明利酒類が約60年ぶりにクラフトウイスキー造りを再開 茨城県水戸市に高藏蒸留所|TAKAZO Distilleryを立ち上げ
茨城県水戸市に高藏蒸留所|TAKAZO Distilleryを立ち上げ 原酒の熟成過程をお客様と楽しむファン参加型の新しい形のウイスキー蒸留所を目指す。
2022.9.27
明利酒類株式会社
江戸時代から続く、 総合酒類メーカーの明利酒類株式会社(本社:茨城県水戸市)は、 2022年9月26日に、
約60年ぶりにウイスキー製造免許通知書を取得いたしました。
当社は、 江戸時代末期の安政年間に、 加藤高藏が新潟県より酒造り杜氏として水戸に入り創業した加藤酒造店が前身であり、 1950年に事業を継承し、
明利酒類株式会社として創立しました。 明利酒類初代代表となった加藤高藏によって、 1952年からウイスキー造りを開始しておりましたが、
工場の火災によって免許を返納し、 以来、 ウイスキー造りを断念しておりました。
この度、 約60年ぶりにウイスキー製造免許通知書を取得しました。 創立時の想いを引き継いで新たな蒸留所を「高藏蒸留所|TAKAZO
Distillery」と名付け、 今月から発酵と蒸留を開始します。 新たに蒸留されるウイスキーは、 来年春以降の販売を計画しております。
◆ウイスキー造りに挑戦する当社の歴史的な背景
明利酒類は創立以来、 原料アルコールの蒸留を行い、 質の高いアルコールを生産するとともに、 清酒酵母を自社で開発培養し、 酒造りに活かしてきました。 また、
自社活用だけではなく、 酒造りに極めて重要な原料であるアルコール&酵母を他社に提供することによって、 全国の酒造会社の酒造りを支えてきました。
それらの経験によって蓄えられた蒸溜と酵母についての知見と技術は、 他社にはない特徴だと自負しております。
創立から70周年を迎え、 以来、 全国240社の酒蔵と、 高い信頼関係の元、 取引をさせていただいております。
◆ウイスキー造りに活きる“発酵”と“蒸留”の知見と技術
当社は、 全国1,000以上の酒蔵の中で、 自社で酵母を開発培養し、 全国の酒造会社に提供している数少ない民間企業になります。
酒の発酵の重要要素である酵母の開発を自社で行い、 様々な酒の発酵過程を分析してきた当社の知見は、 ウイスキーづくりにも活かせると考えています。 さらに、
これまで生産してきた焼酎やジン、 ウォッカなどの蒸留酒の経験も、 今回のウイスキー事業参入の後押しになりました。
総合酒類メーカーとして発酵と蒸留に向き合い続けてきた知見や技術を活かしながら、 ジャパニーズウイスキーの名に恥じないウイスキー造りへ歩みを進めて参ります。
◆新しいウイスキー蒸留所「高藏蒸留所|TAKAZO Distillery」のスタンス
「Transparency&Trustfulness(透明性と信頼)」
当蒸留所では、 当社で蒸留するシングルモルトとスコットランドのモルト原酒等をブレンドし、 当社の様々な樽で後熟したウイスキーの製造を予定しております。
ブレンディッドモルトウイスキーの原酒については、 どのような原酒を入れているか、 なぜその原酒を選んだかなどを開示してまいります。
自社蒸留するシングルモルトに合った原酒を選定し、 ブレンドしていきます。
また、 我々は、 ウイスキーの味だけではなく、 時間による変化もお客様に楽しんでいただきたいと考えております。
「Co-Crestion(共創)」
当社蒸留のシングルモルトについては、 0か月、 6か月、 1年、 1年半、 2年、
3年・・・とジャパニーズウイスキーとして育っていく過程をお客様と一緒に楽しめるようにしたいと考えております。
蒸留所での体験や試飲会などのイベントも考えていきたいと思います。
◆蒸留所・貯蔵庫について
初留・再留の蒸留機には、 内部に銅を組み込み、 硫化物の除去やクリアな仕上がりを目指します。 またマッシュタンは海外で組み立て、 製造テストを行い、
新しく搬入致しました。 麦芽400kgで仕込み、 原酒200Lを得る規模感で、 まさにクラフトウイスキーとして発酵・蒸留を開始いたします。 樽は、
アメリカンホワイトオークのバーボン樽と、 シェリー樽を選定しております。 今後は、 樽のバリエーションを増やしていき、
様々な種類の原酒のブレンドの可能性を追求し続けていきたいと思っています。
◆今後のスケジュール
随時、 9月末から、 大麦麦芽によるモルトウイスキーの製造と、 酒蔵の強みを活かした米原料のグレーンウイスキーの製造を開始いたします。 まずは、
シングルモルトのNewPotの発売、 そしてスコットランドのモルト原酒とブレンドした、 ブレンディッドウイスキーの製造・販売を予定しており、
2023年春ごろに初回のリリースができるよう準備を進めて参ります。
◆常務取締役加藤喬大のコメント
「今から約60年前に、 私たち明利酒類はこの水戸市元吉田の土地でクラフトウイスキーの製造販売をしていました。 そのウイスキーづくりは、 火災により、
道半ばで途絶えてしまっておりましたが、 60年ぶりに再開できる運びになりました。 これまでの歴史の重みと先人たちの息遣いに想いを馳せながら、 今、
社員一丸となってウイスキー事業に取り組んでいます。
まだまだ小さな生産量ですが、 お客様に味とともに熟成の過程そのものを楽しんで頂ける、 新しい形の蒸留所として信頼を積み重ねていきたいと考えています。
この高藏蒸留所から生まれる新しいウイスキーを、 我々も楽しみにしています。 皆様にお届けできる日まで、 もうしばらくお待ちいただけますと幸いです。 」
※明利酒類株式会社について
日本のお酒や食を通じて、 世界中のお客様の豊かな人生に貢献する、 がビジョン。
茨城県水戸の総合酒類メーカー。 江戸時代末期の安政年間に現在地で創業した加藤酒造店が当社の前身。 蒸留酒、 アルコールなどを製造し、 現在は清酒、 焼酎、
リキュール類(梅酒等)、 発酵調味料、 医薬部外品などを造る総合酒類メーカーとなり、 販路も全国へ広がっているほか世界へ向けて輸出も行なっている。
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