アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence(R))、4つの試験データによって、慢性リンパ性白血病の患者さんの心血管安全性プロファイルを評価

統合解析において、アカラブルチニブを投与した患者さんで心臓の有害事象のために治療を中止したのは1%未満

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年12月7日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、 みなさまのご参考に提供するものです。

本資料の正式言語は英語であり、 その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、 最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、

2020年12月7日に開催された第62回米国血液学会(ASH)年次総会および展示会において、

成人白血病において最も患者数が多い慢性リンパ性白血病(CLL)に対するCalquence(R)(以下、

アカラブルチニブ)単剤療法を受けた4つの臨床試験における762例の患者さんの心血管(CV)安全性データの統合解析において、

アカラブルチニブで投与中止に至る心臓の有害事象(AE)の発現率が1%未満であったと発表しました(1,2)。

この解析には、 第III相のELEVATE-TN試験およびASCEND試験、

ならびに第II相15-H-0016試験および第I/II相ACE-CL-001試験でアカラブルチニブ単剤療法を受けた未治療、

または再発/難治性CLLの患者さんが含まれました。 この解析では、 観察期間中央値25.9カ月時点で、

129例(17%)の患者さんで心血管系のAE(グレードを問わず)が認められ、 7例(0.9%)の患者さんが心臓のAEのために治療を中止しました(1)。

Dana-Farberがん研究所の血液悪性腫瘍部門CLLセンター所長であり、 治験責任医師であるJennifer Brown医学博士は次のように述べています。

「慢性リンパ性白血病患者さんのブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤による治療においては、 心血管系の合併症が治療中止の理由となることが多いため、

心臓の有害事象が考慮すべき重要事項となっています。 本試験で得られたデータから、 アカラブルチニブ投与に伴う心臓の有害事象のリスクは、

未治療の慢性リンパ性白血病患者さんの一般集団と同程度であったことが示唆されており、 医師にとってアカラブルチニブを処方するうえで重要なデータであると言えます」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。

「これら4つの臨床試験における結果を総合評価したことで、

アカラブルチニブの慢性リンパ性白血病の治療における心血管安全性プロファイルがより強固なものになりました。 我々は、

BTKに選択的に作用するアカラブルチニブによって、 優れた有効性を維持しながら安全性および長期アドヒアランスを改善することを目指しています」。

アカラブルチニブの投与期間中央値は24.9カ月でした。 患者さんの2%以上に発現した心臓事象には、 心房細動(4%)、 心房細動/粗動(5%)、 動悸(3%)、

頻脈(2%)などがありました。 なお、 心房細動の発現率は、 一般的な未治療のCLL患者さんの集団と同程度(6%)でした(1,3)。

グレード3以上の心臓のAEは、 アカラブルチニブ単剤療法を受けた患者さん37例(4%)で発現し、 そのうちの25%は治療の最初の6カ月間に報告されました。

グレード3以上の心臓のAEには、 心房細動(1.3%)、 完全房室(AV)ブロック(0.3%)、 急性冠症候群(0.1%)、 心房粗動(0.1%)、

第二度AVブロック(0.1%)、 心室細動(0.1%)などがありました。 患者さん2例においてはグレード5のAEが発現しました(1例はうっ血性心不全、

1例は心臓発作)(1)。

全体として、 心血管系のAEが認められた患者さんの91%、 心血管系のAEが認められなかった患者さんの79%が、

アカラブルチニブ投与前に1つ以上のCVリスク因子を有していました。 心血管系のAEが発現した患者さんの中で、

最も多く認められたCVリスク因子(患者さんの20%以上)は、 高血圧(67%)、 高脂血症(29%)および不整脈(22%)でした(1)。

アストラゼネカは、 前治療歴のある高リスクCLL患者さんを対象に、

アカラブルチニブとイブルチニブを比較評価する第III相ELEVATE-RR試験(ACE-CL-006)など、 CLLを対象とした追加試験を検討しています。

データは2021年に得られる見込みです。

※アカラブルチニブは、 本邦では未承認です。

以上

*****

慢性リンパ性白血病(CLL)について

CLLは成人白血病において欧米では最も患者数が多く、 2016年には世界で新たに105,000例が診断されており、

患者数は治療の発展に伴い増加するとみられています(2,4,5,6)。 CLLでは、 骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり、 これらの異常細胞は、

感染症に対する防御力が低いことが知られています。 異常細胞数が増えるに従い、 健全な白血球、 赤血球および血小板が減少するため、 貧血、

感染および出血を引き起こす可能性があります(4)。 BTKを介するB細胞受容体のシグナル伝達は、 CLLの基本的な増殖経路の一つです。

アカラブルチニブ(Calquence)について

アカラブルチニブは、 次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。

アカラブルチニブはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します(7,8)。 B細胞内においてBTKシグナル伝達は、 B細胞の増殖、 輸送、 走化、

および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています(7)。

アカラブルチニブは米国でCLLおよび小リンパ球性リンパ腫の治療薬として、 EUをはじめとする複数の国々でCLLの治療薬として承認 (

https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2019/2019120901.html

[]

)されています。 加えて、 米国をはじめとする複数の国々で、

少なくとも1回の前治療歴のあるマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんの治療薬として承認されています。

広範な臨床開発プログラムの一環として、 現在、 アストラゼネカとAcerta Pharmaでは、 アカラブルチニブについて、

20を超える臨床試験を実施しています。 アカラブルチニブは、 CLL、 MCL、 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、 WM、 濾胞性リンパ腫、

およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんの治療薬として開発中です。

アストラゼネカにおける血液がん領域について

がん領域における強みを活かし、 アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。

当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。

Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。

アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬および開発を進展させるため、 志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域

アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、 患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。

2014年から2020年までの期間に7つの新薬の販売を開始し、 低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、 肺がん、 卵巣がん、

乳がんおよび血液がんに焦点を当て、 成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、 がん免疫治療、 腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、 DNA損傷修復および抗体薬物複合体、

エピジェネティクスおよび細胞療法の6つの科学的基盤を強化し、 個別化併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、

将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、 サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、 主にオンコロジー、 循環器・腎・代謝疾患、

および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、 医療用医薬品の創薬、 開発、 製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。

英国ケンブリッジを本拠地として、 当社は100カ国以上で事業を展開しており、 その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。 詳細については

https://www.astrazeneca.com

[]

または、 ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References

1. Brown J, et al. Pooled Analysis of Cardiovascular Events From Clinical Trials

Evaluating Acalabrutinib Monotherapy in Patients with Chronic Lymphocytic

Leukemia (CLL). Abstract #3146 at the 62nd American Society of Hematology (ASH)

Annual Meeting and Exposition.

2. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia. Available at:

https://www.cancer.org/cancer/chronic-lymphocytic-leukemia/about/what-is-cll.html

[]

3. Shanafelt TD, et al. Atrial Fibrillation in Patients with Chronic Lymphocytic

Leukemia (CLL). Leuk Lymphoma. 2017;58(7):1630-1639.

4. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment

(PDQ(R))–Patient Version. Available at:

https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq

[]

5. Global Burden of Disease Cancer Collaboration. Global, Regional, and National

Cancer Incidence, Mortality, Years of Life Lost, Years Lived With Disability,

and Disability-Adjusted Life-Years for 29 Cancer Groups, 1990 to 2016. JAMA

Oncol. 2018;4(11):1553-1568.

6. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia

(CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.

7. CALQUENCE (acalabrutinib) [prescribing information]. Wilmington, DE;

AstraZeneca Pharmaceuticals LP; 2019.

8. Wu J, Zhang M & Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation

BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。

https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2020121710-3bd0fde2da80a0ba3c5bfadcb660ed43.pdf

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当リリースの詳細について

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