おうち時間増加とSDGsの高まりで「金継ぎ」の認知度50%超え!全国金継ぎ認知度調査2021の結果を大公開!
1年前にはほとんど知られていなかった金継ぎ。エコな伝統技術がコロナ禍に大ブームになり、若者にどれだけ広まったか、調査結果を公開します!
2019年10月に行った金継ぎ認知度調査を、 2021年5月に拡大実施しました。
調査結果を分析した結果、 コロナ流行によるおうち時間の増加やSDGsへの関心の高まりから、 日本国民の意識にどのような変化があったかが、 明らかになりました。
美しく修理された金継ぎ器たち
美しく修理された金継ぎ器たち
なぜ全国金継ぎ認知度調査2021を実施したか?
2020年からコロナ感染症が流行し、 日本国民のおうち時間が増加するとともに、 日本に古くからある伝統技法「金継ぎ(きんつぎ)」がメディアで多く取り上げられ、
大ブームとなりました。 金継ぎは、 壊れた器を美しく修復し大切なものを長く使っていけるため、 サステナブルで、 SDGsの観点からも注目されています。
2020年3月、 当社は金継ぎを専門としたサービスを提供する会社として設立しましたが、 設立当初、 金継ぎはあまり知られていませんでした。 しかし現在、
金継ぎに対するニーズが急速に高まっているのを感じており、 コロナ感染症が流行する前から現在にかけてどのくらい金継ぎが世間に浸透したかを数字で明らかにし、
その変化の要因や国民のニーズを分析するため、 調査しました。
調査対象条件
東京金継ぎ認知度調査2019(前回)
2019年10月3日、 東京在住の女性111人を対象に、 オンライン調査
回答者年齢分布:10代 1%、 20代 18%、 30代 38%、 40代 28%、 50代 12%、 60代 3%、 70代 1%
全国金継ぎ認知度調査2021(今回)
2021年5月26日、 日本全国の女性233人を対象に、 オンライン調査
回答者年齢分布:10代 1%、 20代 26%、 30代 38%、 40代 25%、 50代 10%、 60代以上 1%
前回と今回で調査対象条件・調査内容は全く同じではなく、 今回の調査ではより多くの対象者に新しい質問加えて、 拡大実施しました。
全国金継ぎ認知度調査2021 結果
Q1. あなたは、 割れたり、 欠けたり、 ヒビが入ったりしているけれど、 捨てられずにとってある、
思い入れのある器を持っていますか?(高額なものに限りません)
破損してしまったけれど思い入れがあって捨てられずにとってある器を持っている人の割合は予想以上に高く、 全体で約3人に1人(37.8%)もいることが分かりました。
また年齢が上がるほどその割合が高くなっており、 50代では半数以上の人が該当しました。
ただし、 20代でも4人に1人以上、 30代では3人に1人以上が該当し、 若い層でも愛着のある器をとっていることが分かりました。
大量生産・大量消費、 使い捨てが当たり前の世の中にありながら、 モノを大切にするSDGsの考え方が若年層にも浸透してきているのではないかと考えています。
Q2. 金継ぎ(きんつぎ)を知っていますか?
* 金継ぎを知っていて、 金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がある(1.7%)
* 金継ぎを知っているが、 金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がなく、 やってみたい(34.3%)
* 金継ぎを知っているが、 金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がなく、 やってみたいと思わない(20.2%)
* 金継ぎを知らない(43.8%)
前回2019年10月の調査では、 金継ぎを知っている人は41%、 知らない人は59%でした。
一方、 今回2021年5月の調査では、 金継ぎを知っている人は56%、 知らない人は44%で、 半数以上の女性が知っている結果となり、 割合がほぼ逆転しました。
金継ぎの認知度は、 日本人女性の間で約15%上昇したと言えるかと思います。
また年齢別にみると、 今回2021年5月の調査では20代で43%、 30代で56%、 40代で66%、 50代で65%と、
年齢が高くなるほど認知度が高くなる傾向があることがわかりました。
さらに前回と今回の調査結果を比べると、 20代など若い層での認知度の伸びが顕著となりました。
また金継ぎを知っている人の中ですでに金継ぎをしたことがある人はたったの2%でしたが、 金継ぎをやってみたいと答えた人は34%もいて、
まだまだ金継ぎにチャレンジしてみたい潜在ニーズがあることが分かりました。
Q3. 大切にしていたけれど破損してしまった器を、 自分で金継ぎして直せるとしたら、 どのような要素が魅力的に感じますか?
これまで自分で金継ぎをしたことがある人は、 やってみようと思った一番の理由にもっとも近いものを教えてください。
「自分で自分の大切な器を修復でき、 また使えるようになるため」と答えた人が最も多く(45%)、 次いで「ただ直すだけでなく、
破損した部分を歴史としてあえて生かして、 芸術的に美しくなるため」(28%)、 「金継ぎを通して、 日本の伝統文化に触れることができるため」(11%)、
「自分で金継ぎすることに魅力を感じない」(10%)、 「金継ぎ自体に魅力を感じない」(6%)という結果になりました。
Q1において、 壊れたけれど捨てられずに思い入れのある器を持っていると答えた人の中で、 金継ぎに魅力を感じている人は88%でしたが、
思い入れのある器を持っていないと答えた人の中でも、 金継ぎに魅力を感じている人は82%もいることが分かりました。
この結果から、 金継ぎをまだ知らない人も、 金継ぎの存在を知れば、 魅力を感じていただける可能性が高いのではと考えています。
Q4. 今までに金継ぎをしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がない理由にもっとも近いものを教えてください。
金継ぎしたこと(または金継ぎ修理依頼をしたこと)がない理由で最も多かったのは、
「金継ぎの修理依頼は、 何を基準にどの職人さんを選べばいいかわからないため」(23%)、 次いで「金継ぎに今まで魅力を感じていなかったため」(20%)、
「金継ぎのやり方を教えてくれる人がいないため」(18%)となりました。
他にも、 壊れた器にお金をかけたくないため(13%)、 手間と時間がかかるため(13%)、
自分で直せるか不安があるため(12%)が理由として挙げられていました。
現在、 金継ぎ教室に通ったり、 おうちで自分で金継ぎする人が増えていますが、 自分で金継ぎすることに一歩踏み出すのが難しい人には、
最初は修理依頼を気軽にできる環境をつくることで、 金継ぎをより身近に感じていただけるのかもしれません。
Q5 金継ぎには、 昔ながらの自然の材料のみで時間をかけて行う「本漆金継ぎ」と、 食品安全法の兼ね合いで、
食器には適さない材料や合成接着剤を用いて簡単に早く仕上げる「簡易金継ぎ」があります。 あなたはどちらを選びますか?理由とともに教えてください。
「本漆金継ぎ」を選んだ人が圧倒的に多く(79%)、 その理由として、 本漆金継ぎが食器に使えて安心・安全であることをあげている人が多い結果となりました。
他にも、 伝統技法・本格的な技法に魅力を感じていたり、 大切な器なので本漆で少しでも綺麗・丁寧に直したいという思いがあることがわかりました。
中には、 最初に簡易金継ぎをやってみた後で、 本漆金継ぎに挑戦したいという声もありました。
調査結果まとめ
日本女性における金継ぎの認知度は、 コロナ感染症流行前から現在の約1年半の間に約15%上昇し、 現在半数以上の方が金継ぎを知っていることが分かりました。
また20代でも43%が金継ぎを知っていて、 壊れたのに捨てられずにとってある思い入れのある器を持っている人は4人に1人以上もいることが分かり、
若年層にもモノを大切にする、 SDGsやエコな考え方が浸透している可能性が見出されました。
壊れた器を持っている人も持っていない人も、 その多くは自分の大切な器を修復してまた使えるようにしたいと思っていることが分かりましたが、
金継ぎに対する知識不足や不安、 さらには敷居の高さから、 まだチャレンジしていない人も多いことが示唆されました。
また現在金継ぎの中には、 手軽にできる「簡易金継ぎ」という選択肢もある中で、 食器への安全性の観点からも、
大切なものにはあえて手間暇のかかる「本漆金継ぎ」を選ぶ人が多いことも分かりました。
調査結果を受けた当社の取り組み
当調査から、 思い入れのある器を捨てずに持っている人が意外と多いことが分かりましたが、 壊れた器を修理して長く使い続けたいというニーズを満たす、
身近な解決方法がまだまだ世の中に浸透していないことも浮き彫りになりました。 私たちは金継ぎによって、
壊れたモノが新しいお気に入りとなって生涯使っていけることを、 より多くの人に広め、 その接点を作っていきたいと考えています。
当社(kNotPerfect株式会社)は設立当初から、 伝統的な本漆金継ぎを専門にサービスを展開し、 金継ぎの魅力を広めてきましたが、
今後もこの分野では世界一信頼できるブランドとして、 金継ぎファンの声にお応えしていきたいと思っています。
またこれまで当社は主に金継ぎを自分で体験できるサービス(金継ぎ教室や、 キット販売)を行ってきましたが、 世間のSDGsへの関心の高まりや、
当調査結果を踏まえ、 壊れた器のリサイクル(金継ぎアップサイクルプロジェクト)や、
金継ぎ修理をより低価格で依頼できるサービスにも注力していきたいと考えています。
この金継ぎアップサイクルプロジェクトは2021年4月に開始しましたが、 最初は月に数個しか壊れた器が集まりませんでした。 しかし私たちの根気強い啓蒙活動により、
現在約10倍以上の器のドネーションをいただくまでになり、 これを金継ぎ教室で生徒さんによる金継ぎの練習に使用したり、 美しく金継ぎして海外に向けて販売したり、
壊れた器の新しい活用方法を見出しています。
これからも、 この素晴らしい日本の伝統文化である金継ぎを広め、 器を修理することの敷居を下げてもっと身近に感じていただき、
持続可能な社会に貢献していきたいと考えております。
私たちの活動は、 会社ウェブサイトでもご覧いただけます。
kNotPerfect株式会社(東京金継ぎ教室 つぐつぐ)
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