アレクシオンファーマとアストラゼネカ、国内初の直接作用型第Xa因子阻害剤中和剤「オンデキサ(R)静注用200mg」を新発売
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、 代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、 以下「アストラゼネカ」)は、
アレクシオンファーマ合同会社(本社:東京都港区、 社長:笠茂 公弘、
以下「アレクシオンファーマ」)が製造販売承認を取得した「オンデキサ(R)静注用200mg」(一般名:アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)、
以下:オンデキサ)の販売を本日より開始いたしましたのでお知らせします。 オンデキサは、
血液凝固に関与するヒト血液凝固第Xa因子の遺伝子組換え改変デコイタンパク質であり、 第Xa因子阻害剤に結合し、
その抗凝固作用を速やかに中和するようデザインされています。 オンデキサは、 直接作用型第Xa因子阻害剤関連出血患者に投与されると、
第Xa因子阻害剤の抗凝固作用を中和します。
オンデキサ(R)静注用200mg
オンデキサ(R)静注用200mgの製品概要
製品名 「オンデキサ(R)静注用200mg」(英語表記:ONDEXXYA(R) ) 一般名 アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え) 効能又は効果*
直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、 リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、
生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和 用法及び用量 通常、 成人には、 直接作用型第Xa因子阻害剤の種類、 最終投与時の1回投与量、
最終投与からの経過時間に応じて、 アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)として、 以下のA法又はB法の用法及び用量で静脈内投与する。
A法:400mgを30mg/分の速度で静脈内投与し、 続いて480mgを4mg/分の速度で2時間静脈内投与する。
B法:800mgを30mg/分の速度で静脈内投与し、 続いて960mgを8mg/分の速度で2時間静脈内投与する。 製造販売承認日 2022年3月28日 薬価
200mg 1瓶 338,671円 薬価基準収載日 2022年5月25日 発売日 2022年5月25日 製造販売 アレクシオンファーマ合同会社 販売
アストラゼネカ株式会社 *効能又は効果に関連する注意並びに用法及び用量に関連する注意は、 本剤の添付文書をご覧ください。
現在、 日本では、 3剤の直接作用型第Xa因子阻害剤が承認されており、 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制、 下肢整形外科手術(膝関節全置換術、 股関節全置換術、
股関節骨折手術)施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制*のために広く使用されています。
これらの薬剤は、 血栓が形成されないよう血液の凝固を防ぐ一方で、 生命を脅かす重大な出血のリスクを高める可能性があります(1,2)が、
大出血を起こした直接作用型第Xa因子阻害剤を服用している患者さんに対して中和剤はこれまでなく、 高いアンメットニーズが存在していました。
オンデキサは、 こうした患者さんに対して新しい作用機序をもつ国内で唯一の中和剤として初めて承認されました。 オンデキサの承認は、
国際共同第IIIb/IV相14-505(ANNEXA-4)試験(3,4)で得られたデータに基づいています。
この試験では、 直接作用型第Xa因子阻害剤の投与を受けており、
急性の大出血を起こした患者さんを対象にオンデキサの有効性(第Xa因子阻害剤の抗第Xa因子活性の中和効果、 および止血効果)と安全性が評価されました。
オンデキサはいずれの第Xa因子阻害剤を投与した患者でも、 本剤を静脈内投与後には抗第Xa因子活性を速やかかつ有意に低下させました。
第Xa因子阻害剤別の抗第Xa因子活性の中和効果(注1, 2)(有効性解析対象集団329§例)
第Xa因子阻害剤 症例数 抗第Xa因子活性のベースラインから投与中最低値までの変化率(中央値) アピキサバン 172
-93.3%[95%信頼区間:-94.2%, -92.5%] リバーロキサバン 129 -94.2%[95%信頼区間:-95.1%, -93.0%]
エドキサバン 28 -71.3%[95%信頼区間:-82.3%, -65.2%]
また、 投与後12時間の時点で患者の79.6%(258/324†例)に有効な止血効果が確認されました。
副作用の発現頻度は、 11.9%(57/477例)で、 主な副作用は、 虚血性脳卒中1.5%(7/477例)、 頭痛1.0%(5 /477例)、 脳血管発作、
心筋梗塞、 肺塞栓症、 発熱各0.8%(4 /477例)、 脳梗塞、 塞栓性脳卒中、 心房血栓症、 深部静脈血栓症、 悪心各0.6%( 3 /477例)でした。
なお、 オンデキサに関し、 アレクシオンファーマは製造、 アストラゼネカは国内における保管・流通管理(供給・分配・在庫管理)および販売を担当します。 また、
同製剤に関する情報提供、 ならびにファーマコビジランス(GVP)に関わる安全性情報の収集は、 アストラゼネカの医薬情報担当者(MR)が担当します。
オンデキサは、 第Xa因子阻害剤であるアピキサバンまたはリバーロキサバン投与中に大出血を起こした患者に対する中和剤として、
2018年5月に米国食品医薬品局より迅速承認制度による承認を受け、 2019年4月に欧州委員会から条件付き承認を取得しました。 日本では、
2019年11月19日付で希少疾病用医薬品に指定されています。
希少疾患について日本では「対象患者数が本邦において5万人未満であること」と定義されています(5)。
希少疾患においても治療における医薬品の重要性に変わりはありませんが、 需要の少なさから研究開発が進みにくいなどの課題があります。 アレクシオンファーマは、
生命を脅かす重篤な希少疾患を抱える患者さんのために、 画期的な治療薬の開発、 提供を続けています。
アレクシオンファーマとアストラゼネカは、 本剤が必要となる患者さんの治療に貢献できるよう、 協力しながら取り組んでまいります。
以上
注1: 抗第Xa因子活性が950ng/mL超の場合は950ng/mL(定量上限値)に置換し、 4 ng/mL未満の場合は 4
ng/mL(定量下限値)に置換した。 投与中最低値が欠測の場合は変化率を 0 で補完した
注2: 中央値の95%信頼区間は、 ノンパラメトリック法によって算出した
§:有効性解析対象集団347例のうち、 本剤で承認されている投与対象とは異なるため、 エノキサパリン投与集団17例の結果は掲載していない。 また、
原資料を確認できなかった1名(リバーロキサバン投与被験者)を有効性解析対象集団から除外した
†:有効性解析対象集団347例のうち、
独立エンドポイント判定委員会によって管理上の理由から評価が不能と判定された7例を除く340例が有効な止血効果の解析対象となった。 また、
14-505試験/ANNEXA-4試験で設定されているエノキサパリンの投与量は国内で未承認であることから、
340例のうちエノキサパリンが投与された16例を除外した
*****
オンデキサ(R)(一般名:アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え))について
オンデキサは、 血液凝固に関与するヒト血液凝固第Xa因子の遺伝子組換え改変デコイタンパク質であり、 第Xa因子阻害剤に結合し、
その抗凝固作用を速やかに中和するようデザインされています。 オンデキサは、 直接作用型第Xa因子阻害剤関連出血患者に投与されると、
第Xa因子阻害剤の抗凝固作用を中和します。
アレクシオンファーマ合同会社について
アレクシオンファーマ合同会社は、 2021年のアストラゼネカとアレクシオン・ファーマシューティカルズとの統合により生まれた、
アストラゼネカグループの希少疾患部門アレクシオン・アストラゼネカ・レアディジーズ(本部:米国マサチューセッツ州ボストン)の日本法人です。 アレクシオンは、
約30年にわたり希少疾患のリーダーとして、 患者さんの生活を一変させるような治療薬を発見、 開発、 販売することで、
希少疾患ならびに深刻な症状の患者さんとご家族への貢献に注力しています。 アレクシオンは、 補体カスケードの新規分子と標的を対象に研究を行っており、 血液、
腎臓、 神経、 代謝性疾患、 心臓、 眼科、 および急性期の治療薬を開発し、 世界50カ国以上で患者さんに提供しています。
本プレスリリースおよびアレクシオンファーマ合同会社に関する詳細については、 www.alexionpharma.jpをご覧ください。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、 サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、 主にオンコロジー、 希少疾患、 循環器・腎・代謝疾患、
呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、 医療用医薬品の創薬、 開発、 製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。
英国ケンブリッジを本拠地として、 当社は100カ国以上で事業を展開しており、 その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。 詳細については
https://www.astrazeneca.comまたは、
ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)(
https://twitter.com/AstraZeneca)をフォローしてご覧ください。
日本においては、 主にオンコロジー、 循環器・腎・代謝、 および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。
アストラゼネカ株式会社については
https://www.astrazeneca.co.jp/
をご覧ください。 フェイスブックAstraZeneca.Japan(
https://www.facebook.com/AstraZeneca.Japan/)とインスタグラム AstraZeneca / アストラゼネカ(
https://www.instagram.com/astrazenecajapan/)もフォローしてご覧ください。
References
1. Held C, Hylek EM, Alexander JH, et al. Clinical outcomes and management
associated with major bleeding in patients with atrial fibrillation treated with
apixaban or warfarin: insights from the ARISTOTLE trial. Eur Heart J
2015;36:1264-1272.
2. Piccini JP et al. Management of major bleeding events in patients treated
with rivaroxaban vs. warfarin: results from the ROCKET AF trial. Eur Heart J
2014;35:1873–1880.
3. 社内資料:14-505試験(2022年3月承認)承認時評価資料
4. Connolly SJ, et al. Full Study Report of Andexanet Alfa for Bleeding
Associated with Factor Xa Inhibitors. N Engl J Med. 2019;380:1326-1335.
5. 厚生労働省の定義 (2022年5月18日アクセス)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html
本プレスリリースには、 医療用医薬品や開発品の情報を含むものがありますが、 これらは医療用医薬品や開発品のプロモーション、 広告を目的とするものではありません。
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