植物肉「ミラクルミート」のDAIZと三菱ケミカルホールディングスが資本業務提携、持続可能な食糧供給・温室効果ガス低減への貢献を目指す
植物肉「ミラクルミート」のDAIZと三菱ケミカルホールディングスが資本業務提携、持続可能な食糧供給・温室効果ガス低減への貢献を目指す
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、 代表取締役社長:井出 剛、
以下「DAIZ」)は、 株式会社三菱ケミカルホールディングス(本社:東京都千代田区、 代表執行役社長:Jean-Marc Gilson、
以下「MCHC」)と資本業務提携を行いましたことをお知らせします。 本提携により、 両社は「ミラクルミート」を用いた研究開発を推進し、
持続可能な食糧供給や温室効果ガス低減に貢献することを目指して参ります。
■本資本業務提携の概要
MCHCグループでは、 経済性やイノベーションだけでなくサステナビリティの観点を重視した「KAITEKI経営」を推進し、
持続可能な未来に向けて社会課題の解決をめざすことを掲げた中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」を策定するなど、
長期的な企業価値の向上を実践されています。
一方、 DAIZは、 環境負荷が小さい次世代の植物肉「ミラクルミート」の研究開発・市場への普及を通じて、 サステナブルな食文化を啓蒙し、
持続可能な社会の実現を目指しております。
この度の資本業務提携は、 主にイノベーション・サステナビリティの観点で両社の経営資源を掛け合わせた協業に取り組むべく実現しました。
●イノベーション
MCHCグループが誇る技術とDAIZが誇る技術を掛け合わせ、
更なる研究開発・商品開発を推進することで「ミラクルミート」の付加価値の向上と市場への更なる普及を目指します。
●サステナビリティ
植物肉「ミラクルミート」の普及による温室効果ガス低減効果の見える化を検証し、 持続可能な食糧の供給・温室効果ガスの低減による社会課題の解決を目指します。
■MCHC CTO LARRY MEIXNERより本出資に対するコメント
持続可能な食糧供給の実現は、 世界中の人々の健康的で幸福な生活に不可欠であるとともに、
私たちが暮らす地球に大きな影響を及ぼす温室効果ガスの削減という観点からも非常に重要です。 これらはMCHCグループのコアバリューと深く結びついています。
食やヘルスケアといった分野においても世界的に優れた技術をもつMCHCグループは、 DAIZ社のミッションの達成に大きく貢献できると考えています。
DAIZ社はMCHCとして日本国内スタートアップへの初めての出資先となります。 今回の提携で、
DAIZ社とともに革新的な製品の更なる価値向上とその市場展開を通して地球規模での社会貢献に取り組むことができる事をうれしく思います。
■DAIZ代表取締役社長 井出剛より本出資に対するコメント
MCHC社による国内スタートアップへの出資第一号案件としてパートナーに選んでいただき、 大変嬉しく思います。 DAIZの植物肉「ミラクルミート」は、
「落合式ハイプレッシャー法」という独自の技術を用いることによって、
少ない原料から効率良く栄養を吸収できるために持続可能な農業生産や食糧供給にも貢献できると自負しております。
MCHC社は乳化剤をはじめとした様々な食品素材の分野において世界的な技術を有しており、
DAIZの「ミラクルミート」のさらなる風味向上に大きなシナジー効果があるものと大変期待しております。 また本提携を通して、
MCHC社とともにカーボンニュートラルの実現や持続可能な社会創りに共に取り組んで参りたい所存です。
■サステナブルな世界の実現に寄与する植物肉
昨今、 地球温暖化が私たちにとって大きな課題となっています。 地球温暖化は、 二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因と言われています。
温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)ですが、 同等に大きな排出源となっているのが、 農業・畜産業*1です。
世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、 私たちの食生活の見直しが求められています。
牛・豚・鶏に次ぐ新たなお肉として注目されている植物肉は、 温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品です。 地球温暖化を防ぐため、
私たちが今からでもできることは、 なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることです。 DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、
国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development
Goals)」の達成とサステナブルな世界の実現に向けて貢献して参ります。
*1 IPCC「Global Greenhouse Gas Emissions Data」より。
■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されています*2。 世界的な人口増加と新興国の経済成長により、
2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、 タンパク質の需給がひっ迫することで、
これまで以上に食肉価格の高騰が予想されています。 そこで、 「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、
その市場は世界で9兆円を超えると見込まれています*3。
植物肉が、 牛肉・豚肉・鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来しています。
これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、 1.味と食感に残る違和感、 2.大豆特有の青臭さや油臭さ、
3.肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、 本格的な普及の妨げとなっていました。
DAIZの植物肉は、 原料に丸大豆を使用しています。 さらに、 独自の発芽技術によって、 これまでの課題を解決する植物肉「ミラクルミート」の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
これまでの植物肉は、 大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、 DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。
さらに、 オレイン酸リッチ大豆を使用することで、 大豆特有の臭みを無くし、 異風味を低減しています。
特徴2.旨味や栄養価を増大、 肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」*4で大豆を発芽させ、 旨味や栄養価を増大させます。
その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*5にかけ、 膨化成形技術*6により、 肉のような弾力と食感を再現しています。 これらの独自技術により、
異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しています。
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、 他の原料や添加物を何も足さずして、 植物肉原料が完成しています。
発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、 原価低減を実現し、 牛肉・豚肉・鶏肉に対し、 価格競争力があります。
▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
*2 国連推計「世界人口推計2019年版」より。
*3 UBS調べ。
*4 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、 酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、 素材の旨味を引き出す栽培法。
(特許第5722518号)
*5 食品加工時に使用する装置。 材料に水を加えながら、 高温下で圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う。
*6 特許申請準備中。
■会社概要
商号:株式会社三菱ケミカルホールディングス(
https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/)
代表者:代表執行役社長 Jean-Marc Gilson
所在地:〒100-8251 東京都千代田区丸の内1-1-1パレスビル
設立:2005年10月3日
資本金:500億円
事業内容:機能商品、 素材およびヘルスケアを事業領域とした総合化学メーカー
商号:DAIZ株式会社(
代表者:代表取締役社長 井出 剛
所在地:〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル4階
設立:2015年12月1日
資本金:12億4,025万円(累計資本調達額:37.5億円)
事業内容:発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」の開発・生産及び販売
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を用いた食品の開発・生産及び販売
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