宇宙遊覧商業運航へ向け、自社開発有人気球で国内初の高度20,816m到達

気球による「宇宙遊覧フライト(SM)」を目指す宇宙開発企業、岩谷技研(本社 : 北海道江別市、代表取締役CEO:岩谷

圭介)は、2024年7月17日、北海道十勝地方にてフリーフライト有人飛行試験を行い、国内で初めて、気球による有人飛行で過去最高となる最大到達高度20,816mの成層圏に到達しました。

最高到達高度20,816m到達時の窓外風景

岩谷技研では2022年2月に福島で行った係留飛行試験以降、徐々に高度を上げながら毎月のように北海道内を中心に飛行試験を重ねて参りました。今回は、今後商業運航で使用する機体と同型の2名乗り与圧キャビンを使用して、初めて最高高度20,816mの成層圏に到達いたしました。

商業運航本番では、飛行高度18,000~25,000mの運航を想定しており、今回同高度帯に到達したことで、世界初の気球による「宇宙遊覧フライト(SM)」の商業運航実現に大きく近づきました。

今回の飛行試験での到達高度20,000m超達成について、有識者の方々からお寄せいただいたメッセージについて、ご紹介させていただきます。

当社では、今回の飛行試験で明らかになった課題点について各種検証を行い、お客様を乗せた本番飛行へ向けて、引き続き飛行試験、開発を進めて参ります。

宇宙飛行士、一般社団法人Space Port Japan代表理事 山崎 直子 様

(C)小林廉宜今回の有人飛行試験において、大きなマイルストーンを達成されたこと、おめでとうございます。

段階を追って、着実に試験飛行を繰り返してきたことで、商業運航の実現が一歩一歩近づいていることを嬉しく思います。

地球の美しさ、宇宙の壮大さを実感できる旅が開始されることを楽しみにしています。プロフィール

1970年千葉県松戸市生まれ。1999年、宇宙飛行士候補者に選抜され、2001年、宇宙飛行士として認定。2010年、スペースシャトル「ディスカバリー号」によるSTS-131ミッションのMSとして参加。物資移送作業全体の取りまとめや、ISSのロボットアームの操作などを担当。ISS第22次/第23次長期滞在クルーとして長期滞在中の野口聡一宇宙飛行士と共に、日本人宇宙飛行士が初めて軌道上に2人同時滞在し、様々な共同作業を実施した。

和歌山大学 教授 秋山 演亮 様

リスクも多い未知のチャレンジを行うためには、既存のルール(法規)を守るだけでは足りません。実施者自らがリスクアセスメントを行い、対策を講じ「安全」を確保し、そして一番重要なのはそのことをきちんと周囲に説明して「安心」を得る事が必要です。

2000年代初頭、多くの国内実験者が国内・国際法規を理解せず「安全」「安心」を蔑ろに進もうとする中、まだ学生だった岩谷社長が一つ一つのリスクに向き合い対応し、きちんと説明を公開されている事に感銘を受けていました。

それから20年。遂に安全な有人成層圏飛行を実現されたこと、心よりお祝い申し上げます!今後も「安全」・「安心」に心がけた商業運航を行われることを確信しています。

ご安全に!プロフィール1969年6月25

日生まれ。滋賀県育ち。和歌山大学学長補佐、教授、共同利用・共同研究推進室長。専門は固体惑星科学・宇宙教育・宇宙政策。月・惑星探査機「かぐや」「はやぶさ」のプロジェクトでは理学カメラメンバー。西松建設、JAXA研究員を経て、秋田大学で「能代宇宙イベント」を企画。2008年に和歌山大学へ着任。内閣府宇宙政策委員会専門委員や千葉工大惑星探査研究所主席研究員などを併任し、現在は和歌山大学専従。宙ツーリズム代表も務める。

▊ 2024年7月17日実施の飛行試験概要

実施目的:今後、「宇宙遊覧フライト(SM)」で使用するものと同型のキャビン及び生命維持装置の成層圏低圧環境下での運用試験および自社気球による高度2万m付近の高度帯への到達実証

離陸地点:北海道 士幌町離陸時刻:午前2時40分着陸地点:北海道 帯広市着陸時刻:午前7時36分飛行距離:41km飛行時間:4時間56分到達高度:20,816m

パイ ロ ッ ト:研究開発部 部長補佐 三木 将貴(みき まさき)※2名乗りキャビンに1名で搭乗

成層圏を飛行する岩谷技研製キャビン「T-10 EARTHER」

船内で航路を確認する三木 将貴パイロット▊ 自社開発キャビンとガス気球による打ち上げ/飛行試験:これまでの開発経緯2020年 7月 有人宇宙遊覧プロジェクト始動

2021年 6月 T-3 気密キャビン|無人打ち上げ試験で気密キャビンを成層圏へ打上/回収2022年 2月 T-5 キャビン|有人係留飛行試験で高度30mに到達

2022年 7月 T-5 キャビン|有人係留飛行試験で高度50mに到達2022年10月 T-5 キャビン|有人自由飛行試験で高度50mに到達2022年11月

T-5 キャビン|有人自由飛行試験で高度102mに到達2023年 2月 T-5 キャビン|有人自由飛行試験で高度408mに到達2023年 3月 T-5

キャビン|有人自由飛行試験で高度1,190mに到達2023年 4月 T-5 キャビン|有人自由飛行試験で高度2,843mに到達2023年 7月 T-9

気密キャビン|有人自由飛行試験で高度6,072mに到達2023年10月 T-9 気密キャビン|有人自由飛行試験で高度10,669mに到達2023年11月

T-10-III キャビン|有人係留飛行試験で高度30mに到達2024年 4月 T-10-VII 気密キャビン|有人自由飛行試験で高度3,690mに到達

2024年 6月 T-10-VII 気密キャビン|有人自由飛行試験で高度10,555mに到達2024年 7月 T-10-X

気密キャビン|有人自由飛行試験で国内初の高度20,816mに到達(◀今回)※T-10タイプは全て2名乗りキャビンとなります▊ 今後の課題

〇気象条件、電波状況に合わせた各種航行支援システムの運用〇船内結露の解消(視認性の向上)〇気象条件に合わせた着陸コントロール技術の向上

▊ 株式会社岩谷技研:

https://iwaya.biz/

岩谷技研は、高高度ガス気球、並びに宇宙関連技術の開発を行う企業です。誰もが気軽に宇宙遊覧を行うことを可能にする技術を開発し、新たな技術によって“まだ見ぬ未来”を創り出します。

▊ 宇宙遊覧フライト(SM)

高高度ガス気球によって、成層圏の高度18,000~25,000mを飛行し、眼下に青い地球と上空の宇宙空間を船内から遊覧することが可能な岩谷技研が提供するサービス。特別な訓練や、宇宙服といった装備が必要なく、誰もが気軽に宇宙遊覧が可能。

株式会社岩谷技研のプレスリリース一覧:

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/88928 当リリースの詳細について

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000088928.html

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