微細藻類ユーグレナの継続的な摂取により、加齢に伴う記憶力の低下を抑制することを示唆する研究結果を発表しました
代表取締役社長:出雲充)は、 至学館大学の多田敬典教授および、 福井大学の徳永暁憲准教授との共同研究により、 微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、
以下「ユーグレナ」)の継続的な摂取が、 老齢マウスを用いた検証で、 加齢に伴う記憶力の低下を抑えることを示唆する研究結果を発表しました。 なお、
今回の研究成果は、 「第22回日本抗加齢医学会総会」(2022年6月17~19日開催)で発表しました。 ■研究の目的
健康寿命は、 WHO(世界保健機関)によって提唱された健康指標で、 平均寿命から認知症や寝たきりなど介護状態にある期間を差し引いた期間のことで、
心身ともに自立し、 健康的に生活ができる期間のことを示します。 健康寿命と平均寿命の差、 すなわち日常生活に制限のある「不健康な期間」は、
日本では男性が約9年、 女性が約12年あるとされています※1。 年々、 平均寿命は延びていますが、 この「不健康な期間」を極力短縮し、
健康寿命を延ばすことが課題となっています。
加齢に伴う記憶力の低下※2は,認知症の発症の予兆であると考えられており、 高齢者において記憶力の低下を抑えることは,認知症の発症予防につながる可能性があります。
当社ではこれまでに、 ユーグレナを継続的に摂取することにより、 機敏さや、 心の健康を維持できる可能性※2、
アルツハイマー型認知症患者では量が減少することが知られている神経栄養因子(BDNF)を上昇させる可能性※3、 ユーグレナが腸管内の神経細胞に作用する可能性※4,
5などを報告しています。
本研究は、 老齢マウスを用いて、 ユーグレナの継続的な摂取による、 加齢に伴う記憶力の低下に対する影響について検討しました。
※1 第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料
※2 軽度認知機能障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)とも言う。 本人や家族から記憶障害の訴えはあるものの、
全般的な認知機能は正常であり認知症は認めない状態を指す。
※3 2019年5月28日のリリース
https://www.euglena.jp/news/20190528/
※4 2020年3月30日のリリース
https://www.euglena.jp/news/20200330/
※5 2020年8月14日のリリース
https://www.euglena.jp/news/20200814-2/
■研究の内容と結果
ユーグレナの継続的な摂取が、 老齢マウスの記憶力の低下を抑制することが示唆されました
通常食飼育した老齢マウス(20ヶ月齢以上)では、 通常食飼育した若齢マウス(3ヶ月齢)と比較して、 Y字型迷路試験※6において、
空間認知記憶が低下しました(図1)。 一方、 ユーグレナを含む餌を2ヶ月間摂取した老齢マウス(20ヶ月齢)を用い、 通常食で飼育した老齢マウスと比較して、
加齢による認知機能の変化を評価したところ、 Y字型迷路試験において、 空間認知正答率が向上しました。 加えて、 ユーグレナの摂取により、
アーム総進入回数を指標とした自発運動量が増加しました(図2)。 これらの結果は、 老齢マウスでのユーグレナの継続的な摂取が、
加齢に伴う記憶力と活動量の低下を抑制したことを示しています。
※6 Y字型迷路は、 空間認知記憶を評価するための実験として、 広く使用されています。 マウスがY字型迷路内を探索するときに、
直前に進入したアームとは異なるアームに入ろうとする習性を利用した試験方法で、 同じアームに入ることが多いと、 短期的な記憶力が低下していることを表します。
図1:老齢マウスは空間認知記憶と自発運動量が低下
※対応のないt検定, *p<0.05, **p<0.01 老齢マウス vs. 若齢マウス
図2: ユーグレナの継続摂取による老齢マウスの空間認知記憶と自発運動量への影響
※対応のないt検定, *p<0.05, **p<0.01 ユーグレナ vs. 通常食
以上の老齢マウスを用いた検証により、 ユーグレナの継続的な摂取が、 加齢に伴う記憶力の低下を抑制する可能性が示されました。
当社では、 からだが本来もつ「つくる・はたらく・まもる」のサイクルを支えるユーグレナの可能性のさらなる解明と、 ユーグレナおよびその含有成分の健康食品、
医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、 研究開発を行っていきます。
<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
石垣島ユーグレナは、 ワカメや昆布、 クロレラと同じ藻の一種で、 動物と植物の両方の特徴を持っており、 ビタミン、 ミネラル、 アミノ酸、
不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。 なお、 ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、
近年機能性についての研究が進み、 食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。 微細藻類ユーグレナ、 クロレラなどを活用した食品、
化粧品等の開発・販売のほか、 バイオ燃料の製造開発、 遺伝子解析サービスの提供を行っています。 また、
2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。
「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、 事業を展開。
以上
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません