育研究連盟に加盟する特別支援学校96校

[ 回答数:33件 ]

(2) 小児慢性特定疾病児童等を支援する全国の支援団体から

相談支援や交流支援、学習支援などを行う21団体を抽出

[ 回答数:14件 ]期間2023年10月4日~11月10日調査方法対象校・対象団体にアンケート調査票を個別郵送

◆調査結果(一部抜粋)

▼7割超の支援団体に「活動地域外からの問い合わせ経験あり」

対象の支援団体における活動地域外からの問い合わせ・相談有無に「あり」と答えた支援団体は71%(※1)。全国対応の組織を除けば、

活動地域外からの問い合わせが「ない」と答えた支援団体は0%という結果でした。

この結果からは、病気の内容や子どもの年齢、障害の有無など“個別性の高さ”に起因して、各地域内だけで支援が完結できていない現状が伺えます。

※1:支援団体向けアンケート設問5より

▼特別支援学校における小慢事業の内容認知度は“2割未満”

対象の特別支援学校において、「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業(小慢事業)」の内容を把握しているのは2割未満

という結果に(※2)。また、相談支援や各関係機関とのコーディネートなどを担う「自立支援員」の認知度は、わずか3%でした(※3)。

小慢事業・自立支援員の各認知度に課題感

※2:特別支援学校向けアンケート設問2より※3:特別支援学校向けアンケート設問3より

加えて、回答のあったすべての特別支援学校で事例研究といった外部研修を「とても必要」または「必要としている」とする回答

がありました(※4)。この要因には、前述のように病状などの個別性の高さから、児童生徒または保護者からの多様な相談への対応に現場で課題感

を持たれていることが推察されます。

※4:特別支援学校向けアンケート設問7より

<小児慢性特定疾病児童等自立支援事業(小慢事業)とは>

幼少期からの慢性的な疾病により、学校生活での教育や社会性の涵養(かんよう)に遅れが見られ、自立を阻害されている児童等について、地域による支援の充実により自立促進を図ることを目的とした事業のこと。

▼双方8割以上が「横断的ネットワーク構築に意欲あり」

支援団体と特別支援学校に集まる相談内容の傾向が異なることも、特筆すべき点に挙げられます。具体的には、支援団体では「きょうだい関連」の相談が最も多かった一方で、

特別支援学校では「学習の遅れ」に関する相談が最も多く挙げられました(※5)。ここから、当事者である子どもとその家族は、多面的な悩みを抱えている

ことが読み取れます。

また「今後強化したい連携先」に、双方から医療機関・教育機関・支援団体などが挙げられました

(※6)。当事者の子ども自身が、病気と向き合いながら将来の自己選択や自己実現を叶えるために、医療機関も交えた教育機関と支援団体の協力が必要とされている

ことが伺えます。

※5:支援団体向けアンケート設問4、特別支援学校向けアンケート設問5より※6:支援団体向けアンケート設問8、特別支援学校向けアンケート設問10より

実際に、ポケットサポートからの紹介・連携について「相談内容によっては受け入れ可能」「紹介して問題ない」と前向きな回答が約8割(※7)。さらに、

横断的な全国ネットワークの構築に対しても、双方「前向きに検討したい」「ぜひ参加したい」が8割を上回る結果となりました(※8)。

全国ネットワーク構築への意欲

※7:支援団体向けアンケート設問9、特別支援学校向けアンケート設問11より※8:支援団体向けアンケート設問10、特別支援学校向けアンケート設問12より

■今後の展望|病気療養児支援者全国ネットワークの構築を目指す

今回のアンケートを通じて、実施前に想定していた全国的な課題の具体化と共に、各団体・教育機関と意思確認ができました。また、課題のひとつに掲げられる

“各家庭で抱える個別性の高さ”については、事例やノウハウを積み上げていくことが重要だと認識しています。

実際に支援団体・教育機関の双方でコーディネートが求められていることからも、

医療機関も交えた関係機関がチームとなって、病気療養中の子どもたちや、そのきょうだい・家族を支える必要性を再認識できました。この結果を受けてポケットサポートでは、

関係する多様な職種での包括的・横断的なつながりとしての「病気療養児支援者全国ネットワーク」の構築を進めてまいります。

また併せて、教育現場で求められている多様な研修やノウハウを提供できるような講演会なども、企画・開催も進めてまいります。

■直近イベントのお知らせ

2024年2月24日(土)

13:00から、小児がんや心臓病といった病気を抱えている子どもやその保護者家族の交流の場創出を目指したフォーラムを、岡山大学鹿田キャンパスおよびオンラインのハイブリットで開催します。

※詳細情報はこちら:https://www.pokesapo.com/iw23

https://www.pokesapo.com/iw23

「療養経験者から学ぶ支援者の役割とは」をサブテーマに、当日は病気療養経験のある当事者とその家族のゲスト登壇もあることから、

当事者意識を持って相手の気持ちに寄り添った声掛けやサポートの方法を考える場としてご活用いただけます。

<開催概要>

イベント名病気を抱える子ども支援・多職種連携オンラインフォーラム

「誰もが助けてと言える社会に」

~療養経験者から学ぶ支援者の役割とは~開催日時2024年2月24日(土) 13:00~16:00

※現地開催またはYouTubeライブ配信での視聴が可能です。会場▼現地開催

岡山大学 鹿田キャンパス Jホール【定員先着100名】

〒700-8558 岡山市北区鹿田町2丁目5番1号

▼オンライン開催

YouTubeライブ配信

※いずれも下記ページ内「参加フォーム」から事前参加申込が必要です。

https://www.pokesapo.com/iw23

https://www.pokesapo.com/iw23参加費無料

※オンライン開催へのご参加の場合、ネット接続できるパソコン・タブレットが必要です。

【認定NPO法人ポケットサポートについて】

認定NPO法人ポケットサポートは、「病気を抱える子どもたちが将来に希望をもって自分らしく暮らせる社会」をビジョンに掲げ、岡山県岡山市を中心に活動する団体です。小児がんや心臓病などの慢性疾病を抱える子どもたち(主に小学生~高校生)と、その家族を対象に、入院治療中から退院・復学・自宅療養中まで切れ目のない継続的な支援活動を展開しています。

<ポケットサポート紹介動画>

団体名:認定特定非営利活動法人ポケットサポート代表理事:三好 祐也事務所所在地:〒700-0932 岡山県岡山市北区奥田本町22-2公式ホームページ:

https://www.pokesapo.com/

当リリースの詳細について

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000083817.html

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