京都大学と共同で米国における「人工宝石モアサナイト製造方法」の特許を取得
モアサナイトジュエラーBrillar(代表取締役社長:小原亦聡、以下ブリジャール)は、国立大学法人京都大学(以下:京都大学)大学院工学研究科木本恒暢(きもとつねのぶ)教授と共同で、2023年6月20日にモアサナイトの製造方法についての米国特許を取得しました。
本件は、2021年6月25日に日本国内の特許を取得済のモアサナイトの製造方法について、JETROの“中小企業等外国出願支援事業”
の助成をうけ米国で国際特許を申請していたものです。
モアサナイトの既存の製造方法の特許は2015年にアメリカで有効期限を迎えたのを皮切りに、2016年に世界25か国、2018年にメキシコで有効期限を迎えました。その結果、現在は世界各国で質の高い人工モアサナイトが製造されています。特に中国、そして米国は依然としてモアサナイトの最大生産国であり、また最大の消費国でもあることが確認されています。(2023年9月時点、自社調べ)
そのため、将来的にモアサナイトの生産に携わっていく上で、2ヶ国の特許は抑えるべきであると判断し、本件の申請に至りました。
この度、正式な審査を経て米国の特許を取得したことで、本件について日本・中国・米国、合計3ヶ国での特許が成立いたしました。
* 特許の概要
・米国 PATENT NO.11,725,301 B2
・発明の名称:METHOD FOR MANUFACTURING CRYSTAL FOR SYNTHETIC GEM
本特許では、本来であれば宝石としての利用に適さない有色のSiC結晶体を、合成宝石モアサナイトとして利用可能なように無色透明化する方法を提供しています。
本発明を適用することにより、以下のようなメリットが見込まれます。
1.商業的に利用できる半導体デバイス製造用のSiC単結晶インゴットを利用して、モアサナイトを今までの主流の製造方法に比べて比較的低コストで製造することが可能になる
2.半導体デバイス用のSiC単結晶体を製造する際に発生した形や質などが規格に適合しない「規格外のSiC単結晶体」の有効活用(再利用)が可能となる
3.半導体デバイス用のSiC単結晶を合成するための材料と、モアサナイトとしてのSiC結晶を合成するための材料はほぼ同じため、モアサナイトを有色SiC結晶から合成する事で、半導体デバイス材料の素材確保を阻害する可能性が小さくなる。
■特許の詳細はこちら:
https://brillar.co.jp/20220203news/
* 特許取得の背景:ブリジャールがモアサナイトの製造に取り組む理由
ブリジャールは日本国内初のモアサナイト専門ジュエリーブランド(※)として2017年に創業し、日本国内におけるモアサナイトの普及に貢献してまいりました。
天然の宝石、特にダイヤモンドは、“採掘における環境破壊”、“児童労働をはじめとした人権問題”、“紛争資金の資金源になる”といった深刻な問題を抱えています。モアサナイトは、このような問題から解放された、極めてクリーンでエシカルな人工宝石です。
今までの製造方法に較べ、製造にかかる時間やエネルギーのコストをさらに抑えた製造方法を開発することで、このような多くのメリットを持つモアサナイトの更なる普及に貢献できると考えております。
さらに、開発した技術を研究結果から実用段階にブラッシュアップしていく過程では、ブリジャールがこれまでに培ってきた大手半導体メーカーとの繋がりが大きな促進力になることも期待しております。
また現在は海外の企業で製造したモアサナイトルース(裸石)を厳選し、契約工房でジュエリーに加工していますが、自社でルース製造に取り組むことにより、今まで以上に安定的にモアサナイトジュエリーの提供が可能になると考えております。
※日本国内初のモアサナイト専門ジュエリーブランド:日本国内における「モアサナイトジュエリーを専門とした企画製造販売ブランド」を調査(2017年12月時点、自社調べ)
* 本特許の半導体業界側からみた意義
京都大学 大学院工学研究科 教授 木本 恒暢(きもと つねのぶ)氏より本特許・本研究の半導体業界側からみた意義についてコメントをいただきました。
『モアサナイトは窒素不純物を含むと着色し、宝石としての価値が低下します。窒素混入のないモアサナイトを作製するのは比較的困難で高コストとなります。
本特許を活用すれば、多少の窒素を含むモアサナイトであっても無色透明化することが可能となります。
モアサナイトは、エレクトロニクス分野では炭化ケイ素(SiC)の名称で知られる半導体です。特に、コンピュータの電源、インバータ家電、電気自動車や電車のモータ制御などの分野で「省エネの切り札」と呼ばれている画期的な半導体です。この半導体の高純度結晶が宝石として高い価値を有することは、学術的にも工業的にも大変興味深いです。
モアサナイトの知名度がもっと上がれば、炭化ケイ素に興味を持つ人がもっと増えて、素材としてより広く世の中の注目を集めることができると期待できます。
また、現状においてもモアサナイトの製造エネルギーは人工ダイヤモンド(ラボグロウダイヤモンド)の製造エネルギーと比較して1/100以下という環境に優しい人工宝石ですが、この研究の成果により半導体として使えない炭化ケイ素結晶など本来廃棄品となる素材も宝石に再利用することが可能となると、更なるSDGsへの貢献にも繋がります。』(2022年2月3日時点)
* モアサナイトとは?
モアサナイトは、隕石の衝突跡から発見された鉱物を再現して作られた、ダイヤモンドの2.5倍ともいわれる世界最高峰の輝きと高い耐久性を兼ね備えた人工宝石です。
ダイヤモンドに非常に似ていながらも、その輝きは光を分散させる力を表す”分散度”の数値がダイヤモンドの約2.5倍(※)であることから「ダイヤモンドの2.5倍の輝き
」とも言われ、さらに衝撃への強さ(靭性)や曇りにくさ(低親油性)
などにおいてはより優れた性質を持っています。(※分散度がダイヤモンド0.044に対しモアサナイト0.104)
また天然の宝石が持つ環境破壊・紛争の資金源・児童労働…といった倫理的な諸問題から放たれたエシカルジュエリーであることも評価され 、欧米を中心に婚約指輪・結婚指輪
として選ばれることも増えている新世代のジェムストーンです。
日本国内でも年々注目が高まり、消費者や日本国内での新規取扱ブランドが増加。ブリジャールでも、ブライダルをはじめとした「ハレの日」のジュエリーとしてご購入されるお客様が多くいらっしゃいます。
* 株式会社Brillar ブランド概要
ブリジャールは、当時まだ日本ではあまり知られていなかったモアサナイトの可能性に着目し、2017年に日本初(※)のモアサナイト専門ジュエラーとしてブランドをスタート。
<後世に引き継げるモアサナイトハイジュエリー>をコンセプトに、一生愛してもらえるクオリティのジュエリーをご提供できるよう、ルースやマテリアルの素材、デザイン、
製作工程やアフターサービスに至るまで常に質の向上を追求し、おかげさまで今年ブランド設立6周年を迎えるに至りました。
日本におけるモアサナイトのパイオニアとして常に挑戦を続けるブリジャールの新たなジュエリーをお楽しみください。
※日本初のモアサナイト専門ジュエラー(日本国内における「モアサナイトジュエリーを専門とした企画製造販売ブランド」を調査、2017年12月時点、自社調べ)
社名:株式会社Brillar
本社:〒104-0061 東京都中央区銀座 5-13-2 銀座長岡ビル 7 階
代表取締役社長:小原 亦聡
設立:2017 年 12 月
主な事業内容:モアサナイトジュエリーブランドBrillarの運営
直営店:東京・銀座、大阪・心斎橋
提携サロン:愛知・名古屋
Brillar Instagram:
https://instagram.com/moissanite.brillar/
Online Store:
Corporate site: https://brillar.co.jp/
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