開発現場で求められる“食感”や“加工性”を実現するための技術を詳述した書籍『食品分散系の制御技術と応用』が発売。

化学・食品などの技術・市場動向レポート発行やセミナー開催を行う、株式会社シーエムシー出版(本社:東京都千代田区、代表:辻賢司)は、書籍『食品分散系の制御技術と応用』(監修:杉本

裕/東京理科大学)を2024年3月14日に発刊いたします。

定価は税込67,100円(本体価格61,000円+税)で、当社ECサイトおよび全国の書店でご注文を受け付けております。

目次などの詳細については以下の当社サイトをご覧ください。

https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=9386

* 刊行にあたって

本書は元々,「食品の界面制御技術と応用」の続編として企画されたものであるが,その後の技術的な進展だけに焦点を当てたものではなく,それ以降大きく変化した外部状況も加味して,執筆項目や執筆者の選択を試みた。技術的なことに関すると,前書でも分散系に関する基礎的知識やレオロジーの理論等については解説されているものの,本書では,個々の分散系を対象として,それらを実際に研究されている専門家に,基礎的な概念から,構造と物性の関係などを丁寧に解説していただいている(第I編)。

第II編以降では,昨今の状況より求められている食品素材,分析法や評価法,その実際の応用例について解説をお願いした。第II編では,SDGsの観点から注目を集める植物原料素材のタンパク質や多糖類ナノファイバー,ピッカリング粒子,ミクロゲルについて紹介をいただいている。また,新食感や高齢者に適した食感をもつ食品の構造や物性に関する評価法については第III編で,その応用編として,ヒトにおける食感評価(シミュレーションも含む)および実際の食品における品質制御の事例などを第IV編で紹介いただいている。

前書では,「開発現場と研究最前線を繋ぐ」というサブタイトルを冠したが,本書においても,そのコンセプトが重要であるという認識に変わりはない。その意味で,本書の内容についても,前書同様,食品あるいはその関連企業の研究者・技術者の方々に幅広い興味をもっていただき,些かでも実際の研究開発に役立てていただければ幸いである。(本書「はじめに」より抜粋)

* 著者

松村康生 京都大学

松宮健太郎 京都大学

小川晃弘 三菱ケミカル(株)

松宮由実 京都大学

三浦 靖 岩手大学

栗田 玲 東京都立大学

半田明弘 東京電機大学

新田陽子 お茶の水女子大学

吉川真一 不二製油グループ本社(株)

望月匠峰 広島大学

川井清司 広島大学

長野隆男 石川県立大学

石井統也 香川大学

佐本将彦 不二製油グループ本社(株)

新井武彦 英弘精機(株)

渡辺洋一 (株)山電

山縣義文 (株)アントンパール・ジャパン

武政 誠 東京電機大学

小川剛伸 京都大学

西津貴久 岐阜大学

中馬 誠 三栄源エフ・エフ・アイ(株)

竹内秀和 キユーピー(株)

吉村美紀 兵庫県立大学

江口智美 静岡県立大学

谷口明日香 東京家政大学

神谷 哲 長瀬産業(株);東北大学

栢下 淳 県立広島大学

花澤智仁 雪印メグミルク(株)

大村雅人 (株)日清製粉グループ本社

* 目次

【第I編 食品分散系の種類と構造】

第1章 食品分散系概論

第2章 液状分散系の構造と安定性

第3章 液状分散系のレオロジー

第4章 固体・ゲルのレオロジー

第5章 泡沫の構造およびレオロジー

第6章 卵白タンパク質の加熱ゲル化性

第7章 多糖類ゲルの構造と物性

第8章 油脂含有食品の構造と物性

第9章 分散体が非晶質食品の物性に及ぼす影響

【第II編 分散系食品創出のための新素材】

第1章 食物繊維のナノファイバー化

第2章 農産物の微細化粒子および天然高分子のミクロゲル粒子による分散系の形成・安定化

第3章 Plant-based foods素材としての大豆タンパク質

【第III編 分析法および評価法】

第1章 液状食品の食感評価に対応する物性測定

第2章 固体状食品の食感評価に対応する物性測定

第3章 レオロジー的手法と他の分析法の組み合わせによる解析

第4章 アコースティック・エミッション法を用いた多孔質食品のクリスプネス評価

第5章 フード3DプリンタとAIを活用した次世代食感分析法と製造法開発

第6章 食品の内部構造の可視化と食感予測

第7章 ホイップドクリーム・パン・スポンジケーキ類のきめ・食感評価

第8章 ゲル状食品の食感の推定

【第IV編 応用編―加工や食感制御に活かす技術―】

第1章 低オイルマヨネーズタイプについて

第2章 高齢者用食品の物性と嗜好性の改善

第3章 大麦粉製品における生地の力学特性制御とその品質及び嗜好性

第4章 「潤滑と摩擦」ならびに「流動と変形」を考慮した新規の動的食品特性評価方法

第5章 コンピュータ・シミュレーションを用いた嚥下時の食塊挙動の「見える化」

第6章 介護食における食べる機能の段階に応じたテクスチャーの検討

第7章 油脂粒子が分散系食品の安定化に及ぼす影響

第8章 パスタの表面粗さや内部構造の観察

第9章 乳化剤によるエマルションの安定性制御

第10章 乳化剤の添加相による機能特性の制御:固形状食品および液状食品の事例

* 本商品のカタログは下記からダウンロードできます。

https://www.cmcbooks.co.jp/upload/save_image/03051437_65e6afaeefe3d.pdf

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