「かつて荒廃していた足尾の山々、今ではニセアカシアの蜂蜜が特産品に」 地方の国民宿舎が仕掛ける地域の歴史と自然を活かしたSDGsの取り組みの一例をご紹介
かじか荘の蜂蜜に隠された明治期からの山林復旧の歴史的ストーリー あの足尾の山で「ニセアカシアから採れた蜂蜜」、 「ハチミツ入りソフトクリーム」、
「ハチミツ入りフェイシャルマスク」が商品化され地域の特産品として成長を遂げている!!
そこには現代の治山治水とつながる歴史的ストーリーが。 。 。
環境保護も。 働きがいも。 経済成長も。
SDGsも意識しながらの地方の一旅館の取り組みをご紹介します。 かつて、 荒廃を極めた足尾の山々。
今ではニセアカシアの蜂蜜が採れます!皆様はその理由をご存じでしょうか。 そこにはあまり知られていない山林復旧の歴史がございます。
その山林復旧の歴史とかじか荘が手掛けるニセアカシアの蜂蜜との関係と皆様に召し上がって頂きたいハチミツの商品をご紹介いたします!足尾の山での蜂蜜採取風景 []
足尾の山での蜂蜜採取風景
■■■山林復旧の歴史とニセアカシア■■■
◆足尾銅山の躍進と木材との関係
皆様はかつて足尾の山林が荒廃していたのをご存じでしょうか。 江戸時代から続く足尾銅山は、 明治時代を迎えると大きな転機を迎えました。
日本政府が整備した新たな法律のもと、 西洋の鉱山開発方法や技術が導入され始めると、 全国各地の鉱山ではそれらの開発方法や技術の積極的な導入が促されました。
開発を進める中で大きな鉱床を見つけつけることができた各地の鉱山は、 続いて西洋式の機械や炉も導入して生産量を飛躍的に伸ばしていきました。
足尾銅山はその中でも躍進が目覚ましく、 後に大銅山として名を轟かせることになります。 大銅山になればなるほど多くの燃料を消費し、
インフラ整備に必要な資材も必要となるため、 多くの木材を必要としました。
◆山林の制度も変わり伐採による荒廃も始まった
江戸時代の山林の制度下では幕府や藩で所有し、 その下の村々が管理を担っておりましたが、
明治時代に入ると山林の所有や管理の仕方も江戸時代の時とは異なったものとなりました。 所有は大きく分けると「官有林」と「民有林」になりました。
つまり現代でいう所の国の所有する「国有林(官有林)」と国以外が所有する「私有林(民有林等)」に分けられ、
その山々で茂っていた木々も各地の開発を促す資源として伐採しやすくなったのです。 こうして明治期に入りたての頃、
全国の山々は伐採により荒廃が目立つようになりました。
◆明治30年から積極的な山林保護と復旧事業が始まる
山林を保護するための法律である森林法が明治30年になってようやく登場し、 全国の荒廃した山林を保護し復旧させていく取り組みが始まりました。
足尾の山林もその対象の一つでございました。 足尾銅山の開発はそれよりも10年以上も早く、 周辺山々での伐採が進められており、 立木が大変減少しておりました。
◆山林復旧を阻んだ煙
鉱石を炉に入れて溶かし出す際に炉から煙が出ます。 鉱石には銅のほかに硫黄やその他の重金属も含まれているため、
鉱石を燃やすことで排出される煙(鉱煙と呼ばれる煙)の中には、 硫黄の成分や重金属が混じります。
この煙の中の硫黄の成分(亜硫酸ガスと呼ばれるもの)が特に植物に有害で、 このガスが植物を枯死に至らしめました。
◆山林復旧のはじまりと試行錯誤
明治30年から始まった山林復旧ですが、 有害なガスのために植え続けてきた木々も枯れ果てました。 木々のない山々に雨や風が当たることで、
岩肌に残っていた土もやがて洗い流され、 山肌があらわになっていきました。 まずは植樹を成功させて山々に土を留めることが求められるようになり、
このガスに強いといわれる植物(樹木や草)を探してきては植えてみるという試行錯誤が繰り返されていきました。 土が山にとどまらない。 そして鉱煙で枯れる。
この二つの問題が復旧への大きな壁として立ちはだかりました。
◆鉱煙の問題に光、 そして仕切り直しての復旧事業
長年にわたり山林の復旧の壁となっていた鉱煙の問題。 植樹をしても植えたものが枯死するので、 その効果が望めず、
昭和30年ごろに至るまでは土を山に留める作業が中心に行われておりました。 ところが、 昭和31年になると新たな技術の導入によって鉱煙の回収技術も上がり、
その悪影響も激減するであろう見通しが出来てきました。 これまでの試行錯誤の失敗により停滞していた復旧事業でしたが、
これを機に仕切り直しで再び事業が行われ始めました。 再び鉱煙に強いといわれる植物(樹木や草)を探してきては植えてみるという試行錯誤が始まりました。
◆ニセアカシア
再び始まった山林復旧の試行錯誤ですが、 この過程で鉱煙に強いとされたニセアカシアやリョウブなどの苗木が植えられ、 イタドリ、 カヤ、
ヨモギなどの草の種も蒔かれ始めた。 現在ではこれらの草木が足尾の山々に繁茂しており、 岩がむき出しとなっていた山肌を覆い、
今後の山林復旧事業のための土台の役割を果たしています。
大雑把な解説でございましたが、 以上のような歴史的な流れを背景として現代のニセアカシアが蜂蜜が採れるほどにまで繁茂しております。
足尾の山でニセアカシアから蜂蜜を採って味わう。 それは足尾の山林復旧における試行錯誤の歴史の一つを知ることでもあります。
■■■かじか荘が手掛ける蜂蜜と商品■■■
かじか荘ではこの歴史あるニセアカシアの蜂蜜を販売しております。足尾の山で咲き誇るニセアカシア []
足尾の山で咲き誇るニセアカシア
ニセアカシアの蜂蜜 []
ニセアカシアの蜂蜜
◆ハチミツの採取は養蜂のプロハチミツの採取は太田養蜂所 代表 太田 榮 氏にして頂いております []
ハチミツの採取は太田養蜂所 代表 太田 榮 氏にして頂いております
ミツバチの一匹一匹が大切な働き手です。
くん煙で優しく扱います []
ミツバチの一匹一匹が大切な働き手です。 くん煙で優しく扱います
◆他の種類の蜂蜜の他、 関連商品を扱っておりますのでご覧ください。ハチミツセット []
ハチミツセット
ハチミツソフト []
ハチミツソフト
ハチミツ入りフェイシャルマスク []
ハチミツ入りフェイシャルマスク
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電話:0288-93-3420(国民宿舎かじか荘内)
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