医師・看護師が回答!「新型コロナウイルス感染症の拡大による疲労度・年収・待遇の変化」に関するアンケート調査結果発表
~新型コロナウイルス感染症「拡大前・拡大後」において、職種における環境の違いが明らかに~ 2020年から日本は新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされました。
初の緊急事態宣言から2年以上が経過した今、 行動制限の緩和はされているものの、 医療の現場では未だに大変な状況下にあります。
株式会社医師のとも(MRTグループ、 本社:渋谷区、 代表取締役:柳川圭子)では、
医師や看護師の方を対象に「新型コロナウイルス感染症の拡大による疲労度・年収・待遇の変化」に関するアンケートを実施し、 その実態を調査しました。
■調査結果サマリー
1.医師、 看護師ともに「身体的な疲労度」は増加傾向
2.医師、 看護師ともに「精神的な疲労度」は増加傾向
3.医師の年収は変化なし、 看護師の年収は増加傾向
4.医師、 看護師ともに「待遇」は変化なし
【調査概要】
・調査内容:「新型コロナウイルス感染症の拡大による疲労度・年収・待遇の変化」について
・調査対象:「医師」274人 、 「看護師」404人
・調査期間:「医師」2022年9月2日(金)~2022年9月11日(日)
「看護師」2022年9月15日(木)~2022年9月22日(木)
・調査方法:インターネット調査 * 医師、 看護師ともに「身体的な疲労度」は増加傾向
設問:新型コロナウイルス感染症の拡大によって「身体的な疲労度」はどのように変化しましたか
回答結果は、 以下の通りです。
医師・看護師ともに半数近くの方が「新型コロナウイルス感染症拡大後の方がに身体的に疲れている」と回答されておりました。
以下、 回答理由を一部抜粋してご紹介します。
◆回答:拡大前の方が身体的に疲れていた
・会議や学会などがオンライン開催になったことで、 移動する機会が無くなった。 (医師)
・オンライン診療の普及などで、 実際にクリニックに来る患者さんの数が減った。 (医師)
・夫の在宅ワークが増え、 家事育児の負担が少し減った。 (看護師)
・コロナによってオペ件数が減った。 (看護師)
・通勤の時など人が少なくなって楽になることも多かった。 (看護師)
◆回答:身体的疲労度は変わらない
・コロナによって影響を受ける診療科や部署ではないため。 (類似回答多数)
・勤務はやや大変になったが、 学会や講演会がオンライン開催になったことで、 その負担は減ったため、 総合的には変化はない。 (医師)
・いつもどの部署でも人手不足で仕事自体の疲労度はあまり変わらない。 (看護師)
・運動機会は減ったが、 仕事が増えたことで体力がついたため、 総じて変化ないように思うため。 (看護師)
・仕事面では大変になった部分ももちろんあるが、 体調が優れない時に躊躇なく休めるようになり負担が少なくなった面もある。 (看護師)
◆回答:拡大後の方が身体的に疲れている
・コロナワクチン接種、 発熱外来などの感染症対策の業務量が増えた。 (医師)
・発熱外来が、 通常の外来業務を圧迫している。 (医師)
・発熱外来で朝から夜まで食事もできずトイレにも行けず、 夜に診療が終わってからも様々な手続き等の処理で、 なかなか家に帰れない。 (医師)
・炎天下などでのPPE(個人防護具)を着用しての仕事は体力が奪われる。 (看護師)
・常時マスク装着による呼吸苦があった。 (看護師)
・感染や濃厚接触者での、 スタッフの休みが多く常に人手が足りないため。 (看護師)
・コロナ患者が増えたことで、 救急搬送の件数も比例して増えており、 対応に疲れた。 (看護師)
* 医師、 看護師ともに「精神的な疲労度」は増加傾向
■設問:新型コロナウイルス感染症の拡大によって「精神的な疲労度」はどのように変化しましたか
回答結果は、 以下の通りです。
医師・看護師ともに半数近くの方が「新型コロナウイルス感染症拡大後の方がに精神的に疲れている」と回答されておりました。
以下、 回答理由を一部抜粋してご紹介します。
◆回答:拡大前の方が精神的に疲れていた
・オンラインが普及したことで、 程よい距離感が保てるようになり人間関係が良くなった。 (医師)
・不要な会議や飲み会が減ったため。 (医師)
・コロナワクチン接種のバイトに行くようになり、 他で活躍している看護師さん達と意見交換などができるようになった。 (看護師)
・人間関係が必要最低限に絞られたから、 ストレスが減った。 (看護師)
・コロナ関係のお仕事はお給料が良い為、 精神的に余裕ができた。 (看護師)
◆回答:精神的疲労度は変わらない
・コロナによって影響を受ける診療科や部署ではないため。 (類似回答多数)
・コロナ関係なく、 職業柄、 精神的なストレスは常にある。 (医師)
・気を遣うことは多いが、 診療日が減ったことで、 総合的には変わらないと思う。 (看護師)
◆回答:拡大後の方が精神的に疲れている
・旅行や飲み会が制限され、 気分転換ができなくなった。 (医師)
・話の通じない、 都合のいい診断をしてほしくて怒鳴り散らす患者さんが増えた。 (医師)
・発熱外来に従事せざるを得ず、 通常外来の患者さんの診療が思うようにできないため、 歯がゆい思いをしている。 (医師)
・自身は外食すら制限している状況なのに、 お盆の時期にTVで「沖縄の病床使用率100%超」のニュースの直後に
「行動制限のない夏休みで成田空港混雑」といったニュースを見ると気が滅入る。 (医師)
・常勤の安月給で陽性病棟で働くことは身体的よりも精神的にきつかった。 (看護師)
・こんなに頑張っているのに、 報われない仕事だなと改めて実感したから。 (看護師)
・医療従事者だからという理由で外出が制限されても、 一般人は何も変わらずに過ごし感染爆発に至ると苛立ち
を覚えた。 (看護師)
・自宅でも仕事のことを考えるようになってしまい、 プライベートとの境目がわからなくなっている。 休みが休みになっておらず、
休んだとしてもすぐ仕事…という気持ちになる。 (看護師)
* 医師の年収は変化なし、 看護師の年収は増加傾向
■設問:新型コロナウイルス感染症の拡大によって「年収」はどのように変化しましたか
回答結果は、 以下の通りです。
医師は「年収は変わらない」、 看護師は「新型コロナウイルス感染症拡大後の方が年収が高い」という回答が最も多くなりました。
このように異なる回答結果になったのは、 「アルバイト(定期・単発)」が大きく影響しております。
医師や看護師は、 常勤先とは別に、 アルバイトとして複数の勤務先で働く方が多いです。
医師の場合、 新型コロナウイルス感染症拡大によって、 感染防止の観点から常勤先からアルバイトを制限するよう命じられたり、
アルバイト先の診療体制縮小によって勤務回数が減少しました。
しかし、 看護師の場合は、 高額なコロナワクチン接種のアルバイト求人が急増したこともあり、 アルバイトでの収入が増えたことが、 年収増の要因となっております。
以下、 回答理由を一部抜粋してご紹介します。
◆回答:拡大前の方が年収が高かった
・働き方改革の影響で超過勤務を60時間までになるようにして仕事を終わらせざるを得なくなり、 残業時間を減らして仕事をするようになったことで、 残業代は減り、
支給額も減った。 (医師)
・コロナによってアルバイト先が無くなり、 収入が減った。 (医師)
・非常勤で勤務していた訪問看護ステーションで、 訪問を断る方や新規依頼が減ったことで、 仕事が回ってこなくなり退職となった。 (看護師)
・コロナ禍で子供達が不安定になり、 仕事が以前のように入れなくなってしまったため。 (看護師)
・コロナによる外来患者減少によって、 ボーナスが減らされたため。 (看護師)
◆回答:年収は変わらない
・コロナによって影響を受ける診療科や部署ではないため。 (類似回答多数)
・年俸制のため収入は変わらない。 (医師)
・この時期に仕事を減らしたので、 年収は減っているがコストパフォーマンスは同じ。 (医師)
・コロナが蔓延したからといって、 給与が上がるわけではない。 (看護師)
◆回答:拡大後の方が年収が高い
・高額のコロナワクチン接種のアルバイトをするようになったため。 (類似回答多数)
・コロナ対応に伴い、 防疫手当や危険手当などが支給されたため。 (医師)
・ワクチン接種などコロナ関連のアルバイト先の給与が、 常勤先の給与より高いため。 (看護師)
・コロナワクチン接種業務に従事しており、 国からの支援があるので、 収入はやや増加した。 (看護師)
* 医師、 看護師ともに「待遇」は変化なし
■設問:新型コロナウイルス感染症の拡大によって「待遇」はどのように変化しましたか
回答結果は、 以下の通りです。
医師・看護師ともに半数以上の方が「待遇は変わらない」と回答されておりました。
しかし、 「新型コロナウイルス感染症拡大後の方が待遇が良い」と感じている割合は医師が僅か6%だったのに対し、 看護師は28%という結果になりました。
このように回答結果に差が出たのは、 看護師は高額なコロナワクチン接種の求人が多く出たことや、
新型コロナウイルス感染症対応を行うなど一定の役割を果たす医療機関に勤務されている看護師の待遇を見直す動きがあったことが影響しております。
以下、 回答理由を一部抜粋してご紹介します。
◆回答:拡大前の方が待遇が良かった
・コロナ関連の業務や行動制限が増えているのに、 給料は変わらないため。 (医師)
・拡大前の方が勤務にゆとりがあり、 かつ年収が多かった。 (医師)
・経費削減で、 白衣のクリーニング回数の制限や、 職場での給水用の水が中止となった。 (看護師)
・現場で働いてるスタッフには何の恩恵もなく、 コロナで疲弊する一方である。 (看護師)
・感染防止のためのゴーグルやフェイスシードグローブなどの着用が面倒である。 (看護師)
◆回答:待遇は変わらない
・コロナによって影響を受ける診療科や部署ではないため。 (類似回答多数)
・定期的な勤務内容は変わっていない。 (医師)
・仕事の内容は、 感染防止対策以外は変わっていないため。 (医師)
・勤務先には、 コロナに特化した福利厚生などがないため。 (看護師)
・結局、 国も世間も看護師の仕事をボランティアだと思ってるかのように給料はあがらないし、 待遇も良くならない。 (看護師)
・第一波の時には医療者に対する差別も経験したが、 反面、 近所の方々からはマスクなどの寄附、 感謝の言葉をたくさんかけて頂けるなど、 嬉しいこともあった。
(看護師)
◆回答:拡大後の方が待遇が良い
・働き方改革の影響で、 「休める時は休む」、 「帰れる日は早く帰る」というムードができたので、 フレキシブルに休みをとりやすくなった。 (医師)
・コロナ関連の仕事に関してのみ待遇面は良くなった。 (看護師)
・コロナワクチン接種のアルバイトに関しては給料が良いため、 その点においては待遇が良くなったと言える。
常勤先のクリニックについては特に変化はない。 (看護師)
・辞めるスタッフも多く、 人手不足解消のために待遇面が改善された。 (看護師)
* 医師、 看護師の回答まとめ
医師のともでは、 今後も医師・看護師の方を対象としたアンケート調査結果を発信してまいります。
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最後に、 大変なご状況の中、 本調査にご協力いただいた医師・看護師の皆様に感謝の意を述べさせていただきます。
株式会社医師のとも 代表取締役 柳川 圭子
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