~「肌の光学解析×メイクアップ」でシミ・クマを自然にカバー~ 素肌の発色構造を模したパール剤を新開発
素肌の発色構造を模したパール剤を新開発 株式会社コーセー(本社:東京都中央区、 代表取締役社長:小林 一俊)は、 素肌と類似した発色構造を持ち、
シミ・クマなどの色調トラブルを自然にカバーできる新たなパール剤(※1)を、 トピー工業株式会社(本社:東京都品川区、 代表取締役社長:高松
信彦)と共同開発しました。 この研究成果は今後、 コンシーラーなどの新商品に応用し、 これまでにない、
自然な仕上がりとカバー力が両立したメイクアップ製品の開発に繋げていきます。
(※1) パール剤 : 真珠のように、 角度によって色味が変わる光沢感(パール感)を表現できる素材で、 主にメイクアップ化粧品の質感演出に使用されます。
図1 シミモデルを用いたカバー効果の比較検証
図1 シミモデルを用いたカバー効果の比較検証
※カバー粉体 : 主にメイクアップ化粧品において、 しみや色むらを隠す(カバーする)ために配合される白色粉体。 カバー力が高い反面、
白く浮いたり、 ツヤ感がなくなったりすることで不自然さが生じるため、 パール剤や顔料と併用されることが多い。 * 研究の背景・概要~“KOSÉ オリジナルコンシーリング理論”による「不自然さ」の解消~
近年、 自然な仕上がりを演出しながらもカバー力のあるメイクアップの需要は高く、 ファンデーションは素肌の全体的なトーンアップ程度の塗布にとどめ、
特に気になる肌悩みを部分的にコンシーラー等でカバーするメイク手法も広がっています。 コンシーラーは、 クマやシミなど、
お客さまの肌悩みに合わせた効果的な商品提案が求められており、 最近では、 マスク着用時の時短メイクのシーンや、
昨今急速に市場が拡大しているメンズメイクで手軽に取り入れやすいアイテムとして活用されるなど、 幅広い需要が見込まれます。
一方、 コンシーラーにはカバー力が強い反面、 「仕上がりの不自然さ」という課題がありました。 そこで当社は、 この「不自然さ」を解消するために、
独自の「肌の光学解析×メイクアップ」を組み合わせた“KOSÉオリジナルコンシーリング理論”を構築、 素肌と類似した発色構造を持つことにより、
シミやクマなどの肌悩みを自然にカバーできるパール剤を新たに開発しました。 * 素肌を模した新しいパール剤の開発
図2 肌の見え方と新開発パール剤の構造イメージ
図2 肌の見え方と新開発パール剤の構造イメージ
自然なカバー効果が発揮できるよう、 皮膚の発色構造に着目しました。 人の肌は、 内部のヘモグロビンやメラニンの色が半透明の角層を通して見えています(図2上)。
従来の着色パール剤は白い粉体の表面に色を付けている、 肌とは逆の発色構造であり、 色が濃く不自然な仕上がりとなることが課題でした(図2左下)。
今回の新開発パール剤は、 肌色の粉体の周りにツヤを与える層をまとわせた構造にすることで、 肌の発色構造そのものを模しており、
より自然な肌色でカバーすることが可能となりました(図2右下)。 実際にシミモデルを用いて、 従来のカバー粉体やパール剤と比較したところ、
今回の新開発パール剤は極めて自然にシミをカバーすることができました(図1)。
* 新開発パール剤の光学特性
図3 素肌と各種パール剤の光学反射特性
図3 素肌と各種パール剤の光学反射特性
新開発パール剤と、 カバー粉体や従来のパール剤の光学特性を比較解析したところ、 新開発パール剤は、 素肌に発色構造が類似しているだけでなく、
光学特性においても、 素肌に最も近い反射特性を有していることが判りました(図3)。 この特徴的な光学特性により、
素肌の色味に馴染む自然なカバー効果を付与できていることが裏付けられました。
* 今後の展望
本研究は今後、 コンシーラーやファンデーションなどの肌色補正効果のある製剤への応用を行い、 より自然でカバー力のある、
お客さまのニーズに寄り添った製品開発に繋げていきます。 また今後も、 今回の「肌の光学解析×メイクアップ」のような当社独自の理論を発展させ、
科学と感性を融合した、 新しい美容価値提案を目指します。
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