新型コロナウイルスとセットになって人々を混乱させる根拠なきフェイクニュース。『とくダネ!』(フジテレビ)コメンテーターが、未知の脅威と共存する時代に必須の情報サバイバル術を伝えます!
この冬、 感染者数、 死者数が連日、 記録的に高い数が更新されています。
新型コロナウイルス関連のテレビや新聞のニュースや、 SNS上の情報は、 毎日、 洪水のようにあなたのもとに押し寄せているかと思います。 しかし、
覚えていますか?
「トイレットペーパーの原料は中国産が大半だから、 輸入が途絶えて日本に流通しなくなる」という噂を信じた人々がドラッグストアに詰めかけた様子を……。
「お湯を飲めば、 高温に弱いコロナウイルスを退治できる」という珍説を信じて実行した人たちがいたことを……。
そんな「噂」レベルだけではありません。
政府の中枢にいる政治家が、 「日本は民度が高いからコロナの死者数が少ない」と発言しましたし、 感染症が専門という学者は、
「新型コロナウイルスは高温と多湿に弱いから、 夏は感染の拡大がおさまる」とテレビのワイドショーで言いました。
これらは、 はたして本当のことだったのでしょうか?
ウイルスと等しく、 いえ、 時にそれ以上に恐ろしいのは、 根拠なき情報であり、 それに攪乱されてしまうことです。 そこで、 元NHK記者で、
情報番組『とくダネ!』(フジテレビ)や『ちちんぷいぷい』(毎日放送)のコメンテーターでもある立岩陽一郎氏が、
コロナと共に生きていかなければならない社会で身につけるべき「情報サバイバル術」を一冊の本にまとめました。 それが、
『コロナの時代を生きるためのファクトチェック』です。 立岩氏は、
仲間と協力して日本で最初のファクトチェックを目的とした団体「ファクトチェック・イニシアティブ・ジャパン」を立ち上げた人物でもあります。
「ファクトチェックのテクニックを若い世代にこそ伝えたい」と立岩氏は力説する。
「ファクトチェックのテクニックを若い世代にこそ伝えたい」と立岩氏は力説する。
この本でお伝えするのは、 ニュースや新聞、 あるいはネットから流れてきた情報が、 はたして正しいのか、
間違っているのかを見極める「ファクトチェック」という技術です。 この技術を知らない、 この訓練ができていないがゆえに、 人々は、
自ら判断することなくニュースや噂話に振り回されてしまうのです。
かといって、 特殊な情報源や政府の高官にアクセスする必要はありません。 インターネットを介して手に入れられる情報や、
公的機関に電話やメール等できちんと確認することで、 立岩氏はコロナにまつわる情報の真偽を、 解析していきます。
【目次】
・はじめに
・第1章 新型コロナ上陸後、 最初の混乱
中国・武漢の研究所は「発生源」だったのか?/感染が拡大し始めたころの混乱
・第2章 PCR検査をめぐる「嘘」と「ホント」
混乱を拡大させた「PCR検査の数が増えない理由」/「東京オリ・パラのためにPCR検査をしなかった」説を追う/ 医療従事者への差別を生む悪質ツイートの発信源
・第3章 権力者たちは「科学的な根拠」をもって発言したのか
総理大臣の発言をファクトチェック/日本の「民度」は高いのか?
・第4章 それは研究結果ですか? あなたの意見ですか? ~識者とメディアの問題~
PCR検査を否定する顔の売れた教授/「コロナウイルスは高温多湿に弱い」と言ったのは?/ 朝日新聞の記事に見る「資料引用」の作法
・第5章 海外で誤解され続けるニッポンのコロナ事情
海外で情報拡散される日本の著名人たち/海外発 日本にまつわるトンデモニュース
・ファクトチェックとは何か
・おわりに
【著者プロフィール】
1967年、 神奈川県生まれ。 1991年、 NHK入局。 テヘラン特派員、 社会部記者、 国際放送局デスクを務め、
各国の首脳や富裕層らによる税金逃れを記録した機密文書「パナマ文書」の取材に中心的に関わった後に退職。
在職中に留学した米ワシントンDCのアメリカン大学での客員研究員を経て、 調査報道とファクトチェックを専門とする「インファクト」を設立して編集長に就任。
著書に『トランプ王国の素顔』『ファクトチェック最前線』(ともに、 あけび書房)、 『NPOメディアが切り開くジャーナリズム
「パナマ文書」報道の真相』(新聞通信調査会)、 『トランプ報道のフェイクとファクト』(かもがわ出版)。 共著に『ファクトチェックとは何か』(岩波ブックレット)、
『フェイクと憎悪』(大月書店)がある。
書名:コロナの時代を生きるためのファクトチェック
著者:立岩陽一郎
2020年12月10日発売
定価:本体1300円(税別)
講談社
ISBN978-4-06-521808-2
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