絶海の孤島で人間の欲望があらわになる。中山七里的令和探偵小説!『人面島』
毒舌“人面瘡探偵”×ポンコツ相続鑑定士が、 隠れキリシタンの島で起きた密室殺人の謎に挑む!
相続鑑定士・三津木六兵(みつぎろっぺい)の肩には人面瘡(じんめんそう)が寄生している。 毒舌ながら頭脳明晰で博学なその怪異を、 六兵は「ジンさん」と呼び、
頼れる友人としてきた。
ある日、 六兵は、 長崎にある仁銘島(じんめいとう)――通称「人面島」に派遣された。 この島には今も隠れキリシタンが住み、
さらに平戸藩が溜め込んだ財宝が埋蔵されている伝説があるという。 六兵が鑑定するのは、 4日前に亡くなった島の村長・鴇川行平(ときかわゆきひら)の財産。
行平には前妻との間に長男・匠太郎、 後妻との間に次男・範次郎がいる。 ふたりは過去に因縁があり、 今もいがみ合う仲だ。 さらに、 相続人兄弟は、
島民が帰依する神社の宮司、 島の主要産業を統べる漁業組合長を、 それぞれバックに持っている。
鴇川家の物騒な状況に、 肩に寄生する人面瘡の「ジンさん」が口を開く。
«『それより気にならねえか』
「何をさ」
『匠太郎と範次郎の仲違いの理由だ。 いくら腹違いだからってあの仲の悪さはちょっと珍しい』
「遺産相続が絡めばどんな兄弟だって、 ああなるんじゃないかしら」
『馬鹿。 鴇川兄弟の確執は今に始まったことじゃない。 当主の行平が急逝する以前から犬猿の仲だった。 原因は匠太郎の方にありそうだが、
本人は忘れたか忘れたふりをしている』
「その理由さえ分かれば兄弟仲の修復も可能って訳か」
『俺がいつ兄弟仲を修復させろなんて言った』
「へっ」
『因縁の異母兄弟が遺産相続をきっかけに血で血を洗う争いを繰り広げる。 これはロマンだよな』
「どこがロマンなんだよっ」
『どうせ俺は野次馬だからな。 家族間の争いは醜ければ醜いほど、 派手なら派手なほど面白い。 あああ、 わくわくするなあ」»
(本文より)
そんななか、 密室となった祈祷所で死んでいる匠太郎が発見された。 戸惑いながらも六兵は調査を進めるが、 第二の殺人事件が起きて――。
天候が荒れ狂い、 電気も通信も断たれた絶海の孤島。 犯人は? そして驚くべき真相とは!?
「人の不幸は蜜の味。
その匂いに釣られた善と悪のコンビが人間の業を炙り出す」――谷原章介さん(俳優) * 谷原章介さんと著者の刊行記念対談はこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/sb_special/jinmentou_taidan
「よし、 横溝作品の読者が赤面するほどベタベタなオマージュを書くべ。 今回は『八つ墓村』と『獄門島』のテイストをぶっこんでやるべ。 それがいい、
それがいい」(著者) * 著者による本書『人面島』についてのコラムはこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/jinmentou
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『人面島』
著/中山七里
定価:1760円(税込)
判型/頁:四六判/304頁
ISBN978-4-09-386640-8
小学館より発売中(3/18発売)
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386640
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☆よみがえる横溝ワールド。 山林王の遺産をめぐる骨肉の争い! 好評既刊シリーズ第1弾が文庫化!
ある日、 六兵は信州一の山林王・本城家の財産分割協議に向かうことに。 家父長制度が色濃く残る本城家で待ち構えていたのは一癖ある面々。
財産の多くを占める山林に希少な鉱物資源が眠ることが判明した夜、 蔵が火事に遭う。 翌日、 焼け跡からは長男・武一郎夫婦の焼死体が発見された。 さらに、
次男の孝次は水車小屋で不可解な死を遂げ・・・。 一連の経緯を追う六兵。 そんな宿主にジンさんは言う。
「俺の趣味にぴったりだ。 好きなんだよ、 こういう横溝的展開」
さまざまな感情渦巻く本城家で起きる事件の真相とは!?
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小学館文庫
『人面瘡探偵』
著/中山七里
定価:836円(税込)
判型/頁:文庫判/368頁
ISBN978-4-09-407114-6
小学館より発売中(2/4発売)
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09407114
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【著者プロフィール】
中山七里(なかやま・しちり)
1961年岐阜県生まれ。 『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、 2010年にデビュー。 同作は映画化されベストセラーに。
著書に『護られなかった者たちへ』『ドクター・デスの遺産』『セイレーンの懺悔』など多数。
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