初、初、初、づくし……。創刊88周年を迎えた「文藝」2021年春季号、発売!
河出書房新社(東京都渋谷区 代表取締役社長:小野寺優)が発行する季刊文芸誌「文藝」は、 創刊88周年を迎えた今年初の号となる春季号を発売しました。
* 児玉雨子・瀬戸夏子の初中編、 Aマッソ加納愛子の文芸誌初短編!
アイドルやアニメの楽曲作詞等で人気を博す作詞家・児玉雨子による初中編「誰にも奪われたくない」、
昨年初エッセイ集を刊行したことでも注目を集めるお笑いコンビ・Aマッソ加納愛子の文芸誌初短編「イトコ」をはじめ、 今号は新年にふさわしい「初」づくし。
いま最も旬の歌人・瀬戸夏子は初中編「ウェンディ、 才能という名前で生まれてきたかった?」を発表。 特集「夢のディストピア」では本誌初登場の東山彰良、 真藤順丈、
金原ひとみらが短編を寄稿。 同じく初登場・桜庭一樹は「分断されていく世界で 2020年1月~10月 東東京ディストピア日記」を270枚一挙掲載。
特集内では第164回芥川賞にもノミネートされている、 尾崎世界観の短編を掲載。
* 遠野遥×宇佐見りん 文藝賞同期作家の対談掲載!
昨年『破局』で第163回芥川賞を受賞し、 「文藝」冬季号の父子対談でも話題を呼んだ遠野遥と、 現在、
尾崎氏と同じく第164回芥川賞候補に選出されている宇佐見りんによる文藝賞作家同期対談。 また前号から始まった連続企画「韓国・SF・フェミニズム」では、
『フィフティ・ピープル』の著者チョン・セランの短編「アーミー・オブ・クィア」(斎藤真理子 訳)、 また昨年SF作家クラブ会長に就任し、
年末に発表した初小説も話題の池澤春菜によるエッセイなどを掲載。
2019年4月の大幅リニューアル後、 発売された7号中4号が異例の増刷、 また昨年の純文学三賞(芥川賞・三島由紀夫賞・野間文芸新人賞)すべてに受賞作を輩出した、
常に文学シーンを揺さぶり続ける文芸誌「文藝」にご注目ください。
* 【書誌情報】
「文藝 2021年春季号」
雑誌/A5/488ページ
雑誌コード:07821-02
発売日:2021年1月7日
定価:1,485円(本体1,350円)
http://www.kawade.co.jp/np/bungei.html
* ◎文藝2021年春季号 目次
【創作】
児玉雨子「誰にも奪われたくない」(130枚)
距離を取るのも会えないのも、 みんなそんなにさみしい? 関係すれば、 互いに無傷でいられないのに。 気鋭の作詞家、 初中篇。
山下紘加「エラー」(160枚)
私は自分の底を知らない。 不敗の大食いクイーンのはずなのに——。 一つの身体における限界と到達を探り出す、 圧倒的力篇。
瀬戸夏子「ウェンディ、 才能という名前で生まれてきたかった?」(100枚)
軽妙な美人の詩人・ウェンディと、 生意気な不美人のわたしは、 求めるほどに奪い合い、 傷つけ合う。 注目の歌人が贈る初中篇。
*
【特集 夢のディストピア】
〈対談〉
飛浩隆×高山羽根子
「ディストピア小説の主人公とは誰か 嫌(いや)視点の作り方」
〈短編〉
金原ひとみ「腹を空かせた勇者ども」
コロナ禍の新たな日常を送る育ち盛りの中学生・玲奈の日常に、 突然濃厚接触の報せが訪れて……。
真藤順丈「オキシジェン」
顔の見えない「ジェントルマン」の声に従い反(アンチ)ユートピアの物語を紡ぐ男の、 脱ディストピアの叛乱。
東山彰良「天国という名の猫を探して悪魔と出会う話」
死者は活発に人肉を求め、 生者は死んだように隠れて暮らす世界で、 ぼくは猫を探す旅に出た。
尾崎世界観「ただしみ」
ただ街を映すだけのライブカメラは、 噓のない「正しい」世界——孤独な者達の群像劇。
高瀬隼子「休学(国産のため)」
「男が二人目を産むのはおかしいですか」人間職員の私は、 休学届を手にした学生に慌てて首を振った。
〈日記〉
桜庭一樹「分断されていく世界で 2020年1月~10月 東東京ディストピア日記」
〈特別企画〉
「身体と精神改造のための闇のブックガイド」
闇の自己啓発会(江永泉・木澤佐登志・ひでシス・役所暁)
〈エッセイ〉
Marukido「いじめられっ子の初恋はチャHだった」
〈論考〉
樋口恭介「未来を破壊する」
水上文「成熟と喪失、 あるいは背骨と綿棒について」
木澤佐登志「さようなら、 いままで夢をありがとう」
*
【短篇】
加納愛子「イトコ」
私はイトコのことを考えてばかりなのに、 イトコのなかで私は脇役。 そもそもイトコってなんやろな?
中原昌也「次の政権も皆で見なかったことにした」
お告げめいた「南へ」という声が聞こえたので、 割と急いで外に出た――鬼才が贈る前代未聞のロードノベル!
*
【文藝賞作家の2020→2021】
〈対談〉
宇佐見りん×遠野遥「文藝賞受賞して、 その後どうよ?」
〈論考〉
大谷崇「現実という地獄 李龍徳論 第四二回野間文芸新人賞受賞に寄せて」
*
【連続企画第2回 韓国・SF・フェミニズム】
〈小説〉
チョン・セラン 斎藤真理子 訳「アーミー・オブ・クィア」
〈エッセイ〉
池澤春菜「きっと幾つかの冴えたやり方」
〈書評〉
上田早夕里「やさしく、 しなやかな決意」
キム・チョヨプ 著 カン・バンファ +ユン・ジヨン 訳『わたしたちが光の速さで進めないなら』
〈論考〉
橋本輝幸「私たちの相違と共鳴 世界SFを俯瞰して」
*
【連載】
若竹千佐子「かっかどるどるどぅ」【第2回】こころかなしも
磯部涼「移民とラップ」【第4回】BLMを歌う(その1)
絲山秋子「まっとうな人生」【第6回】
町田康「ギケイキ」【第32回】
山本貴光「文態百版 ブンゲイの遊び方 2020年9月~11月」
倉本さおり「はばたけ! くらもと偏愛編集室」【第7回】
【書評】
マーガレット・アトウッド 鴻巣友季子 訳『誓願』【評】谷崎由依
大前粟生『おもろい以外いらんねん』【評】太田啓子
島本理生『2020年の恋人たち』【評】齋藤明里
星野智幸『だまされ屋さん』【評】朴沙羅
アンナ・バーンズ 栩木玲子 訳『ミルクマン』【評】小川公代
青山七恵『みがわり』【評】岡英里奈
谷川直子『あなたがはいというから』【評】北村浩子
安藤礼二『熊楠』【評】小田原のどか
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