朝日新聞出版が科学雑誌「Newton」発行のニュートンプレス全株式を取得
株式会社朝日新聞出版(代表取締役社長:市村友一)は2023年10月5日(木)付で、科学雑誌「Newton」を発行する株式会社ニュートンプレス(代表取締役:高森康雄)の全株式を取得し、同社は朝日新聞グループのグループ会社となりました。
「Newton」は1981年に創刊し、「科学の面白さをわかりやすく伝える」という理念のもと、カラーイラストやダイナミックな写真、そして第一線の研究者に取材したレポートで、40年以上にわたって科学の魅力を伝えてきました。
ニュートンプレスは2017年、民事再生法の適用を申請し、2020年に手続きが終結。今後は事業基盤の安定化に向けた再生計画の推進を、朝日新聞グループが全面的にサポートしていきます。
ニュートンプレスの代表取締役は引き続き高森氏が務め、これまで同様の編集方針で科学専門の出版社としてさらなる成長を目指します。また、同社の魅力的な商品やブランドと、朝日新聞出版の企画力や営業力を活かして、科学に関心を持つ読者の皆様に喜んでいただける商品やサービスの開発をともに進めてまいります。
【高森康雄:ニュートンプレス 代表取締役 コメント】
朝日新聞出版は、その前身である朝日新聞出版局から続く長い歴史の中で、業界における誇るべき実績とノウハウ、規模を有しています。
その経験はニュートンプレスにはないものであり、今後の活動において非常に重要な要素となると考えております。
例えば広告獲得力、営業力、コンテンツの企画能力、そして書店との深いコミュニケーションスキルにより、ニュートンプレスの成長も促進されると考えています。
また朝日新聞の読者層はニュートンプレスのターゲットと重なると考えており、新聞読者層からのユーザー獲得により新たな成長を実現することも期待しております。
同時に、朝日新聞グループはデジタルトランスフォーメーション(DX)など、時代のトレンドにも積極的に対応しており、共に成長する環境ができるという期待もあります。
一方で、ニュートンプレスの40年以上にわたる科学雑誌の編集ノウハウや、民事再生後に磨き上げた製造プロセスの工夫を共有することで、互いに有益な事業環境を築くことが可能であると確信しています。
この協力関係は両社にとって大きな機会となります。出版業界における存在感を強化するため、今後の発展に向けて共に努力してまいります。
【市村友一:朝日新聞出版 代表取締役社長 コメント】
朝日新聞出版の前身である朝日新聞出版局は、かつて「科学朝日」という月刊誌を発行していました。その最大のライバルが「Newton」でした。「科学朝日」は1941年創刊ですが、発行部数が最も多かったのは「Newton」の創刊で科学雑誌ブームが起きた80年代後半ごろです。ライバルであると同時に、編集者同士は取材先でよく会って話す間柄で「みんなで科学業界を盛り上げよう」という交流があったそうです。
「科学朝日」は1996年に「SCIaS(サイアス)」と名前を変え、2000年に休刊しました。休刊時には科学を愛する多くの方々から叱咤激励をいただき、その中には「Newton」関係者の声も含まれていました。
その後、朝日新聞出版が発足した2008年から刊行を始めた「科学漫画サバイバル」シリーズは累計発行部数が1400万部を超え、15年にわたって科学を愛する多くの子供たちに読まれてきました。
このような経緯を経て、ニュートンプレスと朝日新聞出版は手を携えることになりました。これから、日本中の科学ファンがワクワクするようなコンテンツを一緒にお届けしてまいります。
経営面では、朝日新聞出版が持つ営業ネットワークを活用し、ニュートンプレスと全国の読者や企業、そして書店や販売業者の方々とのコミュニケーションをサポートしていくほか、新たな書籍やイベントを共同で企画してまいります。「Newton」の魅力あるコンテンツのデジタル展開や科学ファンのコミュニティーづくりも検討していきたいと考えております。どうか、ご支援を頂けると幸いです。
【中村史郎:朝日新聞社 代表取締役社長 コメント】
「Newton」は日本の科学界の宝です。雑誌・出版界が順風満帆とは言えないなかでも、高品質の誌面で読者の期待に応え、ブランドを守り抜いてきたニュートンプレスの皆様に、心からの敬意と感謝を表します。
ニュートンプレスは再生計画を着実に遂行し、安定した事業基盤を再び築く途上にあります。さらなる成長に向けて、朝日新聞グループが全面的にサポートしてまいります。
朝日新聞社は2029年に創刊150年を迎えます。私たちの企業価値の源泉は、質の高いジャーナリズムを提供し続けることです。いま、メディアが直面する難局を乗りこえるため、グループの一体感を強める改革に取り組んでいます。2008年に朝日新聞社から独立した朝日新聞出版はその中核となる存在です。そして今回、さらに「Newton」という高品質な情報を発信してきたメディアが新たな仲間として加わってくれることを心強く感じます。豊かなコンテンツ群が、私たちのグループの信用力により厚みをもたらしてくれると確信しています。
今後もお客さまの知的好奇心に応え、グループの成長に資する投資を続けてまいります。
(左から)朝日新聞出版 代表取締役社長:市村友一、ニュートンプレス 代表取締役:高森康雄、朝日新聞社 代表取締役社長:中村史郎
(左から)朝日新聞出版 代表取締役社長:市村友一、ニュートンプレス 代表取締役:高森康雄、朝日新聞社 代表取締役社長:中村史郎
◆株式会社ニュートンプレス 沿革
1974年 10月:「教育社出版サービス」として会社設立
1981年 7月:親会社の教育社が「Newton」を創刊
1996年 10月:ニュートンプレスに社名変更。Newton事業を教育社から譲受
2017年 2月:民事再生法の適用を申請
2017年 9月:民事再生計画の認可決定
2020年 9月:民事再生手続きが終結。民事再生債権の返済を開始
2024年:民事再生債権を完済予定
【会社概要】
会社名:株式会社ニュートンプレス
所在地:東京都文京区大塚3-11-6 大日本図書大塚三丁目ビル6階
代表者:代表取締役 高森康雄
事業内容:科学雑誌「Newton」や別冊、書籍の出版
資本金:1000万円
設立:1974年10月
URL:
会社名:株式会社朝日新聞出版
所在地:東京都中央区築地5-3-2
代表者:代表取締役社長 市村友一
事業内容:雑誌、書籍の出版
資本金:8000万円
設立:2008年4月
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