東京・銀座屋上の農園「白鶴銀座天空農園」で自社開発酒米「白鶴錦」の田植えが無事終了!
白鶴酒造株式会社は東京支社(銀座)の屋上「白鶴銀座天空農園」での自社開発酒米「白鶴錦」の田植えを2024年5月24日に無事終えました。爽やかな風が吹く絶好の田植え日和となりました。2023年に引き続き良質な酒米と、収量アップを目標とし、日照時間を最大限に活用出来るよう、田植え時期を早めて行いました。2007年に始まった日本酒文化の発信と屋上緑化、食育の取り組みは今年で18回目となります。
また食育の取り組みとして、2009年から地元の小学生による田植えと稲刈りを体験してもらっており、今年も59名の小学生が訪れました。始めは田んぼに入るのをためらう子供もいましたが、慣れてからはもっと田植えをしたいと、楽しんでいるようでした。終了後は、田植えの感想、日本酒や白鶴酒造に関するたくさんの質問が上がりました。
■「田植え」基本情報
<参加者> 社員中心40名程度/小学生59名
<ゲスト>
2024 Miss SAKE 東京 高島 桃子(たかしま ももこ)さん
2024 Miss SAKE 大阪 南 侑里 (みなみ ゆり)さん
※2名は6月7日開催の最終選考会に出場予定。同日、2024 Miss SAKEグランプリ(日本代表)が選ばれます。
■「白鶴銀座天空農園」基本情報
<作付面積> 110平方メートル (大小合わせて7区画)
<高さ> 地上 約30メートル
<使用土> 屋上緑化用の軽量土、深さ15cm程度
<栽培株数> 約1700株
<稲刈りの時期> 10月3週頃
<収穫量見込み> 籾付きで45kg前後(2023年度産46.5kg)
<苦労する点>
一般的な稲作では、土の深さが約60cmは必要だと言われていますが、屋上での栽培ではどうしても重さに制限がかかるので、厚い部分でも15cmの深さまでしか土を敷けません。そのため、稲に必要な栄養をいきわたらせることに工夫が求められます。また、ビル屋上の直射日光を受けるため、水温の調整やこまめな水の補充に苦労しています。一度水を抜いて水温が上がらないようにするなど、管理を工夫しています。(真夏には水温が40℃近くなることもしばしば)加えて、災害対策も欠かせず、稲は風にも弱いため、風の強い日はロープとネットで風よけを設置することも必要となります。
■白鶴銀座天空農園とは
銀座から日本酒文化の情報発信をしたいとの想いから、2007年に白鶴銀座天空農園のプロジェクトを立ち上げ、東京支社(中央区銀座)屋上で自社開発酒米「白鶴錦」を栽培しながら、屋上緑化、食育、日本酒文化の情報発信を行っています。当初、大都会のビルの屋上でのお米の栽培は難しいという声がありましたが、プランターでの栽培が成功し、2008年には田圃を造成しました。毎年、米の品質向上に取り組み、2013年からは白鶴銀座天空農園で収穫した「白鶴錦」のみで仕込んだ商品を数量限定、銀座の一部店舗限定で発売しています。
■白鶴銀座天空農園の歩み
2007年 プランター100基と4斗樽41本を使って栽培開始。
2008年 ビル屋上を大改修し、広さ約110平方メートルの屋上田圃が完成。
2009年 近隣の小学生を対象に食育の授業として、田植え体験・稲刈り体験を開始。
2013年 天空農園で収穫した白鶴錦100%で仕込んだ酒を商品化。以来、毎年限定本数を銀座のみで販売。
2018年 田植え、稲刈り体験イベントとして参加者を一般公募開始。留学生も招待。
2020年 コロナ禍により、天空農園のイベントは自粛。社員中心に田植え、稲刈りを実施。
■白鶴銀座天空農園のプロジェクトについて (チームリーダー 山田 亜由美)
現在、白鶴銀座天空農園のプロジェクトは東京支社営業サポートグループのメンバー(女性7名・男性1名)が、総務や営業事務など日々の業務と並行して運営しています。
日照時間を最大限に活用出来るよう、2023年は初めて、例年6月中旬に行っていた田植えの時期を、少し早めました。6月上旬の梅雨入り以降、まとまった雨が降らず、「梅雨寒」と言われるような気温の低い日もほぼ無く、夏のような日が続いたことで、たくさん太陽を浴びた稲は順調に生長していきました。1か月の間に少しずつ茎も増え、密度が濃くなるなど、日々生長が見えました。7月に入ると記録的な暑さが続き、日差しはますますきつくなりました。水の蒸発が早く、水量の管理にはとても気を使いました。
背丈は60cm~80cm超えになるなど、順調に生長していましたが、8月を迎えても猛暑の影響は続き、若干生長ペースが遅くなっているような気もしました。刺すような日差しを浴びながらの毎日の田んぼの巡回や、水の管理、雑草や藻の発生など、体力的にも気持ちの上でも楽なことではありませんでしたが、8月終わりに出穂を確認し、安心すると共に再び気持ちを引き締めました。9月になるとゲリラ豪雨や台風の接近など、不安定な天候もあり心配ではありましたが、被害もなく無事収穫を終えることが出来ました。
シーズン通して晴天と日照に恵まれ、11月の穀物検査では、これまでになく高評価をいただくことが出来ました。田植えを早めたことも良い方に作用したのでは、と思っています。今シーズンも引き続き良いお米が作れるよう、愛情込めて育てていきたいと思います。
■自社開発酒米「白鶴錦」について
2007年に品種登録受理された白鶴酒造が独自開発した酒米です。
「山田錦」の母にあたる「山田穂」と「渡船2号」(父にあたる「短稈渡船」は現存せず、近縁種である「渡船2号」を選抜)を70年ぶりに交配させ、誕生したことから「山田錦の兄弟米」という位置づけとなっています。特徴として、「山田錦より粒・心白が大きくなりやすい」、「背丈が山田錦より若干低くなりやすく、倒れにくい」、「出来上がったお酒が、山田錦と比べるとすっきりとした味わいになりやすい」などが挙げられます。
天空農園での日々の活動や生育の様子は、白鶴銀座天空農園公式SNSで発信しています。是非ご覧ください。
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