使いたいのに使えない!「車いす用駐車スペース」についてのアンケート結果報告
認定NPO法人DPI日本会議(所在地:東京都千代田区、 議長:平野みどり)は、
9月15日(水)から10月4日(月)まで「車いす用駐車スペース」についてアンケートを実施しました。 おかげさまで全国各地から、
224名もの方にご協力いただきました。
現在の駐車スペースの問題を多岐に渡ってご指摘いただきましたので、 非常に貴重なアンケート結果となっております。
頂いたご意見をもとに、 国土交通省の検討会で意見提起をしてまいります。
【ウェブページURL】
blog/workinggroup/traffic/parking_thanks/ 車いす用スペースの標識
車いす用スペースの標識
* 実施概要
■募集期間:2021年9月15日(水)~10月4日(月)
■募集方法:webフォームにて記入
■回答数:224人(内、 車いす利用者195人)
* 回答者の情報
(1)障害の状況
・手動車いすを利用 152人(68%)
・簡易電動車いすを利用 18人(8%)・電動車いすを利用 25人(11%)
・空欄 29人(13%)
(2)運転の有無
・自分で車を運転している。 71人(32%)
・自分では車を運転しないが、 日常的に車を利用している。 100人(45%)
・自分では車を運転しないが、 たまに車を利用する。 44人(19%)
・空欄 9人(4%)
(3)どこで乗降しているか
・車いす駐車スペース 163人(73%)
・同伴者が運転し、 車いす駐車スペース以外の場所で乗降している 52人(23%)
・空欄 9人 (4%)
* パーキングパーミット制度
(1)パーキングパーミット制度を知っているか?
・知っている 86人(38%)
・知らない 134人(60%)
・その他 4人(2%)
(2)パーキングパーミットを利用したことがあるか?
・ある 58人(26%)
・ない 147人(66%)
・空欄 19人(8%)
(3)どのような問題を感じているか(主な意見を抜粋)
1.絶対的な数が少ない(意見多数)
2.車いす用駐車スペースに他の人が駐めている(意見多数)
3.利用対象者
・高齢者、 妊婦、 障害者誰でも駐めて良いとなると高齢者が人口的に一番多いので車いすユーザーは駐められない事が多い。
・広いスペースが何の為に必要かの周知が必要だと思う。 車いすユーザーは勿論だけど、 例えば双子ベビーカーを利用している家族にも必要。
障害により衝動性のある人も利用したいと思うのでは。 身体障害者イコール広いスペースではないと思うので、
必要に応じてパーキングパーミットを発行する事も大事ではと思う。
・車いすスペースに、 ベビーカーを利用する人も駐めてるところもある。 ベビーカーを利用する際も一般の駐車スペースではせまいので、 わけてほしい。
車イスのスペースが少なすぎる。
4.前後の広さも必要
・車の後ろから乗降車する際、 駐車場を長さがなく困ることが多くある。
5.三角コーン
・三角コーンが置いてある場所があるのですが、 これは本当に大変。 1度降りてどかさないと駐められない。 三角コーンを置くのであれば、 警備の方を付けて欲しい。
6.申請手続き
・(他県のことは分からないが)県の制度であるため、 新規や更新の申請のためには県庁まで出向く必要がある(市町村に申請手続を委嘱してほしい)。
7.制度的な課題
・パーキングパーミット制度は、 駐車禁止除外指定車証のように期限が書かれていないので、 一度取得すると、 状況が改善されても使用されるなど、
基準がとても曖昧なように感じる。
・他県にあまりない利用証の色だと相互利用時に理解を得づらい、 全国統一の制度としてほしい。
・地域の人だけが許可制で、 遠くから来た人が駐められない。
8.罰則が必要
・車いす駐車スペースに対して、 一般の方の良心でしか機能できていないところに問題があると思います。 罰則まではいかなくても、
なんらかのペナルティがないと浸透しないのではないかと思えてしまう。
・アメリカのようにパーミッドを持っていない人が駐車したら罰金くらいにしないといつまでたっても不正使用が無くならないと思います。
9.入り口から遠い場所でも良い
・出入口に近いという理由でスペースが特に必要がない老人や無関係な人に使われていることがある。
・車いすの乗り降りで扉を全開にするためスペースが必要。 入口から近いところは、 スペースが必要ない人でも「近くて便利だから」って理由だけで使う人が多いので、
入口近くでなくてもいいのでスペースのある駐車場を設置してほしい。
* 一般の駐車場の車いす駐車スペース(3.5m幅の広いスペース)
(1)どのような場所に車いす駐車スペースを配置してほしいか
・入口付近に集中:入口付近(入口付近から遠い場所はダメ) 45人(20%)
・入口付近にこだわらない:どこでもあればいい 24人(11%)
・複数ヶ所に分散:入口付近+屋根があれば出入り口遠い場所でも良い 148人(66%)
・空欄7人(3%)
(2)困ったこと(主な意見を抜粋)
1.車いすユーザー以外が駐めている
2.車輌が無理やり駐まっている
・車いすを降ろすスペースに、 自転車やバイクが置いてあると駐められない。 軽自動車が無理やり駐まっていることがある。
・駐車スペースとスペースの間の乗り降りに必要な斜めなどに引かれている白線の上に車を駐められてしまい、 結局スペースが無く乗れなくなってしまう。
3.三角コーンが置いてある
・三角コーンが置いてあって利用出来ない事があった。 (意見多数)
・スペースに健常者の方が駐めないようにカラーコーンが置いてある。 電話すれば係員が来ます…という事ですが、
(係員が来るまで)車を仮に駐めておく場所がないという所が多いです。
4.後ろのスペースも必要
・リフトで車いすを積み下ろしするので、 バックで駐車するとリフトが出せない。 スロープも難しい場合もある。 前向き駐車するしかないので、
車が通る通路側で車いすの積み下ろしをしなければならず、 安全に車いすの積み下ろしができない。 (同じ意見多数)
5.屋根が必要
・屋根がないために、 降雨時には車いすの出し入れなどで余計に濡れてしまう(傘がさせない)。
・屋根があると有難い。 暑い日など特に車が暑くなりやすいので、 気管切開している子などは スグに体温が上がりやすくなる。
6.そもそも総数が少ない。 もっと増やして欲しい。 (意見多数)
・お年寄りが総じて障害者になってきており、 また妊婦さんなど他の事情の方も使えるため、 世の中の1/3は障害者用スペースを使おうとするくらいの勢いで、
ユニバーサルスペースの争奪戦になっている。
7.事前登録・予約
・ショッピングセンターで、 事前登録制にしているところが増えてきました。 車番を登録していれば、 駐車エリアに入れるのですが、 たまにしかいかない、
もしくは初めて利用する場合、 スペースは空いているのに駐められないということになるのが不便です。
8.スペースの問題
・大きな車が増え、 扉が開ききらない(自分の車は2ドアで大きいのもある)
・幅は広くて助かるが、 (地面に)傾斜がついていると、 乗り降り時辛い。
9.その他
・空きが無く、 諦めて帰った事が何度もある。
・障害者用スペースがない駐車場は道路はみだして車いすを出しっぱなしにして息子を乗降させたりするので、 本当に怖いし、 申し訳ない気持ちになる。
* その他の駐車場の問題(主な意見を抜粋)
(1)コインパーキング
1.車いす駐車スペースがない。
・車いすスペースがないので利用したことがない。 (同じ意見多数)
2.固定装置
・フラップ版(固定装置)が邪魔で車いすでは利用できない。 (同じ意見多数)
3.精算機
・車いすでは精算機に手が届かない。 (同じ意見多数)
4.案内表記
・車いす駐車スペースの有無が外からひと目見ただけで分からない。
・ゲートを入ってからでないと身障者スペースが空いているかの確認ができず、 空車の表示を見てゲートを入ったはいいけど、 駐めることができなかったこともある。
(2)機械式立体駐車場
1.車いすで利用できない
・車いすで運転しているが、 乗降できる機械式立体駐車場がない。 (同じ意見多数)
2.同乗者がいないと利用できない
・本人が知的障害との重複なので、 1人待たせることができず、 利用できない。
* 好事例(主な意見を抜粋)
1.ショッピングセンター
・イオンの大型店舗ほぼ全てで、 専用のリモコンが無いと使えない仕様となっており、 本当に必要な人しか使えないのが良い。 (意見多数)
・ららぽーと横浜は、 入口で車いすスペース希望の旨を伝えると、 その都度警備員さんが、 コーンを退けてくださるので、 健常者の方は利用しづらい。
・テラソパーキング(福岡市博多区):車いす利用者が自己運転で利用可能な機械式立体駐車場あり。
2.空港
・新千歳空港駐車場A駐車場 予めに新千歳空港駐車場のお問合せに電話連絡をすると、 車イス用駐車スペース1台分を予約することができる。
・中部国際空港では、 身障者用駐車場に駐めるには駐車禁止除外者標章がないと駐められないので、 本当に必要な人が駐められる。
・関西空港 障害者駐車スペース(数十台分あり)のエリアに入るところにゲートがある。 そこでカメラに向かって障害者手帳を見せるとゲートが上がって入ることが出来る。
この仕組になってからは、 いつも駐車スペースが空いていて、 駐められるようになった。 以前は、 駐車場全体がガラガラでも、
車いす駐車スペースは全部埋まっており(障害者以外が利用)、 ほとんど利用できなかった。
3.高速道路
・記憶が定かでは無いですが、 ららぽーと海老名が一般駐車場も含めて全ての駐車場で駐車場の空き状況を駐車スペースの上にあるランプで知らせ、
適正駐車につなげているといった取り組みをしていました。
・高速道路の大型のサービスエリアでは混んでる時、 案内の方が立っているので、 誘導してもらえるし、 空いてるか、 空いてないかも分かるのでありがたい。
4.トイレ
・身障者用駐車スペースのすぐそばに、 身障者トイレがあると便利。
5.その他
・清算後、 ナンバープレートを読み取って出庫時に駐車券を入れずに出られる駐車場は良いと思う。 駐まって駐車券を入れるのも大変。
・車いす駐車場近くに高齢者マークのついた駐車スペース、 妊婦さんママさんマークのついたスペースがあり、 必要な箇所に必要な人が駐めることができる。
【アンケート全文はこちら】https://www.dpi-japan.org/blog/workinggroup/traffic/parking_thanks/
https://www.dpi-japan.org/blog/workinggroup/traffic/parking_thanks/
* 団体概要
団体名:認定NPO法人DPI日本会議
所在地:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階
ホームぺージ:https://www.dpi-japan.org/
活動概要:1986年に発足。 「障害者の権利の実現を目指す運動を通して、 全ての人が希望と尊厳をもって、 ともに育ち、 学び、 働き、
暮らせるインクルーシブな社会を創る~障害者権利条約の完全実施へ~」というビジョンのもと、 国への政策提言、 権利擁護活動を中心に、 身体障害、 知的障害、
精神障害、 難病等の障害種別を超え、 国内外で幅広く活動している。 全国94の団体が加盟している。 (2021年11月現在)
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