「どんな肌でも化粧のりがよい」を叶える新パウダージェル技術~なめらかな化粧膜をつくるファンデーションの開発~
仕上がりや使い勝手にそれぞれ特徴があります。 花王は、 パウダータイプのように手軽に肌をカバーでき、 リキッドタイプのようなツヤが欲しいという望みに応えて、
独自のパウダージェル技術を確立しています。 今回、 より軽くなめらかにのびる粉体と低粘度油剤を組み合わせることによって、
肌になめらかに密着する性能がアップした新パウダージェル技術を開発しました。 新パウダージェル技術とは
ファンデーションは粉体と油剤、 水などで構成されており、 油剤に対して粉体の割合が多いと「パウダータイプ」、 少ないと「リキッドタイプ」と分類されます。
パウダータイプは、 粉体同士がつながっているため、 粉体の特性である軽い付け心地やカバー力が発揮され、 リキッドタイプは、 油剤同士がつながっているため、
油剤の特性である潤い感がでます。 パウダージェル技術を用いると、 粉体も油剤もそれぞれ繋がった特殊な構造となり、 双方の特性を両立します(図1)。
通常はこの状態を安定的に維持することが困難ですが、 花王は、 高吸油性粉体を適切に組み合わせることで、 この課題を解決しています。
今回はさらに、 より軽くなめらかにのびる粉体と低粘度油剤を組み合わせることによって、 塗るときの肌への抵抗が少なくなり、
肌の上で平滑な塗膜が形成されることを発見。 これによって、 パウダージェル技術が進化し、 肌になめらかに密着する性能がアップしました。図1.ファンデーション中の粉体と油剤の状態
図1.ファンデーション中の粉体と油剤の状態
肌の状態を選ばずに均一にカバーすることを確認
新パウダージェル技術を用いたファンデーションの付着状態を確認するため※1、 極度に乾燥した肌やキメが粗い状態の肌に塗布して観察しました(図2)。 その結果、
乾燥した肌では、 油分が少ないパウダータイプは角層がめくれた箇所にまとわりつくようにムラになって付着しましたが、
パウダージェルは油分がかさつきを抑えることで均一に付着しました。 一方、 キメが粗い肌では、 粉体が少ないリキッドタイプは深い凹凸に落ち込んでしまいましたが、
パウダージェルは粉体が多いため凹凸に入り込みにくく、 均一に付着しました。 この結果のとおり、 油剤と粉体の両方の特性をパウダージェルは兼ね備えているため、
肌の状態を選ばず、 密着してカバーすることができると考えられます。図2.肌の状態による付着状態(白色部分がファンデーション)
図2.肌の状態による付着状態(白色部分がファンデーション)
さらに、 肌を自然につややかに見せる効果も!
花王が開発した「Kirei肌AI」※2でファンデーションの仕上がりを分析しました(図3)。 すると、 パウダージェルは他に比べて、 “視覚的つや”
が高いことがわかりました。 このつやは、 目視評価の訓練を積んだ「専門判定者」が評価した基準に則っており、 テカリとは違う好ましい光沢を指します。 これは、
新パウダージェルによって密着性の高い平滑な塗膜が肌の上に形成され、 光が反射した結果だと考えられます。図3.「Kirei肌AI」による解析結果
図3.「Kirei肌AI」による解析結果
今回、 パウダータイプの手軽さとリキッドタイプの潤い感を併せ持ち、 どんな肌にもなめらかに密着して、 つややかに仕上げる新パウダージェル技術を開発しました。
この花王独自のユニークな技術をさまざまなベースメイク品に応用することで、 より多くのお客さまのなりたい美しさに寄り添えるよう努めていきます。
なお、 本研究成果の一部は、 色材協会誌7月号に掲載予定です。
※1 粉体と油剤の割合だけを変えたリキッド、 パウダー、 パウダージェルの各プロトタイプのファンデーションを塗布し、 頬の部分をマイクロスコープで拡大して観察。
※2 2021年12月7日 花王ニュースリリース
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2021/20211207-001/
ヒトの感性も学習した独自肌評価AI「Kirei肌AI」を開発 評価の難しい肌のつや感の特徴も精緻に表現
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