山梨大学医学部附属病院での放射線治療支援ソフトウェアRatoGuideの実証実験を開始
山梨県の社会実証プロジェクト「第5期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」
アイラト株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役:木村祐利、角谷倫之、以下「アイラト」)は、第5期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業に採択され、2023年12月より山梨大学医学部附属病院で実証実験を開始いたしました。
当社は、AI放射線治療計画支援ソフトウェアRatoGuideの開発・社会実装を進めております。今回の実証実験では、肺がんの定位放射線治療を世界的にリードする山梨大学医学部附属病院放射線治療科と共同で、肺がん定位放射線治療計画用AIの開発・臨床的有用性の検証を行います。
■放射線治療計画支援サービスRatoGuide(ラトガイド)について
がんの三大治療法の一つである放射線治療は、患者負担が少なく機能、形態の温存が可能な治療法です。その放射線治療の最先端の照射法として、放射線の照射形状を複雑に変化させながら照射を行う強度変調放射線治療(IMRT)やその技術を応用した定位放射線治療が近年普及しつつあり、高い治療効果を発揮しています。IMRTは非常に優れた治療法である一方で、2つの大きな課題があります:1.医療従事者の経験に依存した治療成績のばらつき、2.治療を行う医療スタッフの不足およびそれに起因する過重労働。これらにより、現状はIMRTの価値を最大限発揮できているとはいえず、放射線治療を必要とするすべての人を対象にIMRTを実施できていません。
そこで、我々はこれらの課題をAIで解決する放射線治療計画支援サービスRatoGuide(以下RatoGuide)の開発、事業化を進めております。本サービスを利用することで、CT画像上でのがんおよび正常臓器の輪郭描出、照射領域の決定、照射の安全性検証といった、従来は医療従事者が手動で実施していた作業が、AIによって自動で行われます。作業時間はおよそ6時間から10~20分へと大幅に削減されるだけでなく、高品質な放射線治療計画の立案が実現可能となります。
本サービスのコアであるAIの学習には大量の良質な臨床データが必要です。山梨大学医学部附属病院放射線治療科は、肺がんの定位放射線治療において世界トップクラスの知見と臨床データを有しております。そこで、本実証実験では肺がんの定位放射線治療計画用AIを山梨大学医学部附属病院と共同で開発し、肺がんにおいてAI治療計画が有用であるかを検証します。
※定位放射線治療について
定位放射線治療とは、腫瘍に対して集中的に一度に高線量の放射線を照射する技術です。腫瘍の大きさや広がりが限局的な場合、手術に代わる有力な選択肢となる治療法です。早期肺がん、前立腺がん、膵臓がん、肝臓がんなどが対象として挙げられます。定位放射線治療のメリットは、がんに対する高い局所制御効果を有する点です。正常臓器を避けながら腫瘍に対して高い精度でピンポイントに高線量を投与することが可能です。
■TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業につきまして
本事業は、山梨県が最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に対して、全国トップレベルの補助率4分の3、最大750万円の経費を支援するとともに、山梨県全域を実証実験のフィールドとして、オール山梨体制で伴走支援する事業です。
アイラトは第5期事業者として採択され、肺がんに対するAI放射線治療計画モデルの開発と有用性の評価を実施しています。
■アイラト株式会社について
アイラトは、「放射線治療ですべてのがん患者を救う」をミッションとして2022年に創業した東北大学発の医療系スタートアップです。放射線治療AI分野の研究、開発を世界的にリードする放射線腫瘍学教室の技術を社会実装することで、放射線治療の課題を解決します。研究者、医療従事者、AIエンジニア、UIエンジニア、セールスなど様々なバックグラウンドを持つメンバーが揃い、一丸となって事業を進めています。
当社は2022年にNEDO Entrepreneurs
ProgramタイプAおよびタイプBに採択されました。2024年にシードラウンドで8000万円の資金調達を行い、事業およびプロダクト開発を進めております。
【会社概要】
会社名:アイラト株式会社
所在地:〒980-8572
宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1 東北大学マテリアル・イノベーション・センター青葉山ガレージ内
代表取締役:木村祐利、角谷倫之
設立:2022年3月
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■お問合せ先
メディア関係者/医療従事者/事業一般に関するお問い合わせ先
e-mail: [email protected]
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