コロナ禍を乗り越え、全業種で黒字化 資源価格の高騰で先行きに不透明感も
資源価格の高騰で先行きに不透明感も 最新決算を踏まえて四季報が全社の業績を独自に予想 3月期決算会社の2022年3月期本決算が出そろいました。
株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、 代表取締役社長:駒橋憲一)では、 業界担当記者が決算発表を受けて取材を行い、 全上場会社について独自に今期、
来期の業績予想を見直しました。
四季報予想を集計した結果、 今期(22年4月期~23年3月期、 対象3523社)の予想営業利益は、 全産業で16.4%増加する見通しとなりました。
業種別では空運業が3期ぶりの黒字化を見込み、 鉄道大手を中心に陸運業も3.8倍と大きく伸びる見通しです。 空運業の黒字回復によって、 31業種(銀行業、
保険業を除く)のいずれも営業黒字となります。 また、 情報・通信業は前期大赤字だったソフトバンクグループが黒字化し、 営業利益が2.2倍に急改善します。
製造業では電気機器や機械が連続2桁増益の予想です。 世界的な半導体需要の高まりを受けて、 半導体製造装置メーカーなどの好調が続いています。
一方で前期に資源相場上昇の恩恵が大きかった鉄鋼や非鉄金属、 石油・石炭製品は減益となる見通しです。
4月に新区分へと移行した市場別に見ますと、 東証プライム・名証プレミアの企業は16.4%の営業増益です。 これに対して、
DX(デジタルトランスフォーメーション)を手がけて業績を伸ばす企業が多い東証グロース・名証ネクストの新興市場は33.6%増の見通しです。
コロナ禍の緩和による経済活動の活発化で、 業績に好影響がある企業が多く出ています。 その一方で、 ロシアのウクライナ侵攻もあって資源価格が上昇し、
製造業などでは製品への価格転嫁の進み具合が業績に影響する企業も見られます。 外国為替市場での急速な円安ドル高も、 輸出企業には追い風ですが、
原材料や部材を輸入する企業にとっては痛手となります。
(注)業種別、 市場別業績集計の算出方法
『会社四季報 2022 年3 集』掲載会社で、 今期・来期の予想および実績2期分がある企業の業績を集計。 実績・予想とも連結決算の数値を優先。 ただし、
決算期変 更企業、 連結決算方式変更企業、 上場企業の子会社は除く。 銀行、 保険の営業利益は集計していない。
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