眼周りを温めると入眠が促進され、深い睡眠に!
~手足からの放熱促進が睡眠に影響~ 人は、 起きている間は体の内部の温度を高く保ち、 眠っている間は体温を下げて体と脳を休息させており、
体の内部の温度が下がると、 自然な眠りにつくことができます。 体の内部の温度を下げるには、 手足からの「放熱」(体の熱が外に逃げること)が重要です。
体温に着目したこれまでの花王の睡眠研究では、 眼の周りを温めると手足の放熱を活発化させることがわかっています※1。
そしてこのたび、 眼の周りを温めて手足の放熱を活発化させることが、 入眠を促進し、 さらには深い睡眠に導くことも明らかにしました※2。 眠りにつく時間が短縮し、
睡眠が深くなる
眼の周りを温めた後(約40℃、 20分間)、 眠りにつくまでの時間と睡眠の深さを脳波計によって評価しました。 その結果、 眼を温めると、
眠りにつくまでの時間が12.9分から6.8分と約2分の1に短縮されました。 また、 睡眠初期のデルタパワー(睡眠の深さを示す)が増加していることから、
早く深い睡眠に入ることもわかりました。
お客さまの快適な睡眠を目指して
眼の周りを温めるような安全で簡便な方法は、 新しい睡眠改善のアプローチとして今後期待できます。 こうした研究成果をもとに、 お客さまの生活に寄り添った、
睡眠の悩みを解決に導く習慣を提案していきたいと考えています。
内山真先生※3のコメント
花王と日本大学の研究チームは、 フィールド研究で、 夜眠る前に眼の周りを温めるとリラックス効果があり、
睡眠が不安定な人では自覚的な寝つきや睡眠の安定が得られることを発見し、 すでに報告しています。 このメカニズムを確かめるために、
健康な若者を対象に実験的研究を行なったところ、 眼の周りを温めると手足が温かくなりそこからの放熱が活発化されることがわかりました※1。 さらに今回は、
眼の周りを温めることで、 放熱が活発になることと同時に、 脳波を測ることで、 客観的に睡眠が促進され、 深くなることを確かめました。 こうした変化は、
自然な環境で快適に眠る際、 私たちの体に起こる変化によく似たものです。 これは、
眼の周りを温めることで私たちの持つ眠りを起こす機能が活性化されることを確かめたものとして生理学的に非常に重要な発見と思います。
※1 2019年8月22日 花王ニュースリリース
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2019/20190822-001/
眼の周りを温めることによる入眠への影響~体温の放熱促進を確認~
Ichiba, T., Suzuki, M., Aritake, S., Uchiyama, M. Periocular skin warming
elevates the distal skin temperature without affecting the proximal or core body
temperature. Sci Rep. 9, 5743 (2019).
https://doi.org/10.1038/s41598-019-42116-x
※2 Ichiba, T., Suzuki, M., Aritake, S., Uchiyama, M. Periocular skin warming
promotes body heat loss and sleep onset: a randomized placebo-controlled study.
Sci Rep.10, 20325 (2020).
https://doi.org/10.1038/s41598-020-77192-x
※3 厚生労働省「睡眠指針2014」検討委員会座長を務めるなど、 睡眠研究の第一人者。 現在は日本睡眠学会理事長、 日本大学医学部精神医学系客員教授、
東京足立病院院長。
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