50万部突破『言ってはいけない』から6年、最新知見に基づいて”きれいごと社会”の残酷な真実を描く、『バカと無知~人間、この不都合な生きもの』が発売!

「きれいごと」だけでは生きていけない。これが、私たちの本性だ。 作家・橘玲氏の『バカと無知~人間、 この不都合な生きもの』が10月15日、

新潮社より刊行されます。 橘氏は6年前に刊行された『言ってはいけない~残酷すぎる真実』で「2017新書大賞」を受賞しました。 今回も同様に、

世の中の”タブーの森”に分け入って、 「芸能人と正義に関するニュース」がどうして人気コンテンツになるのか? 「三人寄れば文殊の知恵」が実は成立しない理由、

差別はなぜなくならないのか?……などといった様々なテーマを取り上げ、 解き明かして行きます。

著者は《まえがき》で安倍元首相を銃撃し、 死亡させた「41歳の男」に言及し、 大要こんなふうに綴ります。

《男に、 自分が「被害者/善」であり、 元首相が「加害者/悪」だという絶対的な確信があった。 自分は純粋な被害者(善)だという物語をつくろうとしたとき、

その教団とかかわりがあった(とされる)この国でもっとも有名な政治家が、 絶対的な「悪」として立ち上がってきたのではないだろうか。

いったんこの物語に支配されてしまうと、 そこから抜け出すことは不可能だったのだろう。 なぜなら、 その物語こそが「わたし」そのものなのだから》

本書は、 このような「やっかい」な存在であるわたしたちをめぐってのものになります。

たとえば、 昨年の東京五輪の開会式の直前に、 楽曲や演出を担当する著名人らが過去の不適切な行為を指摘され、 辞任や解任などに追い込まれました。

こういった動きは「キャンセルカルチャー」という言葉で知られ、 時を経るごとに過激化しているようです。 その背景にいったい何があるのかについて、

著者は科学的事実をもとに丁寧に説明してくれます(4キャンセルカルチャーという快感)。

現代社会には多くの分断があり、 バグ・ワナが至るところに潜んでおり、 「人間について、 知りたくないけれど、 知っておくべきこと」が無数に横たわっています。

本書は現代社会を生きるうえで、 貴重な参考書として機能することでしょう。

■目次

PARTI 正義は最大の娯楽である

1なんでみんなこんなに怒っているのか/2自分より優れた者は「損失」、

劣った者は「報酬」/3なぜ世界は公正でなければならないのか/4キャンセルカルチャーという快感

PARTII バカと無知

5バカは自分がバカであることに気づいていない/6「知らないことを知らない」という二重の呪い/7民主的な社会がうまくいかない不穏な理由/8バカに引きずられるのを避けるには?/9バカと利口が熟議するという悲劇/10過剰敬語「よろしかったでしょうか?」の秘密/11日本人の3人に1人は日本語が読めない/12投票率は低ければ低いほどいい/13バカでも賢くなれるエンハンスメント2・0の到来

PARTIII やっかいな自尊心

14皇族は「上級国民」/15「子どもは純真」はほんとうか?/16いつも相手より有利でいたい/17非モテ男と高学歴女が対立する理由/18ほめて伸ばそうとすると落第する/19

美男・美女は幸福じゃない/20自尊心が打ち砕かれたとき/21日本人の潜在的自尊心は高かった/22自尊心は「勘違い力」/23 善意の名を借りたマウンティング/24

進化論的なフェミニズム

PARTIV 「差別と偏見」の迷宮

25無意識の差別を計測する/26誰もが偏見をもっている/27差別はなぜあるか?/28「偏見」のなかには正しいものもある?/29「ピグマリオン効果」は存在しない?/30強く願うと夢はかなわなくなる/31ベンツに乗ると一時停止しなくなるのはなぜ?/32「信頼」の裏に刻印された「服従」の文字/33道徳の「貯金」ができると差別的になる/34「偏見をもつな」という教育が偏見を強める/35共同体のあたたかさは排除から生まれる/36愛は世界を救わない

PARTV すべての記憶は「偽物」である

37トラウマ治療が生み出した冤罪の山/38アメリカが妄想にとりつかれる理由/39トラウマとPTSDのやっかいな関係/40「トラウマから解放された私」とは?

付論1 PTSDをめぐる短い歴史

付論2 トラウマは原因なのか、 それとも結果なのか?

■著者コメント

人間というのはものすごくやっかいな存在だが、 それでも希望がないわけではない。 一人でも多くのひとが、

本書で述べたような「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、 自らの言動に多少の注意を払うようになれば、 もうすこし生きやすい社会になるのでないだろうか。

自戒の念をこめて記しておきたい。 (「あとがき」より抜粋)

■著者紹介橘玲(たちばな・あきら)

1959年生まれ。 作家。 2002年、 金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部超のベストセラーに。

『永遠の旅行者』は第19回山本周五郎賞候補となり、 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞を受賞。

■書籍データ

【タイトル】バカと無知 人間、 この不都合な生きもの

【著者】橘玲

【発売日】2022年10月15日

【造本】新書版

【本体定価】968円(税込)

【ISBN】978-4106109683

【URL】

https://www.shinchosha.co.jp/book/610968/