子どもたちが安心して診察を受けられるために

~順天堂大学練馬病院が女子美術大学と共同し、院内にヒーリングアートを設置~ 順天堂大学医学部附属練馬病院(院長:児島 邦明)は、

総合小児科外来の診察室ドアや小児病棟の壁に様々なヒーリングアートを設置しました。 来院、 入院する子どもたちが抱える大きな不安を少しでも和らげるために、

ヒーリングアート分野で見識がある女子美術大学の協力を得て、 ヒーリングアート「紙の国のパレード」「動物たちの森のパーティー」を院内に設置しました。

“ヒーリングアート”(癒しの芸術)とは

病院の小児病棟や介護福祉施設を中心に、 アートの設置による、 心の安らぐ空間づくりを目的としたプロジェクトです。 白く無機質な病院の環境を、

アートによって改善していきたいというコンセプトで始められました。 (女子美術大学ヒーリング表現領域より)

■ヒーリングアート設置の背景

順天堂大学練馬病院では、 改修工事を経て小児病棟・総合小児科外来をリニューアルいたしました。 真っ白なドアや壁、 大きな部屋番号は清潔感があり、

明るい印象の建物となりましたが、 小児科のスタッフでは「もっと子どもたちが安心して治療を受けられるような環境にしてあげたい」という想いがありました。 また、

病棟においても、 親に会えないことから子どもたちが抱える不安を解消して、 慣れない入院生活の中で少しでも楽しみを与えてあげたいと考えておりました。 従来の小児科外来

従来の小児科外来

■ヒーリングアートの展開

総合小児科外来 ~紙の国のパレード~

子どもたちがスムーズに診察を受けられるようになってほしいという想いから、 各診察室ドアの目印をかねて、

折り紙風の動物たちがパレードを行っているように見える楽しい世界観を作りました。

各ドアに、 キリン、 ゾウ、 パンダなどが配置され、 どのドアかが子どもでも分かりやすいようにデザインされています。 今にも動き出しそうなカラフルな動物たちが、

怖い場所と思われがちな病院の診察室を親しみやすい場所へと変えてくれました。 診察室に入るのが怖いと思うお子さんでも、

動物たちが待っているドアなら開けてみたくなるかもしれません。

小児病棟 ~動物たちの森のパーティー~

子どもたちが安心して治療を受けられるよう、 にぎやかで明るく、 そして楽しい「動物たちの森のパーティー」をテーマにしました。

動物たちが森で開かれるパーティーのために、 それぞれが思い思いに準備を始めています。 森を連想させるような水彩の絵の具と色鉛筆の色調で、

動物たちが「ひとりじゃないよ」と語りかけてくるような、 安心できる空間を演出してくれます。

入院生活に不安を覚える子どもたちが少しでも心安らぐ時間を過ごせるように、 動物の仲間たちが応援しています。

■メッセージ

順天堂大学医学部附属練馬病院 小児病棟 藤岡かおり 師長

来院する子どもたちと出会う中で、 一人ひとりの個性や、 未来への可能性を肌で感じながら、 日々業務にあたっております。 病院で過ごす時間が少しでも、

子どもやご家族の癒しの時間になればいいなという思いがあります。

この動物は何?ペンギンさんは何匹いるかな?風船の色は何色?少し大きくなるとペンギンさんはどんな気持ちかな?など…年齢に応じて楽しみ方は様々です。

お出かけが思うようにできないお子様にも、 ヒーリングアートを通して、 美術鑑賞をお楽しみいただければと思います。

スタッフ一同、 皆様の笑顔が輝くことを願っております。

■順天堂と女子美術大学との関係

医療・健康・スポーツの分野に強みを持つ順天堂大学と芸術・癒し・デザインの分野に秀でた女子美術大学は平成27年5月に連携・協力に関する基本協定を締結。

この協定に基づき、 「佐藤志津・小川秀興賞」※を毎年表彰している他、 双方の特長を活かし、

ヒーリングアート・癒し・スポーツメンタルなどを切り口とした様々な分野、 領域での連携協力や、 新たな取り組みに挑戦しています。

※女子美術大学卒業制作作品の中から優れた作品を「佐藤志津・小川秀興賞」として表彰し、 受賞作品はヒーリングアートとして1年間、

本郷・お茶の水キャンパスに展示しています。

 令和3年度受賞作品「呼吸」

令和3年度受賞作品「呼吸」