アントラージュ効果でCBDと互いの効果を高め合う“ふきの芽フィトカンナビノイド”にゆらぎ肌を改善する効果を発見

「1人でも多くの女性に正しい綺麗を」をビジョンに高性能なスキンケアの開発とOEM製造を行う株式会社サティス製薬(代表取締役:山崎智士、本社:埼玉県吉川市)は、オリジナル化粧品原料『ふきの芽フィトカンナビノイド』に関して、季節の変わり目に頻発する肌の炎症を抑制する効果があることを明らかにしました。ふきの芽フィトカンナビノイドは、春一番に顔を出す「ふきの芽」の苦味成分がCBD様作用を持つことに着目して開発した原料です。また、ふきの芽フィトカンナビノイド単体での効果に加えて、CBDと併用することで活性が増大する「アントラージュ効果*」があることも発見しました。

*アントラージュ効果:大麻草カンナビノイドとテルペン類を同時に摂取することで発現する相乗効果

* 大麻草CBDの効能と課題

■CBDの効能

大麻草由来のカンナビノイド類の中で、カンナビジオール(CBD)は向精神作用がなく様々な薬理効果が期待されている注目の成分です。CBDの外用剤の効能としては、痒み(アトピー)、乾癬(バリア不全)、炎症(皮脂・ニキビ)に対する抑制作用などが挙げられます。抗酸化・抗炎症作用への期待から、化粧品への活用も進んでいます。

■CBDの課題

注目のCBDですが、その起源は大麻草(Cannabis sativa

L.)に限定され、精神活性物質THC(テトラヒドロカンナビノール)を含まない製品の利用に限られます。THC

はその精神活性作用により人体へ有害であることから、違法薬物として大麻取締法で栽培・所持が禁止されている成分です。

CBDは単体(アイソレート)で摂取するよりも、大麻草由来の複数のフィトケミカルを含む状態で摂取した方がより高い生理機能が見込めるとされています(アントラージュ効果:以下参照)。しかし、未精製の大麻草由来原料にはTHCが混入してしまうことから、日本国内では精製CBD(アイソレート)の利用が主流となっています。大麻草本来の薬理効果は高いのに、精製されたCBDでは活性は弱くなってしまう、CBDはそんなジレンマを抱えています。また、CBD自体の効能には興味はあっても、大麻草由来原料への抵抗感があるのも事実です。

このような背景から、当社は日本の植物素材からCBD様作用の期待できるフィトカンナビノイドの探索を進めてきました。

* ふきの芽フィトカンナビノイドのCBD様作用に着目

■ふきの芽に含まれるフィトカンナビノイド

春一番に雪の中から顔出すふきの芽(フキノトウ)は外敵から身を守るために苦み成分を蓄えています。「春の皿には苦みを盛れ」といわれるように、日本人は苦み成分の健康の秘訣を伝えてきました。その苦み成分がセスキテルペン類で、イソペタシン系やフキノリド系、フキノン系といったフキ特有のテルペン類が豊富に含まれています。ふきテルペンの主成分であるイソペタシンは、CBDと分子量がほぼ同じで、構造も類似しています(下図)。

このことから我々は、ふきテルペンがCBD様作用を発揮するフィトカンナビノイドの1種であると考え、本原料を「ふきの芽フィトカンナビノイド」と名付けて、とくに抗炎症作用に着目した研究を進めてきました。

* 外的刺激が肌の炎症を引き起こす

■肌は季節の変わり目で炎症を起こしやすい

季節の変わり目は肌荒れが起こりやすい状態となっており、注意が必要とされています。これは「ゆらぎ肌」ともいわれます。春や秋の寒暖差、冬から春にかけての空気の乾燥や花粉の飛散、春から夏にかけての紫外線の増加などの環境要因が、肌のバリア機能を低下させます。乾燥した肌内部では酸化ストレスが高まり、炎症性サイトカインが発現し、微弱な炎症が起こっています。これが外因性の肌荒れ・敏感肌などにつながります。

■炎症の刺激因子として花粉アレルゲンを選定

日本における外因性の皮膚炎としては、季節性の花粉が大きな発生原因の一つとなっています。日本人の花粉症罹患率は二人に一人といわれて社会問題の一つとなっていますが、花粉による皮膚炎は花粉症の症状がない人でも生じることが分かっています。日本では春のスギ花粉をはじめとして、夏のイネ科花粉、秋のブタクサ花粉と1年中何らかの花粉が飛散しており、ほぼ1年中肌は花粉の影響を受けているといえます。そこで今回、肌の炎症因子としてスギ花粉アレルゲンを選定し、表皮細胞におけるふきの芽フィトカンナビノイドの抗炎症効果を評価しました。

* ふきの芽フィトカンナビノイドは炎症抑制に発揮

スギ花粉アレルゲンCryj1を培養ケラチノサイトに添加したところ、細胞内の活性酸素種(ROS)産生が有意に促進されました(結果1.)。外的刺激に対して細胞が特異的にROS産生を活性化させることで、生体内で炎症が引き起こされることが分かっています。

このCryj1刺激条件下において、ふきの芽フィトカンナビノイドは炎症を有意に抑制することが分かりました(結果2.)。一方、精製CBD(純度99%)には炎症抑制効果は見られませんでした(結果3.)。しかし精製CBDとふきの芽フィトカンナビノイドを一緒に添加したところ、驚くべきことに、ふきの芽フィトカンナビノイド単体よりも有意に高い炎症抑制効果を発揮することが明らかとなりました(結果4.)。

* ふきの芽フィトカンナビノイドのCBDアントラージュ効果

「アントラージュ」とはフランス語で「側近」の意味です。CBD単体を摂取するよりも、他のフィトカンナビノイドやテルペン類を同時に摂取した方がより高い効果が発現する「相乗効果」を意味します。今回、精製CBD単体では効果のなかった炎症抑制効果において、ふきの芽フィトカンナビノイドが加わることで、大幅に活性を高めることに成功しました。これはまさにアントラージュ効果であり、ふきの芽フィトカンナビノイドを、CBD様作用をもつ植物原料として単体で使用することも、CBDと組み合わせて互いの効果を高めることも可能です。

* 今後の展望

今回評価した表皮細胞内のROS産生は様々な外因性肌老化の起点となるため、これを抑える力を持つふきの芽フィトカンナビノイドは、花粉のみならず紫外線などの様々な外的刺激によって引き起こされる肌荒れ、敏感肌、乾燥、しわ、シミといった肌老化において幅広い効果が期待されます。当社では、OEM製造を通じて多くの化粧品へ「ふきの芽フィトカンナビノイド」を配合し、外的刺激を受けやすい季節の変わり目の肌トラブルを改善します。また、今後法改正に伴いさらに期待の高まるCBDと組み合わせることで、化粧品の効果をより高めた製品作りも検討していきます。

今後も、日本の植物を独自に活用し、有効性の高い化粧品原料の開発を進めてまいります。

■化粧品ブランド開発に関するご相談・お問い合わせはこちら

https://www.saticine-md.co.jp/form

* サティス製薬とは

天然由来成分を中心とした高性能スキンケア化粧品の開発・OEM製造によって、ユーザー1人ひとりが持つ肌悩みを解消し、理想の肌状態へと導くモノづくりを行っています。D2Cブランドのスタートアップ支援を得意とし、ブランド立ち上げから運営の支援までトータルサポート。独自原料の開発や、製品の有効性・安全性評価試験、物流サービス、販売サイトなど、一気通貫でブランドの事業支援を行っています。