安心安全な医療体験を提供するネクイノ|海外製ピルの不正流通、海外製ピルを販売しているオンライン診察を装った業者サイトなどの法的な問題点について
~メディカルコミュニケーションを通し正しい情報を提供~ 株式会社ネクイノ(大阪市北区、 代表:石井
健一)は婦人科領域のオンライン診察アプリ「smaluna」(以下、 「スマルナ」)を運営しています。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、
2020年以降、 オンライン診察を通じたピルの処方数や医療相談数の大幅な増加が見られました。 最近では、
社会的なFemTech(フェムテック)の機運の高まりやアフターピルの薬局での販売に関する議題がニュース等で取り上げられるようになり、
ピルの認知や需要の高まりが見られるようになりました。
しかし日本でピルを入手するには、 医師の診察・処方が必要なため、 諸外国に比べピルへのアクセスがしづらい環境にあると言えます。 そのため、
例えば海外から個人で並行輸入し、 自己判断で服用するケースや、 製造販売許可を持たない業者が国内にてピルを転売しているケースが散見しており、
製造販売承認を取得していない国内未承認医薬品(以下、 海外製ピル)の流通とそれに伴う健康被害等の発生が懸念されています。
このような事態を受け、 弊社はオンライン診察プラットフォーマーとして、 より安心・安全な医療体験を提供すべく、 この表題に上げたような、
海外製ピルの問題について見解を述べるとともに、 現状に対してユーザーの皆様に注意喚起と情報提供を行います。
* 論点1:海外製のピルの有効性および安全性の問題点
海外製のピルは、 日本の医薬品、 医療機器等の品質、 有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、 「薬機法」といいます。
)に基づく製造承認を取得していない医薬品で、 適切なプロセスに従った安全性や有効性が確認されておらず、
思わぬ副作用等を招く可能性があり安易な使用は大変危険です。 なお、 これらの海外製ピルによる健康被害が起こった場合は、
独立行政法人医薬品医療機器総合機構による医薬品副作用被害救済制度などの公的な救済措置の対象外となってしまうケースがあります。
* 論点2:海外製のピルが処方されることの法的な問題点
医薬品を海外より輸入・販売するためには、
原則として薬機法に基づく医薬品製造販売業許可及び国内で該当医薬品を保管する場所について医薬品製造業許可(包装・表示・保管区分)が必要です。
また医薬品等を製造販売しようとする者は品目ごとにその製造販売について厚生労働大臣の承認を受けなければなりません(薬機法第12条、 第14条)。
薬機法第14条の承認等を受けずに、 海外製医薬品を輸入しようとする者は、
所定の申請書に所定の書類を添付して厚生労働大臣の確認を受けなければなりません(薬機法第56条の2第1項)。 また、
たとえ病院やクリニックなどの医療機関であったとしても、 医師が患者の治療のために医薬品の輸入を希望する場合は、 1.治療上緊急性があり、
2.国内に代替品が流通していない場合であって、 3.輸入した医療従事者が自己の責任のもと、 自己の患者の診断又は治療に供することを目的とするものについて、
所定の書類を提出すること等が求められています。 (医薬品等輸入確認要領(令和2年9月)より)なお、 同要領は医師が患者に対して処方しようとする医薬品等が、
正規な手続きを経て輸入したものであることの説明と証明を義務付けています。
しかしながら、 オンライン診療によってピルの処方が可能として宣伝広告している医療機関の中には、
違法性の高い海外製のピル処方を行なっている医療機関が存在しています。 (国内同等流通品のピルがあるため、 輸入できない)
さらには、 その国内では使用や処方ができないはずの海外製のピルの利用を、 ユーザーに対して『値段が安い点を強調し、
むしろ推奨しているか』のようなオンライン診療プラットフォーマーまでもが存在しています。 これは上記の医薬品等輸入確認要領上の2.の要件を満たしません。 また、
低用量ピルに関しては、 アフターピルと異なり緊急の必要があって使用するものではないことから、 1.の要件を満たさないと考えられます。
* 論点3:海外製のピルが処方されることの患者側の不利益
前述のように、 価格差のみを評価軸として患者に対し国内未承認の医薬品を提供するということは、 有効性や安全性に関する情報の非対称性を持つ患者側に、
著しい不利益をもたらす可能性があると考えられます。 また、 昨今の報道にあったような医薬品の生産工程における不具合などを要因とする医薬品の回収等においても、
国内で承認を受けていない海外製医薬品については、 情報取得の部分や回収の実行性、 情報提供においても安全に運用が行えるものではなく、
明らかに患者側への不利益を発生させる可能性が高いものであると考えられます。
* ネクイノの安心安全な医療体験の実現に向けた取り組み
1.取り扱っている医薬品について
全て国内で認可・使用されている正規流通品の医薬品(低用量ピル、 超低用量ピル、 中用量ピル、 アフターピル)を提携医療機関を経由してお届けしています。
2.処方医薬品のトレーサビリティシステム
医療機関との連携のもと、
最終消費のユーザー毎に医薬品製造番号(ロット番号)を電磁的に記録し製薬会社などによる医薬品回収時などに追跡できる仕組みを導入しています。
3.副作用情報収集システム
医療機関との連携のもと、 処方医薬品による副作用が疑われる事例が発生した場合に追跡し、 経過について収集・必要に応じて当局へ報告できるシステムを導入しています。
4.医療資格保有者による医療相談
スマルナアプリ内に設けている、 スマルナ医療相談室では、 助産師と薬剤師が、 生理や避妊に関するご相談を受け付けています。
処方医薬品における有効性・安全性についてのトラブルが発生した場合にも、 スマルナ医療相談室を通じて情報収集、
処方医へのフィードバックができる仕組みを実装しています。
スマルナ医療相談室では1日平均約500件~900件の医療相談を受けており、 お問い合わせから平均6分41秒という速さで、 平日・土日祝 10:00-18:00、
365日ユーザーからの相談に応じています。 (相談料無料)
5.独自の本人確認システム
AIによる本人確認システムの導入予定や、 マイナンバーカードと健康保険証をオンライン上でセキュアに結びつけることができる新システム、
「メディコネクト」(特許出願準備中)の提供を2020年12月より開始しました。
今後も引き続き、 皆様に正しい医療情報と、 信頼できる医療体験提供を提供するため、 安心・安全に運用できる仕組みの構築に取り組んでまいります。
■オンライン診療アプリ「スマルナ」
「スマルナ」とは、 2018年6月にリリースされた、 オンライン診察でピルを処方するアプリ。
生理や避妊で悩む女性ユーザー方と医師を繋ぐオンライン診察プラットフォーム。 上で直接つなぎ、 医師が処方したピルをお届けするほか、
助産師や薬剤師が女性の性や体の悩み相談を受け付ける、 スマルナ医療相談室を運営。
これまでにAppStoreヘルスケア/フィットネス無料Appデイリーランキング1位を獲得するなど、
10代~30代の女性を中心に多くの方々にご利用いただいている。 スマルナアプリのダウンロード数は累計39万件。 (2020年11月時点)。
▼スマルナ:
■株式会社ネクイノ 会社概要
医師や薬剤師、 歯科医師や弁護士など、 医療及び関連法規分野に知見を持つ人材が集まり、 2016年6月創業。 ICTを活用したオンライン診察をはじめ、
健康管理支援、 未病対策など、 一人ひとりのライフスタイルや健康状態に合わせて選択活用できる医療環境を生み出している。
「メディカル・コミュニケーションカンパニー」を掲げ、 テクノロジーと対話の力で世の中の視点を上げ、 イノベーションの社会実装を推進する。
2018年6月には婦人科領域に特化したオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」をリリース。
2020年にはマイナンバーカードと健康保険証をリンクさせるセキュアな個人認証システム「メディコネクト」の提供を開始。
会社名:株式会社ネクイノ(英表記:Next Innovation Inc.)
代表取締役:石井 健一
所在地:〒530-0002 大阪府大阪市北区曽根崎新地1丁目13番22号 御堂筋フロンティア WeWork
URL:
https://nextinnovation-inc.co.jp/
設立:2016年6月3日
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