尿路上皮がん新規バイオマーカーの開発を目指す BioPhenoMA、東京医科大学と共同研究契約締結
株式会社BioPhenoMA(東京都新宿区、CEO:藤井直人、以下BioPhenoMA)は、この度、学校法人東京医科大学(東京都新宿区、理事長:矢崎義雄、以下東京医科大学)と共同研究契約を締結致しました。
本契約の締結により、BioPhenoMAと東京医科大学(研究責任者:泌尿器科学分野 平澤
陽介講師)は、「尿中極微量タンパクを用いた尿路上皮がんの新規バイオマーカーの開発」に関する共同研究を開始します。
■研究概要
尿中極微量タンパクを用いた尿路上皮がん新規バイオマーカー開発に関する研究
尿路上皮がんは、膀胱がん全体の約90%を占め¹ 、転移性の場合、5年生存率はわずか5%程度と極めて予後不良の疾患²
の尿管鏡検査を行う必要があります。そのため、3カ月ごとに外来にて膀胱内視鏡検査を実施し、再発の有無を確認する必要があります。しかし、この膀胱内視鏡検査は、身体的な痛みのほか、羞恥心を伴う、患者さんにとって心身ともに苦痛を強いる検査です。中でも、腎盂がんや尿管がんといった上部尿路上皮がんの確定診断は、膀胱内視鏡検査以上に身体的負担を強いる、麻酔下での尿管鏡検査を行う必要があります。
そこで本研究では、尿中及びエクソソーム内の極微量タンパク質定量に関して実績を有するBioPhenoMAと東京医科大学が共同研究を行うことで、尿路上皮がんの低侵襲かつ高精度な新規バイオマーカー開発を目指します。本研究を発展させることで、従来の膀胱鏡検査や尿管鏡検査の一部を代替し、患者さんの苦痛を少しでも減らしたいと願っております。
株式会社BioPhenoMA
早稲田大学 伊藤悦朗教授らが開発した、極微量タンパク質の検出・定量が可能な基幹技術(TN-cyclon
(TradeMark))を有するスタートアップ(2023年4月設立)です。
生体現象機構を解析するために極微量タンパク質の検出・定量が重要と考え、“誰もがどこでも簡単に「極微量タンパク質検出」を行える革新的なプラットフォームを創生し、生物医学分野の更なる進歩に貢献する”をミッションとして掲げて、研究開発を推進しています。
昨年11月に開催された生物物理学会においては、抗がん剤を作用させて生き残ったがん細胞から分泌するエクソソーム内の極微量タンパク質(GRP78)の検出に成功し、GRP78が集まって細胞の特性を変化させることを解明しています。
今年春頃よりTN-cyclon (TradeMark))受託解析サービスを開始する予定です。サービス詳細については、ホームページ(
https://www.biophenoma.com/
https://www.biophenoma.com/)にてアップデート予定です。
学校法人東京医科大学
東京医科大学は、1916(大正5)年、東京・新宿の地に建学された100年以上の歴史ある私立医科大学で、医学部には医学科と看護学科(2013年開設)を有し、大学院には医学研究科(博士・修士)を設置しています。多様性、国際性、人間性に支えられた最高水準の医科大学の実現をビジョンに、医師・看護師・研究者を育成し、多くの医療従事者を輩出しています。
また、地域の医療ニーズに応え、大学病院(新宿区西新宿)を中心に茨城医療センター(茨城県稲敷郡阿見町)、八王子医療センター(東京都八王子市館町)と関東広域に附属病院を展開しています。2016(平成28)年には創立100周年を迎え、2019(令和元)年7月には新大学病院が西新宿に開院しました。
近年は研究にも力を入れており、ミッションである「患者とともに歩む医療人を育てる」のもと「患者に優しい医療(低侵襲医療)」の実現に向けた研究活動を推進しています。今後も、臨床を支える高度な研究を推進し、地域そして世界の健康と福祉に貢献して参ります。
【参考文献】
1) Cancer.net. Bladder Cancer: Introduction.
https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction.Accessed
January 2020.
2) SEER. Cancer Stat Facts: Bladder Cancer.
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