真和上がもたらした漢方薬が現代日本の体系化された漢方薬処方の源流!
国立大学法人岡山大学
<発表のポイント> * 奈良時代に唐から来日した鑑真和上は日本に戒律を伝えるとともに、 漢方薬をもたらしました。
*
984年(平安時代)に編纂された現存する日本最古の医学書「医心方」に鑑真和上がもたらした漢方処方の一部は収載されていますが全容は不明でした。
* 劉詩卉博士が見つけた現代中国の廃版書籍「三宝問世(鑑真秘伝三宝)」に鑑真和上が日本にもたらした漢方薬の全容が記載されており、
その著者「雷雨田」は、 鑑真和上が日本にもたらした漢方薬と同じセットの現物(鑑上人密方)を代々受け継いできた52世です。
* 現代日本で健康保険の中で承認されている漢方薬は、 鑑真和上がもたらした漢方薬に源流があることを改めて示しています。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、 学長:槇野博史)の学術研究院ヘルスシステム統合科学学域(医)生体機能再生再建医学分野(眼科)の松尾俊彦教授、
劉詩卉特任助教(現在は上海交通大学医学院眼科医師)、 同大学院ヘルスシステム統合科学研究科の松尾智江客員研究員、
同学術研究院医歯薬学域(薬)精密有機合成化学分野の阿部匠講師は、 奈良時代に鑑真和上が唐から日本にもたらした漢方薬の詳細を明らかにして、
その漢方薬についての総説を発表しました。
世界に類を見ない日本の特徴として、 現代日本では同じ保険診療でいわゆる西洋薬と漢方薬を同時に処方することができます。 また、
一般用医薬品として漢方薬を薬局で購入することもできます。 日本のこのように整理され体系化された漢方処方の源流は、
鑑真和上がもたらした漢方薬にあることが分かります。
本研究成果は、 2022年10月11日、 スイスの化合物専門誌「Compounds」に掲載されました。
今後、 漢方薬の中から新たに有用な成分がみつかり新薬が開発されていくことが期待されます。
図1. 日本の薬局で売られている漢方薬に含まれる素材の一例(岡山市北区のイオン薬局のご厚意による)
図1. 日本の薬局で売られている漢方薬に含まれる素材の一例(岡山市北区のイオン薬局のご厚意による)
図2. 鑑真和上が日本にもたらした漢方処方の全容を記載した現代中国の廃版書籍「三宝問世(鑑真秘伝三宝)」の表紙。
著者は鑑真和上が日本にもたらした漢方薬のセットと同じ現物を代々受け継いできた52世の雷雨田(Lei Yutian)
図2. 鑑真和上が日本にもたらした漢方処方の全容を記載した現代中国の廃版書籍「三宝問世(鑑真秘伝三宝)」の表紙。
著者は鑑真和上が日本にもたらした漢方薬のセットと同じ現物を代々受け継いできた52世の雷雨田(Lei Yutian)
◆研究者からひとこと
現在は上海交通大学医学院の眼科医として勤務する劉詩卉(Liu Shihui)博士が岡山大学在任中に探し出した研究テーマです。
劉さんは鑑真和上と同じ中国揚州の出身で、 その縁で鑑真和上の漢方薬に興味を持ち、 鑑真の漢方処方の現物を代々受け継ぐ方と連絡を取り、 廃版書籍を手に入れました。
そこには鑑真和上のもたらした漢方薬が記載され、 現代日本の漢方薬とほぼ同じであることが分かり驚きました。
薬学部の有機化学の専門家の阿部匠先生と共同で総説を発表でき、 今後の研究展開が楽しみです。
劉詩卉特任助教(現 上海交通大学医学院眼科医師)、
松尾俊彦教授、
阿部匠講師(左より)
劉詩卉特任助教(現 上海交通大学医学院眼科医師)、 松尾俊彦教授、 阿部匠講師(左より)
◆論文情報
論文名: Traditional Chinese Medicines and Prescriptions Brought from China to Japan
by a Monk (Jianzhen, Japanese: Ganjin) : A Historical Review
掲載誌: Compounds2022;2:267-284.
著 者: Shihui Liu, Toshihiko Matsuo, Chie Matsuo, Takumi Abe
D O I : doi.org/10.3390/compounds2040022 (registering DOI)
U R L:
https://www.mdpi.com/2673-6918/2/4/22
◆詳しい研究内容について
鑑真和上がもたらした漢方薬が現代日本の体系化された漢方薬処方の源流!
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20221028-5.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
https://www.gisehs.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学薬学部・大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)
https://www.pharm.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)精密有機合成化学研究室
https://sites.google.com/s.okayama-u.ac.jp/pharm-fineorganicsynthesis
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
https://www.mdps.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院 眼科
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index133.html
岡山大学鹿田キャンパス(岡山市北区)
岡山大学鹿田キャンパス(岡山市北区)
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域(医)(岡山大学病院眼科)教授 松尾俊彦
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
E-mail:matsuot◎cc.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
http://okayama-u-opth.jp/index.html
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(薬)講師 阿部 匠
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 薬学部2号館
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
岡山大学Image Movie (YouTube):
「岡大TV」(YouTube):
https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年10月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000905.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、 国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html国立大学法人岡山大学は、
国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。
また、
政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています
国立大学法人岡山大学は、 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。 また、 政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています
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