河崎節が冴え渡る、圧巻の長編監獄小説! 直木賞受賞後第一作『愚か者の石』、小学館より本日発売!!

直木賞受賞後第一作『愚か者の石』、小学館より本日発売!!

地獄に光が差したとして、仮初めであってもお前はそれに手を伸ばすのか──

明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だった。明治19年春、巽は硫黄採掘に従事するため相棒の大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送されることになった。その道中で一行は四月の吹雪に遭遇する。生き延びたのは看守の中田、大二郎、巽の三人だけだった。無数の同胞を葬りながら続いた硫黄山での苦役は2年におよんだ。

目を悪くしたこともあり、樺戸に戻ってきてから精彩を欠いていた大二郎は、明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに姿を消す。明治30年に仮放免となった巽は、大二郎の行方を、再会した看守の中田と探すことになる。山本大二郎は、かつて幼子二人を殺めていた。

(C)小学館

(C)小学館

河崎秋子『愚か者の石』

定価1,980円(税込)

四六判上製352ページ 小学館

ISBN978-4-09-386721-4

2024年5月29日発売

https://dps.shogakukan.co.jp/orokamononoishi

河崎秋子【かわさき・あきこ】……1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、15年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。24年『ともぐい』で第170回直木三十五賞を受賞。

発売記念サイン会を開催します。くわしくは書店にお問い合わせください。

6月15日(土)14時~

北海道・帯広市「ザ・本屋さん 白樺コロニー店」

https://www.zahon.jp/information/event/

6月16日(日)14時~

北海道・札幌市「コーチャンフォー 新川通り店」

https://www.coachandfour.ne.jp/event/