日本初、脊髄損傷の患者様に体外式横隔膜ペースメーカー植込み成功

脊髄損傷の患者様に対して国内初となる横隔膜ペーシング植込み手術が成功したことをご報告いたします。 植込み手術後には、 人工呼吸器からの一時的な離脱を目標として、

横隔膜ペーシングによる呼吸のトレーニングが開始され、 順調に進んでおります。

2021年3月、 国内初となる脊髄損傷の患者様へのNeuRx植込み手術が、 飯塚病院 古賀 聡 医師が中心となって実施されました。 今回の手術では、

現在国内で唯一の本品植込み術指導医である湘南藤沢徳洲会病院 高力 俊策 医師による手術指導、

そして新型コロナウィルスの影響で渡航が制限される状況下において米国オハイオ州University Hospitals Cleveland Medical

Center レイモンド オンダース 医師や本品製造元Synapse Biomedical社(米国)からもオンラインでサポートを受けながら、

安全に手術を実施することができました。 術後の呼吸管理は総合せき損センター 整形外科 益田 宗彰 医師により実施されております。

横隔膜ペーシング治療は、 人工呼吸器に依存される患者様の横隔膜を電気によって刺激を行い、 呼吸補助を行う新しい治療です。 横隔膜ペーシングを使用している間、

患者様は人工呼吸器を使用しなくても呼吸が補助されるようになるため、 生活の質(QOL)の向上が見込まれます。 また、 介護者様の負担軽減も期待されます。

今後、 本邦でのさらなる導入にあたり、 様々な医療機関様と連携し、 人工呼吸器に依存して生活されている多くの患者様、

そして介護者様への貢献となるよう横隔膜ペーシング治療の安全な普及を進めて参ります。

現在は日本脊髄障害医学会によって策定された適正使用指針に則り進められております。

横隔膜ペーシングシステム「NeuRx」

現在国内で横隔膜ペーシング治療への使用において、 承認を受けている製品は唯一NeuRxのみとなっております。

本品は「横隔神経の電気刺激により横隔膜の収縮が可能な、 人工呼吸器に依存する1脊髄損傷、 2中枢性低換気症候群」の患者様が適用の対象となります。

横隔膜に植込まれた電極に電気刺激が送られて、 横隔膜が収縮することで呼吸補助を行います。 電極の植込み手術は、 腹腔鏡を用いて2時間程度の所要時間で、

比較的低侵襲に行う事が可能です。 電極は横隔膜に左右2本ずつ経皮的に植込まれ、 体外式のペースメーカーにより電気信号が送られます。

術後に横隔膜のリハビリトレーニングを実施して、 在宅での管理が可能となります。 本品を使用している間は、 人工呼吸器を一時的に離脱することが可能となり、

患者様のQOLが大幅に改善されることが期待されます。 体外式のペースメーカーは、 小型で携帯性に優れており (重さ:約250g、

サイズ:8cm×13.7cm×3.4cm)、 外出も容易となります。 駆動には市販の単2サイズのアルカリ乾電池やリチウム乾電池が用いられることから、

生命維持装置として課題の一つである災害時の電源確保といった点においても容易に対応が可能です。 NeuRxは、 モータ等の駆動が無いことから、

これまで人工呼吸器の音が気になっていたような場面でも周囲を気にすることなく使用することができます。 また、 介護者様にとっても吸引回数が減るなど、

人工呼吸器と比較してケアの負担軽減が期待される機器であります。

今回、 NeuRx は国内で初めて横隔膜ペーシング治療用の医療機器として薬事承認を取得し、 保険収載されたことで、

これまで人工呼吸器という手段に頼らざるを得なかった脊髄損傷や中枢性低換気症候群の患者様の呼吸管理において、 経済的負担も最小限に抑えながら、

新たな治療の選択肢を提供することが可能となりました。

【会社概要】

会社名 : USCIジャパン株式会社

所在地 : 〒151-0053 東京都渋谷区代々木3-28-6

設立 : 1999年4月

事業内容: 医療機器の輸入・製造・販売

URL :

http://www.usci.co.jp/

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