越前漆器のメーカー 漆琳堂が木製品の素地から製造を行う木地場を新設 / 産地課題の解決へ

産地課題の解決へ

新たに木地ろくろの整備と木地師を雇用し、伝統的な漆器製造を継承しつつ、木素地をベースとした小ロットのオーダーメイドやOEM製品の受け入れ体制を整えました。

株式会社漆琳堂(本社:福井県鯖江市、代表取締役:内田徹、以下、漆琳堂)は越前漆器産地の課題に向き合い、これまでの漆塗り専業から社内生産体制へシフト。2024年春より、伝統的な漆器製造に利用する木地ろくろの導入と木地場を整備し、新たに木地職人(以下、木地師)1人を雇用いたしました。伝統的な漆器の製造技術を継承しつつ、小ロットからの漆器のオーダーメイド・OEM製品の製造の依頼をお受けいたします。

椀木地製造を行う木地場を会社ビル内に整備。

新体制により可能になったこと

木地ろくろとは、木塊より回転体を削り出す機械です。材料となるの荒挽き木地を回転させ、職人がろくろ用のカンナの刃先を当てることで形状を削り出します。お椀型や小物雑貨などを作るのに適した技術。長物や微細な形状の製造には向きませんが、細かなオーダーへの調整や少数からの受け入れが可能です。

・お椀や円柱など回転体形状の製造・1個単位でのサンプル製造・既存の椀木地にはないデザイン、椀木地の厚さなど細かな調整

・木地製造から漆塗りまで一貫生産ができるので製品開発のコスト削減、柔軟な対応・製品開発における弊社木地師、デザイナーへの相談・製品の修理に関する相談

(製品の損傷・破損の状態により修理をお受けできかねる場合もございます)

「100年先も漆を塗り続ける」塗師屋 漆琳堂漆琳堂は寛政5年(1793年)創業。大本山

永平寺御用達の塗師屋(漆の塗りを行う工房)として漆塗りの技術を8代に渡って積み重ねてきました。漆器の産地、福井県鯖江市河和田にて、1500年の歴史を持つ越前漆器の製造技術を継承。お椀をはじめとする丸物製品をメインに製造しています。

漆琳堂 代表取締役である漆琳堂8代目当主 内田 徹は産地最年少の伝統工芸士です。

職人の従業員5名は20代~30代。ほとんどが県外出身の移住者です。

福井県・福井大学とともに開発した食器洗い機に利用できる漆器のブランド「RIN&CO.」

漆器製造以外にも什器や建材の大きいサイズのものへの漆塗りも受けています。

越前漆器の産地の抱える課題

漆琳堂が位置する福井県鯖江市河和田地区は日本有数の漆器の産地であり、業務用漆器の出荷総額日本一を誇ります。地域内では分業体制を確立しており、木地製造から下地、塗り、加飾まで各工程を各職人が高度に専門化することで美しく堅牢な漆器を生産してきました。

しかし、現在は職人の高齢化や、後継者不足が深刻化。漆器需要の低下も合わさり、産地の出荷額・職人数ともに1980年代の約3分の1にまで減少しています。従来通りの分業体制を維持することが難しくなり、「10年後まで続けていられるか不安」そんな声も聞こえる様になってしまいました。

人口4000人と小規模ながら200軒近い漆器の工房を抱える鯖江市河和田。曇天が多く湿潤な気候は、漆を硬化させるのに適しており漆器づくりが地場産業として根付いてきました。

解決策としての垂直統合:木地場の整備へ漆琳堂は、現在の産地の課題解決に求められているのは、産地技術の垂直統合だと考えています。

社内で漆塗り製品の一貫生産できる体制を整え、外的要因に影響されない安定した生産ラインを確保すること。分業化することはロットが必要であったり、柔軟な調整がしづらいというデメリットもありました。これからの時代は、伝統に縛られず、日々更新されていくデザインやアウトプットに対応していくことが、必要ではないでしょうか。

これらの産地課題に向き合い、今回の木地場の整備に踏み切りました。形が作れなければ、漆器づくりはそもそも始まりません。

反対に形を作れるというのは、今まで向き合ってきた飲食店・旅館などのお客様に向けた量産漆器製造を強化しながら、柔軟なアイデアを実現することにつながります。

「まずは、木地から」これは共通の想いでした。

2024年春より雇用した木地師 近藤 蒔は重要無形文化財 「木工芸」保持者 川北良造氏を師として仰ぎ、経験を積んできました。

今までにない技術を育てていくこと。初めてのことばかりですが、探り探り挑戦していきます。

永くこの先も、漆を塗る文化が続いていくように、メーカーとして何ができるのか。私たちと作ってみたいものがございましたら、ぜひお声がけください。

一緒に挑戦していきましょう。

【株式会社 漆琳堂 代表 内田徹より】

越前漆器はひとつのお椀をつくるのに様々な職人の技が掛け合わさってできています。また日本トップクラスの技術を持つ職人がここ河和田で今も活躍しています。様々な課題を受けて、私たち漆琳堂は垂直統合を進め、この産地の財産である文化や技術をひとつでも多く受け継ぎ、商品を通じて発信していきます。木地場の新設はその第一歩です。漆塗りは本来、自由であるはずです。漆はこうあるべきという概念を定めず、挑戦を続けていきます。

【株式会社漆琳堂について】

創業1793年(寛政5年)。福井県鯖江市で代々漆業に携わる。

自社ブランド「aisomo cosomo」や「お椀や うちだ」を発表し、2020年には長年受け継がれてきた漆塗りの技術を基に「RIN&CO.」を発表。

2016年本社工房の地に新しく直営店をオープン。直営店では、自社ブランドの他、1000種以上にも及ぶ業務用のお椀など、江戸時代から8代続く漆琳堂の仕事の数々を手にとってみることができる。受け継がれてきた漆のモノづくりと、先人より引き継いできたものを次の世代へと引き継ぎながら、漆とお椀の文化を発信している。

・代表取締役社長:内田 徹・所在地〒916-1221 福井県鯖江市西袋町701・従業員:14名・営業時間:9:00-18:00・オフィシャルサイト:

https://shitsurindo.com/・オンラインストア:

https://shitsurindo-onlinestore.com/

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