第46回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」を大森淳郎著『ラジオと戦争 放送人たちの「報国」』が受賞!

放送人たちの「報国」』が受賞!

NHK出版より2023年6月26日に発売された、大森淳郎・NHK放送文化研究所 著『ラジオと戦争 放送人たちの「報国」』が、第46回「講談社

本田靖春ノンフィクション賞」を受賞しました。膨大な資料渉猟と長期にわたる取材による渾身のノンフィクションです。

昨夏発売以降、各紙誌書評や元NHKディレクターである著者・大森淳郎氏のメディア露出が相次ぎ、話題となった『ラジオと戦争

放送人たちの「報国」』。このたび、7月18日に発表された第46回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」を受賞しました。なお、NHK出版の刊行物としては、

43年ぶりの受賞となります。最終候補作段階では、業界で影響力のある編集者・たられば氏より「現代ビジネス

[]」(講談社)にて、

「570ページ越えの分厚い「鈍器本」で、とても読み切れないんじゃないかと思って読み始めたら、冒頭から、むちゃくちゃ面白いでしょこれ!」

と絶賛のコメントもいただきました。まさに、576ページという重厚な書籍ながら、内容はスリリングかつ明確な本書。

日本近現代史、メディアに興味のある方や現代社会における放送人・メディア業界人にも必読の一冊です。

どうぞこの機会に、戦時下最新のメディアだった「ラジオ」と、ラジオに携わった「放送人」たちの生きざまに触れてください。受賞のコメント:大森淳郎氏

昨夏の本書の刊行以来、多数の書評や、NHKだけでなく民放各局で話題にしていただき、さらに今回、このような栄えある賞も頂戴することになりました。これは裏返せば、自らの戦争責任をきちんと検証して考えるという、本来ならばNHKがとっくにやっていなければならなかった仕事がやっと現れたとみなしていただけたからではないかと思います。そして、メディアの公共性とは何かという問いは、NHKに限らず、今日、ますます重要になってきているからだと思います。

現在進行形でウクライナやガザ地区での戦争があります。日本でも、タモリさんが先年警鐘を鳴らしましたが、今、私たちは「新しい戦前」にいるのでは――そんな危機感が本書を後押ししているのかもしれません。「新しい戦前」にいるのだとすれば、メディアはどうあるべきなのか、本書が引き続きその考える一助になればと願っています。

【著者出演情報】本日7月19日22時からのTBSラジオ「武田砂鉄のプレ金ナイト []

」に、著者の大森氏が出演予定。武田砂鉄氏によるインタビューが放送されます。【受賞歴】『ラジオと戦争

放送人たちの「報国」』として2023年6月26日に第77回「毎日出版文化賞(人文・社会部門)」を受賞、2024年5月15日には大森氏個人の言論活動に対し「日隅一雄・情報流通促進賞2024奨励賞」を受賞

■書籍内容

1925年に登場し、瞬く間に時代の寵児となったラジオ。そのラジオ放送に携わった人々は、ラジオの成長と軌を一にするかのように拡大した「戦争」をどう捉え、どう報じたのか、あるいは報じなかったのか。また、どう自らを鼓舞し、あるいは納得させてきたのか。そして敗戦後はどう変わり、あるいは変わらなかったのか――。

上記をテーマに、NHK放送文化研究所の月刊誌「放送研究と調査」は、2017年8月号~21年12月号で、5年にわたり「戦争とラジオ」を掲載した。その連載を単行本化したものが本書である。筆者の大森淳郎はNHKのドキュメンタリー番組のディレクターとして、戦争中のラジオについても長年取材を続けたのち、2016年~22年12月まで同研究所の特任研究員を務めた。

本書では、記者・ディレクター・アナウンサーといった「放送人」たちが遺した証言と記録、NHKにある稀少な音源・資料などを渉猟し、丁寧にたどり、検証しながら、自省と内省の視点を欠くことなく多面的に「戦争とラジオ」の関係を追う。ひいては、非常時において、メディアに携わる者がどのように思考・模索し、振る舞うべきなのかをも照射したノンフィクション。

【もくじ】

第1章:国策的効果をさらにあげよ -検証・戦時下ラジオニュース

第2章:前線と銃後を結べ -戦時録音放送を聴く

第3章:踏みにじられた声 -戦時ラジオ放送への道

第4章:日本放送協会教養部・インテリたちの蹉跌 -講演放送・学校放送は何を伝えたのか

第5章:慰安と指導 -放送人・奥屋熊郎の闘い

第6章:国策の「宣伝者」として -アナウンサーたちの戦争

第7章:敗戦への道 -「負け戦」はどう伝えられたのか

第8章:敗戦とラジオ -何が変わらなかったのか

あとがき◆NHK出版「デジタルマガジン」にて、「序」を公開中!

ラジオは国民に何を伝え、何を伝えなかったのか——「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」を受賞した『ラジオと戦争』

大森 淳郎(おおもり・じゅんろう)

1957年埼玉県生まれ。1982年、東京外国語大学ヒンディー語学科卒業。同年NHK入局。富山、東京、広島、福岡、仙台の各放送局に勤務。ディレクタ-として主にETV特集を手掛ける。作品にETV特集「モリチョウさんを探して―ある原爆小頭児の空白の生涯―」(1993年)、同「祖父の戦場を知る」(2006年)、同「シリーズBC級戦犯

第二回“罪”に向き合う時」(2008年)、同「ひとりと一匹たち―多摩川 河川敷の物語―」(2009年)、同「シリーズ戦争とラジオ 第一回

放送は国民に何を伝えたのか」(2009年)、同「敗戦とラジオ 放送はどう変わったのか」(2010年)など。

2016年からNHK放送文化研究所に研究員として勤務。2022年退職。

著書に『BC級戦犯 獄窓からの声』(日本放送出版協会、2009年)、『ホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図』(講談社、2012年)。ともに共著。

商品情報

『ラジオと戦争 放送人たちの「報国」』著者:大森淳郎、NHK放送文化研究所

出版社:NHK出版

発売日:2023年6月26日

定価:3,960円(税込)

判型:四六判上製ページ数:576ページ

ISBN:978-4-14-081940-1商品詳細(NHK出版)

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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000954.000018219.html

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