特集  一強

株式会社朝日新聞社(代表取締役社長:渡辺雅隆)は12月10日、 「月刊Journalism」の12月号を発行しました。

安倍前首相の突然の退陣に伴って誕生した菅政権。 政権の「顔」は代わったものの、 「一強」の政治状況は続いています。

「決められない政治」からは脱却したのかもしれませんが、 強引な政権運営が目立ち、 スキャンダルも相次ぎました。 安倍政権の功罪を検証するとともに、

菅政権の今後を展望し、 あわせて「一強」がもたらすものを考えてみました。

菅政権が継承を明言したアベノミクスの検証もメディアの重要な役割です。 帝京大の軽部謙介教授は、 「肥大化した日本銀行」の政策に対して、 独立性を尊重し、

権力抑制的な監視が必要と強調。 明治大の田中秀明教授は、 「官邸官僚」の職分を超えた関与によって劣化した政策形成過程の見直しを新政権に求めています。

朝日新聞の原真人編集委員は、 安倍政権下で財政と金融政策はすっかり規律を失ったとし、 国民に警鐘を鳴らすことこそ経済ジャーナリズムの使命だと説きます。

安倍政権では公文書を巡る不祥事が相次ぎました。 毎日新聞の大場弘行記者は、 菅政権になって隠蔽体質がひどくなると懸念する一方、

負の連鎖を断ち切るのも首相次第だと訴えます。 東工大の西田亮介准教授は、

ネット・SNS時代の情報発信と編集の主導権がメディアから政治に移ろうとしていると指摘した上で、 報道機関による権力監視に期待を寄せます。

ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」が話題になった大島新監督は、 勝ち馬に乗りたい政治家や国民が一強を生み、

テレビメディアが加担したと批判しています。

「月刊Journalism」は2008年10月創刊。 「実名と被害者報道」(20年7月号)、 「8月ジャーナリズム」(8月号)、 「コロナの陰で」(9月号)、

「コロナの秋に読む」(10月号)、 「メディアと信頼」(11月号)など、 さまざまな社会問題にジャーナリズムの視点から切り込んでいます。

定価は本体741円+税。 年間購読料は8965円(税・送料込み)。 全国の書店、 ネット書店、 ASA(朝日新聞販売所)で注文によってお求めいただけます。

【朝日新聞社ジャーナリスト学校】

2006年に発足。 入社1、 2、 3年目の若手記者向けの研修を中心に、 中堅やベテランの記者にも「学ぶ場」を提供しています。 自治体財政、

医療といったテーマ別研修も開き、 他のメディアにも参加を呼びかけています。

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