イミフィンジと化学療法の併用療法、第III相TOPAZ-1試験の結果に基づき、局所進行または転移性胆道がんの治療薬として米国で優先審査指定を取得
第III相試験において、対象疾患に対する化学療法に免疫治療を追加することで、標準化学療法単独よりも全生存期間が延長されることが初めて示された
本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年5月4日に発信したプレスリリース(
)を日本語に翻訳し、 みなさまのご参考に提供するものです。 本資料の正式言語は英語であり、 その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、 最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、
局所進行または転移性胆道がん(BTC)の患者さんを対象として、
アストラゼネカのイミフィンジ(R)(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])と標準化学療法の併用療法に関する生物製剤の一部変更承認申請(sBLA)が米国で受理され、
優先審査対象に指定されたことを発表しました。
米国食品医薬品局(FDA)は、 安全性または有効性の改善、 重篤な症状の予防、 患者さんの服薬遵守向上を通じて、
従来の治療選択肢よりも著しい改善が予想される医薬品の承認申請に対し、 優先審査指定を付与します(1)。 処方薬ユーザーフィー法に基づくFDAの審査終了目標は、
2022年第3四半期中です。
BTCは胆管や胆嚢にできる希少で悪性度の高いがんです(2,3)。 米国では毎年約23,000人がBTCと診断されています(2)。
BTCの患者さんの予後は不良で、 5年生存率は約5~15%です(4)。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。 「進行胆道がんの患者さんは、
予後不良かつ治療選択肢が限られているという問題に長い間直面してきました。 TOPAZ-1試験に関する最新情報は、
対象疾患の患者さんに対して新しい効果的な治療法を早急に提供する必要性を明確に示しています。 当社は、 FDAと緊密に連携して、
この深刻ながんの患者さんに免疫治療を用いた初の治療選択肢を提供するとともに、
イミフィンジと化学療法の併用療法による新たな標準治療を確立できるよう取り組んでまいります」。
sBLAは、 米国臨床腫瘍学会の2022年度消化器がん(ASCO GI)シンポジウムで発表(
https://www.astrazeneca.co.jp/content/az-jp/media/press-releases1/2022/2022012602.html
)された第III相TOPAZ-1試験の中間解析結果に基づいています。 データからは、 イミフィンジと化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)の併用により、
化学療法単独と比べて死亡リスクが20%低下することが示されました(ハザード比[HR]0.80、 95%信頼区間[CI]0.66-0.97、
両側検定によるp=0.021)。 治療開始から2年後の時点での患者さんの生存率は、 イミフィンジと化学療法の併用療法で25%(4人に1人)、
化学療法単独で10%(10人に1人)と推定されました。
解析結果からは、 イミフィンジと化学療法の併用療法により、 病勢進行または死亡のリスクが25%低下し、 統計学的に有意であることも示されました(HR 0.75、
95% CI 0.64-0.89、 両側検定によるp=0.001)。 イミフィンジ併用療法の忍容性は概ね良好であり、
化学療法単独と比較しても有害事象による中止率の上昇は認められませんでした。
2020年12月、 米国において、 イミフィンジはBTCの治療薬として希少疾病用医薬品の指定を受けました。
なお、 進行胆道がんの一次治療としてのイミフィンジと化学療法の併用療法は、 本邦未承認です。
以上
*****
胆道がんについて
胆道がん(BTC)は、 胆管、 胆嚢または十二指腸乳頭部(胆管と膵管が小腸に結合する部分)から発生する希少で進行の早い消化器(GI)がんです(2,3)。
胆管がんは中国や東南アジアで多くみられますが、 欧米諸国でも罹患率が増加しています(2,4)。 胆嚢がんは南米の一部の地域、
インドおよび日本で多く見られます(5)。
胆管や胆嚢で発症するBTCは、 早期では無症状のことが多く、 新規患者さんのほとんどが、 進行期になってから診断されます。
進行期のBTCでは治療選択肢が限られており、 予後も不良です(4-6)。
TOPAZ-1試験について
TOPAZ-1試験は、 肝内胆管がん、 肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移BTC患者さん685例を対象とした、
第III相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。 本試験では、 BTCの一次療法として、
イミフィンジと化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチン)の併用療法と、 プラセボと化学療法の併用療法を比較しました。
主要評価項目は全生存期間(OS)であり、 主要な副次評価項目は無増悪生存期間、 全奏効率および安全性でした。 この試験は、 米国、 欧州、 南米、 さらに韓国、
タイ、 日本や中国などのアジアの数カ国を含む17カ国105施設で実施されました。
イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、
PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、 腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、 第III相PACIFIC試験に基づき、 化学放射線療法後に進行が認められていない患者を対象として、
切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認されたがん免疫治療です。
また、 イミフィンジは、 第III相CASPIAN試験に基づき、 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、 米国、 欧州、 日本、
中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。 2021年にCASPIAN試験から得られた最新の結果では、
イミフィンジと化学療法との併用により患者さんの3年生存率が化学療法単独の3倍に上昇することが示されました。
2017年5月に初めて承認されて以来、 10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。
広範な開発プログラムの一環として、 イミフィンジは、 小細胞肺がん(SCLC)、 NSCLC、 膀胱がん、 数種類の消化器がん、 卵巣がん、 子宮内膜がん、
その他の固形がんの治療として、 単独療法ならびに併用療法においても検討されています。
最近1年間には、 イミフィンジの臨床ベネフィットはその他の様々ながんでも認められており、
切除不能な進行肝がん(HIMALAYA試験)および転移性NSCLC(POSEIDON試験)を対象とした第III相試験で良好な結果が得られています。
※イミフィンジには切除不能な進行肝がん、 転移性NSCLCに対する適応はございません。
消化器がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、 様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、 複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。 2020年、
約510万人が新規に消化器がんと診断され、 約360万人が死亡しました(6)。
このプログラムにおいて、 当社は胃がん、 肝がん、 胆道がん、 食道がん、 膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。
イミフィンジは、 現在、 トレメリムマブなどとの併用療法で、 早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、 肝がん、 BTC、
食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われています。
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、 膵がんや結腸直腸がんなど、 様々な消化器がんの治療薬として、
広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを実施しています。 リムパーザは、 MSD(米国およびカナダではMerck & Co.,
Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。
アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
がん免疫治療(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。 アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは主に、
抗腫瘍免疫応答からの回避を克服するよう設計されたものです。 当社は、 がん種を問わず、 より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、
IOに基づく治療アプローチに投資をしています。
また、 イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、 様々ながん種、 病期、 治療ラインにおいて、
また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、
包括的な臨床試験プログラムが進行中です。
さらに、 当社のIOポートフォリオをアストラゼネカオンコロジー全パイプラインあるいは研究パートナーの放射線療法、 化学療法、
標的低分子化合物と併用することにより、 広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、 あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、 がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、
患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、 オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。 当社は持続的なイノベーションにより、 医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、
製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、 将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、 サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、 主にオンコロジー、 希少疾患、 循環器・腎・代謝疾患、
呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、 医療用医薬品の創薬、 開発、 製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。
英国ケンブリッジを本拠地として、 当社は100カ国以上で事業を展開しており、 その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。 詳細については
http://www.astrazeneca.comまたは、 ツイッター@AstraZeneca(
https://twitter.com/AstraZeneca
)(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. FDA. Priority Review. Available at:
. Accessed May 2022.
2. Marcano-Bonilla L, et al. Biliary tract cancers: epidemiology, molecular
pathogenesis and genetic risk associations. CCO. 2016;5(5).
3. ESMO. What is Biliary Tract Cancer. Available at:
. Accessed May 2022.
4. Turkes F, et al. Contemporary Tailored Oncology Treatment of Biliary Tract
Cancers. Gastroenterol Res Pract. 2019; 2019:7698786.
5. Rawla P, et al. Epidemiology of gallbladder cancer. Clin Exp Hepatol.
2019;5(2):93-102.
6. Banales JM, et al. Cholangiocarcinoma 2020: the next horizon in mechanisms
and management. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2020;17:557-588.
プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2022051609-16b47ec401217e8b78842242108f2ddb.pdf
当リリースの詳細について
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