エプソンとのパートナーシップ締結デジタル捺染技術による、環境負荷を抑えた新たな衣服作りに着手

エプソンとのパートナーシップ締結デジタル捺染技術による、環境負荷を抑えた新たな衣服作りに着手

世界各地の衣服廃棄物にエプソンの技術を用いて新たなコレクションを作り上げるプロジェクトも進行中。その過程を記録したドキュメンタリー映画も取り組みの一つとして共に制作します。

この度、 YUIMA NAKAZATOは、 セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)と、 環境負荷を低減させながら、

一人ひとりの多様なニーズに応える高品質な衣服づくりを可能にするための技術研究や仕組みづくりを通し、

ファッション業界の様々な課題解決への貢献を目指すパートナーシップを締結いたしました。

本パートナーシップの目的

エプソンのデジタル捺染技術は、 精細なグラデーションや微妙な色調の再現が可能であり、 刷版を必要としないため小ロット短納期の生産に適しているほか、 水やインク、

化学物質の使用量を大きく削減し環境負荷を低減することが可能です。

本パートナーシップでは、 ファッション産業における衣服の生産工程での環境負荷を低減することや、 大量に同じデザインを供給する従来の方法からの脱却を目指し、

YUIMA NAKAZATOが設立当初から追求してきた「全ての人に一点ものの衣服を」というビジョンに通ずる、

一人ひとり異なる個性を尊重した多様なデザインを提供可能にする最適生産の実装、 そして未来のファッション、

衣服づくりに向けたテクノロジーの共同開発を目的とした様々な取り組みを共に進めてまいります。

本パートナーシップの取り組み

<短期的な取り組み> * YUIMA NAKAZATOのクリエーション、 その表現力のさらなる深化の実現

エプソンには2021年より、 オートクチュールウィークで発表しているYUIMA NAKAZATOのコレクションにて衣装表現をサポートいただいております。

エプソンのソリューションセンター富士見を活用し、 シルクオーガンジーなど印刷難易度の高い極薄の生地へも印刷が可能になったことで、 素材の選択肢も格段に広がり、

また、 中里がデッサンした繊細なタッチや濃淡をプリントで再現いただき、 デザインサイズの制約も取り除いていただいたことで、

クオリティをより追求した作品の発表へと繋げていただきました。 今後も、 エプソンのインクジェット技術を用いることで、 新しい衣服の可能性を開拓し、

表現性をより深め、 広げていくための取り組みを進めます。 * 環境負荷を低減させた生産工程と衣服の表現性との両立の実現

コレクションの衣服制作では、 デジタル捺染技術を活用することで、 水資源保全、 適量生産、 クリーンな生産工程を実現しています。 また、

捺染の後工程で行われる「蒸し」や「洗い」といった工程を必要としない顔料インクを採用しており、 これによって水の使用量を削減することと、 YUIMA

NAKAZATOが目指す繊細で表情豊かなプリントの再現性との両立が可能になりました。 デジタル捺染の特徴を活かし、

環境性と表現性の両立させた新しい衣服作りを発信してまいります。 * 適時、 適量、 適地生産の実現

デジタル捺染 は短納期・在庫レスを実現し、 多様なニーズに応えた1着からの生産や、 生活者に近い場所での生産を可能にします。

この生産方法をエプソンとともに実証実験を行いながら推進し、 生産から販売までの工程で無駄を出さない最適なバリューチェーンを検証してまいります。

<中長期的な取り組み>

・ 衣服の制作から空間制作まで、 エプソンの技術を用いて総合的にサポートいただくことで、

YUIMA NAKAZATOの表現性、 クリエーションのさらなる深化、 革新を目指します。

・新素材生地とデジタル捺染を融合し、 新しい衣服づくりの可能性に挑戦します。

・エプソンのドライファイバーテクノロジー(*1)を活用し、 コレクション会場の空間制作で使用した紙の彫刻(造作)を再生して別用途で使用するための研究や、

さらには繊維の再生についても研究を行い、 循環型サプライチェーンの可能性を検討します。

ドキュメンタリー映画の制作

アフリカや南米など、 世界中の至る場所に不法投棄された衣服の廃棄物の山を、 中里自らが取材し、

一部を次回のコレクションに活用しパリファッションウィークで発表することを目指し、

またその過程を記録したドキュメンタリー映画を制作して国際的な場で発信することで、

ファッション業界だけでなく一般の生活者の方々が今まさに起きている問題を身近に感じることができ、 それに対してファッションに携わる者として何かできるのか、

微力ながらもYUIMA NAKAZATOならではのアプローチを広く提示し、 未来を変える一助にしていきたいと考えています。 こちらもエプソンが協賛し、

かつ回収した衣服廃棄物を素材として、 新しい価値を生むために同デジタル捺染技術を活用していく計画です。 監督には、

社会問題と向き合う活動や作品を数多く発表する関根光才氏を迎え、 完成は来年の1月を予定しています。

映画監督:関根 光才

映像ディレクター、 映画監督。 映画、 広告、 アートなど多岐のジャンルにわたる作品を制作する中、 社会活動も精力的に行なっており、

国連UNHCR協会との共同制作や、 多くの俳優やミュージシャン、 文化人と投票を呼びかけたVOICE PROJECTの発起人としても知られる。

本パートナーシップの目指す姿

YUIMA NAKAZATOとエプソンは、 YUIMA NAKAZATOが掲げる「全ての人に1点ものがもたらす喜びを」というコンセプトのもと、

共に環境負荷を低減させながら、 一人ひとりの多様なニーズに応える表現性豊かで高品質な衣服づくりを可能にする技術やプロセス、 仕組みの提供により、

ファッション業界におけるイノベーション、 バリューチェーンの実現を目指してまいります。

(*1) 多様な素材を繊維化し高機能化するエプソン独自の技術。 詳細はエプソンのホームページをご確認ください。

https://www.epson.jp/prod/smartcycle/dft.htm

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