骨粗鬆症の啓発、1年半後にも「効果あり」~ケアマネジャーによる要介護者・家族への治療の推奨率が増加~
―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第25回―
全国のケアマネジャー9.9万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(
https://www.caremanagement.jp/)、 全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(
https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、 健康寿命の延伸に向け、
様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、 代表取締役社長:別宮 圭一)は、
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(本社:東京都渋谷区、 代表取締役社長:橋本 光伸)と共同で、
ケアマネジャーと介護家族を対象に、 骨折に関するアンケートを実施しました。 ■調査概要
1.「ケアマネジメント・オンライン」会員向けアンケート
期間:2021年5月22日~2021年5月27日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所、 地域包括支援センターに勤務)
調査サンプル数:452名
調査方法:WEBアンケート
2.「アイリサーチ」会員向けアンケート
期間:2021年5月18日~2021年5月20日
調査パネル:「アイリサーチ」に登録する親の介護をしている40歳以上の男女
調査サンプル数:1000名
調査方法:WEBアンケート
■調査結果(サマリー)
このたび「ケアマネジメント・オンライン」と「株式会社ネオマーケティング」は、 全国のケアマネジャーと要介護高齢者を介護する介護家族を対象に、
転倒・骨折リスクに対する認識の違いや、 実践している骨折予防対策などについてのアンケート調査を実施しました。
その結果、 両者における転倒・骨折への危機感には差があり、
「新型コロナの影響により転倒・骨折リスクが上がった」と感じているケアマネジャーは介護家族と比較して多いことが分かりました。 また、
骨折予防対策として「薬物治療の推奨」「骨密度検査の推奨」を行っているケアマネジャーは少なく、 全体の約1割にとどまっているという現状が明らかになりました。
しかし、
1年半前に我々が発信した骨粗鬆症の疾患啓発メッセージを閲覧しているケアマネジャーでは「骨粗鬆症の薬物治療の推奨」を行っている割合が高いことが明らかになりました。
まだ薬物治療を推奨していない多くのケアマネジャーに骨粗鬆症に関する正しい情報を届けることで、
要介護高齢者が適切な薬物治療につながるように支援することが望まれます。
■調査結果
新型コロナによる自粛生活の影響で、 高齢者の認知症やうつが増加していると言われています。
我々はそれに加え、 運動機能が低下している状態で、 ワクチン接種後に活動量が増えると転倒・骨折リスクが上がるのではないかと懸念しています。
そこで、 この点について意識調査を行いました。
ケアマネジャーと介護家族に対し、 新型コロナの影響により要介護者の転倒・骨折リスクが上がったと思うか尋ねたところ、
「とても思う」「少し思う」と回答した介護家族の割合は約4割であったのに対し、 ケアマネジャーでは約7割でした。
介護の専門家であるケアマネジャーは、 ワクチン接種後の活動量増加による転倒・骨折の危険性を連想していると考えられます。
しかし、 転倒・骨折予防の対策として、 転倒予防に対しては意識が高いものの、
骨の健康を改善する「骨粗鬆症の薬物治療」「骨密度検査」といった医療的なアドバイスをしているケアマネジャーは少ないようです。
実際に、 利用者本人や家族への転倒・骨折予防のアドバイスとして「転倒・骨折への注意喚起」「環境整備の提案」を行っているケアマネジャーは多かったのですが、
「骨粗鬆症の薬物治療の推奨」「骨密度検査の推奨」を行っているケアマネジャーはわずかでした。
骨折を予防するためには、 転倒を防ぐだけでなく、 骨を丈夫にするための医療的なアプローチも必要であり、 望ましくない現状であると言わざるを得ません。
そこで我々は以前より、 こうした状況を改善するために、 ケアマネジャーへの骨粗鬆症の疾患啓発に取り組んできましたが、 まだまだ不十分であることが分かりました。
しかし、 我々の疾患啓発が届いたケアマネジャーにおいては、 薬物治療を推奨する割合が増えていることが確認できました。
本調査結果を以前実施した疾患啓発メッセージの閲覧履歴と照らし合わせたところ、
より多くの種類のメッセージを閲覧したケアマネジャーほど薬物治療を推奨している割合が高くなっていました。
「ケアマネジメント・オンライン」では、 2019年7月~11月の期間、 会員ケアマネジャーに対し、 骨粗鬆症に関する疾患啓発メッセージ全10種類を発信しました。
【啓発メッセージの例】
・骨折後の死亡リスク
・大腿骨頚部骨折の健側骨折発生数と二次骨折までの期間
・骨粗鬆症の主な治療薬一覧
・脆弱性骨折後の再骨折抑制に対する骨粗鬆症治療薬の効果
・骨粗鬆症治療の継続率
・骨粗鬆症の治療が続けられない主な理由
など
このメッセージを8種類以上既読しているケアマネジャーでは、 「骨粗鬆症の薬物治療の推奨」を行っている割合が14.4%と、
既読なしの場合に比べて約1.7倍(p値=0.092)に増えていました。
しかも驚くべきことに、 2019年12月以降は骨粗鬆症に関する情報発信はほとんど行っていないにもかかわらず、 今でも施策効果を示す結果が出ていました。
これは届いたメッセージがケアマネジャーの行動パターンとして定着しているからだと言えるでしょう。
行動を変えるべきケアマネジャーはまだ多く残されています。 我々の啓発メッセージの効果は長い期間持続することが今回示唆されたので、
ケアマネジャーに骨粗鬆症治療に関する正しい知識を届ければ、 要介護高齢者が骨粗鬆症治療に結び付くように支援できると考えます。
新型コロナの影響で骨折対する危機感が高まっている今の状況であれば、 より一層の効果が期待できるのではないでしょうか。
※具体的な項目や結果は調査レポートに記載しています。
■調査レポート販売のご案内
本調査結果を、 詳細レポートとして6月29日より販売いたします。
上記掲載以外にも、
・骨折歴のある要介護高齢者の割合
・骨粗鬆症の治療を受けている要介護高齢者の割合
・骨密度検査を受けている割合
・ケアマネジャーが骨折予防として最も効果が高いと思う対策
等の内容が、 収載されています。
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■調査のご依頼について
「ケアマネジメント・オンライン」では、 『CMNRメディカル』をはじめ、 ケアマネジャーを対象にした様々な調査を常時行い、 企業やメディア、
行政などにお届けしています。 今後調査を実施してほしい疾患や医薬品のリクエスト等ございましたら、 下記窓口までお気軽にお問い合わせください。
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弊社では、 全国のケアマネジャー9.9万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」を運営しています。 これを活用して、
ケアマネジャーを対象とした情報発信のサポートを承っております。 また、 郵送・FAXなどを用いた情報発信や、 調査パネルを用いた効果測定も行うことが可能です。
これまでに、 製薬会社をはじめ各種企業に情報発信の場としてご利用いただいております。
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『CMNR(CareManager Network Research)メディカル』は、
医療と介護連携のキーマンであるケアマネジャーをパネルとした調査サービスです。 複数の医療機関を受診することが多い要介護・要支援高齢患者の処方薬や、
服薬管理状況など、 医師や薬剤師をパネルとした調査ではなかなか把握しにくい医薬品使用の実態を調査できます。
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