近年増加している単身者を対象に調査を実施。2022年度「えがおの食生活研究」結果報告
食べることで幸せを感じる“食事への情緒感”。中食・外食の利用や時短・手間抜き調理も満足度につながっている キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役
社長執行役員:高宮 満、以下キユーピー)は、20~59歳の単身者1,500人を対象に食生活調査「えがおの食生活研究」を実施しました。
2020年(令和2年)の国勢調査※1によると、「単独世帯(世帯人員が一人)」の一般世帯に占める割合は、2015
年と比べて34.6%から38.1%に上昇していることが分かりました。このような世帯構成の変化を背景に、2022年度の「えがおの食生活研究」は単身者を対象に調査を実施しました。
※1 令和2年国勢調査人口等基本集計結果
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline_01.pdf <サマリー>
・タンパク質の摂取や栄養バランスへの配慮といった健康意識の高まりが増加傾向
・単身者の食生活満足につながる要因は、“食事への情緒感”
(食べることで幸せを感じる、食事で気分転換をしたい、などの意識)
・中食・外食の利用、時短・手間抜き調理も食生活満足度につながる
(素材から手作りをすることだけが、食生活満足につながっているわけではない)
・節約志向の高まりから、調理をする目的は「食費削減」
「えがおの食生活研究」とは
キユーピーでは、食生活の実態や傾向をつかむことを目的に、1989年から毎年「食生活総合調査」を実施してきました。2020年からは、コーポレートメッセージである「愛は食卓にある。」の実現を目指し、「えがおの食生活研究」に進化させました。「食生活総合調査」では、調理や献立の悩みごとを通して生活者の価値観の変化に向き合ってきましたが、「えがおの食生活研究」ではそのベースを継承しながら「笑顔の食卓」の要因をひもとき、キユーピーが貢献できることを考える調査にしています。
■調査方法の概要
調査手法 :インターネット調査
調査期間 :2022年10月7日(金)~10月12日(水)
調査対象 :20~59歳男女/一人暮らし/日本在住
有効回収数 :1,500人(回収ベース)
年代別構成比は、総務省「令和2年国勢調査」の「単身者」の構成比に基づいてサンプル割付を実施。
* 調査結果の概要
調理は電子レンジで簡単に。タンパク質の摂取や栄養バランスへの配慮など健康意識が向上
2~3年の間の食生活の変化について、「増えた・減った」の増減率をみると、増加率が最も高かったのは、「電子レンジだけで調理を済ませること」で9.0%でした。次いで「たんぱく質を意識して摂ること」が7.4%、「栄養バランスへの配慮」が4.6%でした(資料1)。
コロナ下で、今まで外食をしていた単身者が、自炊をする機会が増えたことに伴い、簡単な調理方法として電子レンジを使うことが増えたものと考えます。さらに健康意識の高まりから、タンパク質や栄養バランスに配慮した食事を意識するようになったことも示唆されました。
一方で減少率が最も高かったのは「友人や知人と外食をする頻度」で30.3%、次いで「手のこんだ料理をつくる頻度」が12.8%でした(資料1)。
資料1:2~3年の間の食生活の変化 []
資料1:2~3年の間の食生活の変化
食生活の満足度は上昇。特に女性40代と男性20代が高い
普段の食生活の総合的な満足度について尋ねたところ、「非常に満足している」は2011年から増加傾向になっており、「まあ満足している」は2019年までは減少傾向となっていたものの、2022年では増加していることが分かりました(資料2)。
満足している計(「非常に満足している」「まあ満足している」)については、2019年の33.3%から2022年は41.9%と8.6ポイントも高くなっています。
満足している計について性年代別に見ると、女性40代が47.8%で最も高く、次いで男性20代で45.7%でした(資料なし)。
食事形態別にみると月1回以上「生鮮から手作りした食事」を取っている人と同様に、「市販の弁当、おにぎり(中食)」「インスタント、レトルト食品」「平日の夕食の外食」を月1回以上取っている人の方が、それぞれ月1回未満の人よりも食生活満足度が高いことが分かりました(資料3)。
時短・手間抜き調理や、内食・中食・外食を気分に合わせて使い分けることで幸せを感じる“食事への情緒感”が食生活への満足度につながっていると推察します。
資料2:普段の食生活の総合的な満足度 []
資料2:普段の食生活の総合的な満足度
資料3:食事形態別 食生活満足度 []
資料3:食事形態別 食生活満足度
調理をするのは、食費削減が目的
調理をする理由について尋ねたところ(複数回答可)、全体でみると「食費を削りたいから」が最も高く、次いで「外食をするより安いから」「家にある食材を使い切るため」と続いています(資料4)。これらの回答から、昨今の物価高の影響から食費に対する節約意識が高まっている可能性が考えられます。
性年代別で見ると、女性30代~50代では「家にある食材を使い切るため」「手作りする方が健康的だから」が全体と比べて高い結果となりました。調理をする理由は、「節約意識」が根底にありつつも、男女で意識の違いがあることも分かりました(資料4)。
資料4:調理をする理由 []
資料4:調理をする理由
≪まとめ ―調査結果から―≫
今回の調査から、単身者は性年代別や食意識・食行動によって特徴はあるものの、「お金と時間をかけずに、おいしくて健康によい食卓」「その時の気分に合わせた自由な食卓」など、それぞれの生活スタイルにあった食生活を楽しんでいる様子がうかがえます。素材から手作りすることだけでなく、市販の加工食品を使った時短・手間抜き調理や、中食・外食をうまく取り入れることも食生活満足度向上の要因になっていることが分かりました。
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