式会社HACARUS(ハカルス)と東京大学大学院薬学系研究科 アルツハイマー病やパーキンソン病の治療法開発を目指すAI創薬研究を開始
株式会社HACARUS(ハカルス)と東京大学大学院薬学系研究科は、 アルツハイマー病やパーキンソン病の治療法開発を目指す、 AI創薬の共同研究を開始いたします。
ハカルス×東京大学大学院薬学系研究科富田泰輔教授 共同研究に関して
東京大学大学院薬学系研究科機能病態学教室 富田泰輔教授は、 アルツハイマー病やパーキンソン病を始めとする神経変性疾患の病態生化学に関する研究を行っています。
これらの疾患の治療法開発は、 社会的にも急務となっています。
(アルツハイマー病・パーキンソン病に関して)
■病因
・アルツハイマー病:タンパク質「アミロイドβ」や「タウ」等の、 脳内での凝集。
・パーキンソン病 :タンパク質「αシヌクレイン」の、 脳内での凝集。
アルツハイマー病・パーキンソン病ともに、 脳内でのタンパク質凝集が病因となることがわかっています。
人間には、 もとよりタンパク質を分解する能力(オートファジー)が備わっていますが、 アルツハイマー病・パーキンソン病は、
この能力の機能不全であることも解明されてきています。
■研究課題
・アルツハイマー病:病因となるタンパク質の生産を抑制する阻害剤が幾つか見つかっているものの、 毒性の問題があり治療への活用に至っていない。
・パーキンソン病 :対症療法が「L-ドパ」という薬を使ったドパミン補充が中心。
アルツハイマー病・パーキンソン病ともに根本的な治療法が発見されておらず、 新たな予防・診断・治療法の開発が必要とされています。
今回の共同研究では、 これらの疾患の病因となるタンパク質の凝集・散開するメカニズムの解明をハカルスのAIを活用した画像解析技術を用いて試み、
治療法開発を目指します。
ハカルスのAI技術に関して
ハカルスは、 スパースモデリング技術をAIに応用したデジタルソリューションを提供。 少ないデータ量で高精度なAIを活用できることから産業分野だけでなく、
希少疾患への応用など医療分野でも数多くの課題解決に貢献してきました。
このハカルスならではの経験と技術力をもとに、 オペレーションの効率化・省人化を成功させ、 人の知見を継承・資産化し、
AI技術を通じた医療の未来への貢献に取り組んでいます。
【東京大学大学院薬学系研究科 富田泰輔教授コメント】
本プロジェクトに参画した背景と取り組み
様々な神経変性疾患において、 細胞内外の異常タンパク質の蓄積や細胞内輸送の異常などが発症プロセスに重要であることが明らかとなっており、 これらを定量的に解析し、
様々な薬剤の影響を見積もる必要が出てきています。 これまでそのような解析は細胞や組織を染色後、 得られた画像データの解析を人為的に行っていましたが、
ハカルス社と共同でそのプロセスを自動化し、 機械学習を用いてノンバイアスに解析する手法を開発することで詳細に解析できるのではないかと考えました。
【株式会社HACARUS 代表取締役CEO 藤原健真 コメント】
HACARUSはこれまで、 スパースモデリング技術を用いた画像診断およびR&Dプロセスの自動化に積極的に取り組んできました。 その二つの強みを掛け合わせて、
CNS(中枢神経系)分野において富田先生と共同研究に取り組めることを非常に喜ばしく思っております。 今後とも、 弊社のAI技術を用いてR&Dの効率化を支援し、
医療の発展に貢献できるよう邁進してまいります。
■教授プロフィール
・氏名:富田 泰輔(とみた たいすけ)
・経歴:
1997年7月 東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室 助手
2003年5月 東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室 講師
2004年4月-2005年8月 日本学術振興会海外特別研究員 ワシントン大学
セントルイス校(Washington University in St. Louis)医学部
2006年6月 東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室 助(准)教授
2014年4月 東京大学大学院薬学系研究科機能病態学教室 教授
2017年7月 東京大学大学院薬学系研究科脳神経疾患治療学社会連携講座 教授(兼任) 現在に至る
・研究分野:神経変性疾患の病態生化学
・受 賞 歴:
2010年 日本認知症学会 学会奨励賞(基礎研究部門)
2011年 ベルツ賞2等賞受賞(岩坪威教授との共同受賞)
2013年 日本認知症学会賞
2015年 長瀬研究振興賞
2018年 島津奨励賞
〈会社概要〉
株式会社HACARUS
本社: 京都府京都市中京区橋弁慶町227 第12長谷ビル5階A室
東京R&Dセンター:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ビジネスタワー15階
設立: 2014年1月14日
代表取締役:藤原 健真
資本金: 1億円(累計資金調達額:13億円)
URL:
東京大学大学院薬学系研究科
東京大学大学院薬学系研究科は、 「医薬品」という難度が高く、 かつ高い完成度が要求される「生命の物質科学」と、 国民生活に直結した「生命の社会科学」を探求し、
2つの科学の最終目標である「人間の健康」を最重要課題としていることが最大の特徴の部局です。
明治6年(1873年)に第一大学区医学校に製薬学科が開校したことを発端とし、 昭和33年(1958年)に東京大学薬学部として独立しました。 以来、
一貫して生命科学(ライフサイエンス)を対象としています。 そしてそれぞれの研究者が先端的な研究を行うと同時に、 創薬科学に新しい方法論を確立し、
また世界的な創薬競争の激化の渦中において、 これまでの学問の枠組みに囚われない新しい境界分野の研究領域を創成し、
新しい発見を速やかに創薬探索に応用していくことを目的とした最高水準の研究活動を行っています。 更にこれらの研究活動に裏付けられた教育活動により、
創薬科学および基礎生命科学の発展に寄与する研究者、 医療行政に貢献する人材、 高度医療を担う薬剤師の養成を行っています。
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