働くZ世代の“時感”意識

時に関する日常語。Z世代はどんな感覚? シチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市、 社長:佐藤敏彦)では、 全国のZ世代400人を対象に、

“時間感覚”についてアンケートを実施しました。

“時”に関する日常語には、 どのくらいの時間や時刻を指すのか、 人によって捉え方、 感じ方の異なる曖昧な言葉が種々あります。 特に近年は、

デジタル化の急速な進展、 SNSコミュニケーションの発達、 働き方の多様化などで、 時間の使い方にも変化が見られます。

辞書で示されるような本来の意味とは違う感じ方をしている言葉もあり、 Z世代には意味が通じない「死語」になりつつある言葉もあるようです。 そのような時代において、

変化の時代の主役として注目を集めるZ世代はどのような“時間感覚”を持っているのでしょうか。 “時間語”の受け止め方を通して探ってみました。

シチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市、社長:佐藤敏彦)では、全国のZ世代400人を対象に、“時間感覚”についてアンケートを実施しました。

“時”に関する日常語には、どのくらいの時間や時刻を指すのか、人によって捉え方、感じ方の異なる曖昧な言葉が種々あります。特に近年は、デジタル化の急速な進展、SNSコミュニケーションの発達、働き方の多様化などで、時間の使い方にも変化が見られます。辞書で示されるような本来の意味とは違う感じ方をしている言葉もあり、Z世代には意味が通じない「死語」になりつつある言葉もあるようです。そのような時代において、変化の時代の主役として注目を集めるZ世代はどのような“時間感覚”を持っているのでしょうか。“時間語”の受け止め方を通して探って

みました。

【 調査概要 】

◆調 査 期 間 2022年11月1日~2日

◆調 査 方 法 インターネットによる調査

(当社作成の設問シートに従って、インターネット調査会社を通じてサンプリング・集計。)

◆調 査 対 象 全国の18歳~26歳(Z世代)の給与所得者400人(男女各200人)

※本調査では1996年以降生まれをZ世代と定義し、

この内18歳~26歳を対象に調査を実施しました。

※文中・表内の百分率(パーセント)の数値は小数点第2位を四捨五入しています。

そのため、合計が100%にならない場合があります。 * ≪サマリー≫

■日常語の“時感”

1.「未 明」 ——-2時少し前から6時半頃まで(1:58~6:33)

2.「早 朝」 ——-4時20分頃から7時近くまで(4:19~6:49)

3.「昼下がり」 ——-13時から15時半頃まで(13:03~15:34)

4.「宵の口」 ——-17時過ぎから19時半頃まで(17:10~19:39)

5.「真夜中」 ——-23時半頃から午前3時近くまで(23:34~2:46)

6.「夜更かし」 ——-午前1時を過ぎて起きていること (1:03以降)

7.「午前様」 ——5時過ぎ以降の帰宅、Z世代には死語に?(5:11以降)

■ビジネス行動での“時感”

◆電話対応の目安は?

・「(電話で)ちょっとお待ちください」―― 待たせても30秒~1分以内

・「折り返しお電話します」―― 遅くとも10分以内に

・「(電話が込み合っています)しばらく経ってからおかけ直しください」――5分~10分後にかけ直す

◆よく使うあの一言の、時間の目安は?

・「なるはやでお願いします」――5分~30分と捉え方に幅。仕事で使うには注意

・「すぐ処理」――できれば10分以内、遅くとも30分以内に

・「さくっと(終わらせます)」―― 気持よく仕事が片付くのは30分以内

◆時間の使い方を有効に!

・「ちょっと打ち合わせ」―― 30分以内で

・「じっくり打ち合わせ」―― 約1時間が目安

・「一服する(一休み)」―― 気分転換は5分~10分

・「ちょっと一杯」――Z世代は「1時間」が目安

■四字熟語の“時感”

・「十年一昔」―― Z世代は「5~6年」が一昔

* ≪日常会話での「時に関する言葉」≫

問1: 下記の時に関する言葉について、「何時ごろ」を指すのか、あなたの感覚でお答えください。

※表の数値は、回答項目(「何時から」、「何時まで」、「何時以降/頃」)それぞれの平均時間です。

1. 未 明→2時少し前から6時半頃まで

始まりの時間、終わりの時間の各平均値を見ますと、「未明」とは1時58分から6時33分までという結果でした。

「未明」は広辞苑によると「夜がまだすっきり明けきらないとき」で、午前3時~日の出までを指すことが多いようです。調査時期(11月1日~2日)の日の出は、東京で6時2分でしたので、夜が明けたころまでを未明と捉えています。

一方、気象庁は0時~3時を「未明」としていますが、調査結果はこちらともズレがあります。

2. 早 朝→4時20分頃から7時近くまで

4時19分から6時49分まで

の2時間半程度を「早朝」と感じています。広辞苑では「あさはやいうち」とあり、気象庁は「夜明けからおよそ1~2時間」と定義しています。これらと比べると、日が昇る前の早い時間から「朝」を感じています。

3.昼下がり→13時から15時半頃まで

13時03分から15時34分までが「昼下がり」の感覚でした。

広辞苑では「正午を少し過ぎた頃。午後2時頃」とありますので、1時間程度、遅くなっています。

4.宵の口 17時過ぎから19時半頃まで

広辞苑では「日が暮れてまもない時」ですが、結果は17時10分~19時39分でした。

調査時期(11月1日~2日)の日の入りは東京で16時45分頃でしたので、17時過ぎは「日が暮れて間もない」頃と言え、宵の始まりを比較的正確に感じていると言えそうです。

ちなみに2013年に実施した同様の調査(※)で、本調査と年齢が近い20代(20歳~29歳)の回答は17時54分~19時31分

でした。9年前の調査であり、対象年齢にもズレがあるので正確な比較はできませんが、当時の年齢の近い人たちよりも、早く「宵」を感じています。

コロナ禍で、自宅で過ごす時間が長くなったり、終業後すぐ帰宅することが多くなったりするなど、生活スタイルの変化で「宵」を感じやすくなったのかもしれません。

※ 「現代人の“時感”調査」(2013年11月発表 /全国の20~50代ビジネスパーソン対象)

5.真夜中→23時半頃から午前3時近くまで

広辞苑では「夜のもっともふけた時。深夜」とありますが、23時34分から2時46分までを「真夜中」と感じるようです。

6.夜更かし→午前1時を過ぎて起きていること

広辞苑では「夜遅くまでおきていること」とあります。

結果は1時03分以降で、午前1時を過ぎて起きていることを「夜更かし」と捉えています。

2013年に実施した同様の調査で20代(20歳~29歳)の回答は、0時28分でしたので、現在のZ世代の方が30分ほど遅くなっています。

7.午前様→5時11分以降の帰宅、Z世代には死語に?

広辞苑では「酒を飲み、また遊び過ごして、帰宅が深夜の12時過ぎになること」ですが、Z世代は5時11分以降

の帰宅を「午前様」としています。“深夜12時過ぎて”というより“朝になってから”とイメージしている人が多く、この言葉を「午前の時間」という意味に取っているのかもしれません。

残業を減らし帰宅を早くする働き方改革やコロナ禍以降の自粛生活などで、夜に「酒を飲み、また遊び過ごす」ことが少なくなったことも影響しているのでしょうか。

Z世代には「午前様」が死語となったようです。

* ≪ビジネス行動での「時に関する言葉」≫

問2:ビジネス行動で使われる下記の言葉は、どのくらいの時間を指すと感じますか?

■電話対応の目安は?

1.(電話で)ちょっとお待ちください → 待たせても30秒~1分以内

電話の「ちょっとお待ちください」は、「30秒」(28.8%)、「1分」(27.3%)、「20秒」(12.5%)の順でした。「30秒まで」では過半数(53.1%)、「1分まで」では8割強(86.9%)となり、待たせても“30秒~1分以内”といったところがZ世代の一般的な感覚です。

逆に言えば、電話の相手を1分以上待たせると「待たされている」と感じる人が多いと言えます。

2.折り返しお電話します →遅くとも10分以内に

ビジネスにおける電話の折り返しは「10分後」(25.5%)、「5分後」(21.8%)が一般的な感覚のようで、遅くとも10分以内に折り返すのが、この世代の一般的な感覚のようです。

一方、「30分」から「1時間後」というスロー感覚の人も3人に1人程度(33.3%)います。

3.(ただ今電話が込み合っています)しばらく経っておかけ直しください

→5分~10分後にかけ直す

電話が混み合っている時にアナウンスされるのが「しばらく経っておかけ直しください」。かけ直すのは「10分後」(19.0%)、「5分後」(16.5%)、「1分後」(13.3%)の順で、平均値は約10分37秒でした。5分~10分後にかけ直すのが一般的な感覚のようです。

■よく使うあの一言の、時間の目安は?

問3:ビジネス行動で使われる下記の言葉は、どのくらいの時間を指すと感じますか?

1.なるはやでお願いします→5分~30分と捉え方に幅。仕事で使うには注意

「なるべく早く」を省略した「なるはや」。依頼事を早めの対応でお願いするときに耳にする言葉です。「10分」(24.0%)、「5分」(21.5%)、「30分」(20.0%)の順ですが、同じ2割台で差はなく、3つに分かれた格好です。

「5分」~「30分」と幅があり、人によって時間の感覚が異なる言葉と言えます。平均値は32分ですので、目安は30分以内というところですが、ビジネス上で使うときには注意が必要な言葉と言えるでしょう。

2.すぐ処理します → できれば10分以内、遅くとも30分以内に

「5分」(37.3%)、「10分」(22.8%)、「30分」(18.5%)の順でした。「10分以内」は6割(60.1%)、「30分以内」は8割超(86.9%)となりますので、できれば“10分”、遅くとも“30分以内”というのがひとつの目安のようです。

3.さくっと(終わらせます) →気持よく仕事が片付くのは30分以内

「さくっと」は、「軽めに」、「テキパキと」などの意味がありますが、時間として捉えるとどのくらいなのでしょうか。結果は「5分」(32.3%)、「10分」(25.0%)、「30分」(17.3%)の順でした。「10分以内」で6割近く(57.3%)、「30分以内」では8割超(84.4%)に達します。

広辞苑では、「ものごとが気持ちよく、あっさり片付くさま」とあります。気持よく仕事を片付けられる時間は30分以内と言えます。

4.ちょっと打ち合わせ → 30分以内で

「ちょっと打ち合わせ」は、「30分」(31.3%)、「10分」(25.5%)、「20分」(18.5%)の順で、30分以内が目安のようです。ちなみに全体の平均値では約27分でした。

5.じっくり打ち合わせ → 約1時間が目安

一方「じっくり」は、半数近くが「1時間」(48.0%)と回答、次いで「2時間」(15.0%)でした。“じっくり”となると、1時間が目安のようです。平均値は約1時間13分でした。

6.一服する(一休み) → 気分転換は5分~10分

仕事時間中の気分転換でよく言う「一服する」は、「10分」(46.3%)が最も多く、次いで「5分」(25.0%)でした。10分程度というのが目安のようです。

7.ちょっと一杯 → Z世代は「1時間」が目安

勤め帰りの「ちょっと一杯」。「1時間」(35.1%)が最も多く、次いで「2時間」(15.0%)、「1時間30分」(14.3%)でした。一方で1時間未満(5分~50分)という人も3割程度(32.4%)おり、平均時間は約1時間6分でした。

ちなみに、2013年に20代~50代を対象に行った同様の調査で、20代の平均時間は1時間33分でしたので、約30分短くなっています。コロナ禍で飲む機会が少なくなったという事情もありますが、Z世代の「ちょっと一杯」は約1時間というのが目安のようです。

* 時間を表す四字熟語問

問4:「十年一昔」とは、“世の中の移り変わりが激しく、十年も経つと昔のこととなってしまう”という意味の四字熟語ですが、ご自身の感覚では、

何年くらい前を「昔」だと感じますか?

◆「十年一昔」 → Z世代は「5~6年」が一昔

「十年一昔」と言いますが、Z世代は何年くらい前を「昔」と感じるのでしょうか?

従来の意味の「10年」(34.0%)と、半分の「5年」(29.8%)に票が集中。また回答の8割(81.1%)が「5年」~「10年」に集まり、平均値は6.5年でした。Z世代の感覚は、5~6年が経つと「一昔」のようです。

変化のスピードが非常に速いデジタル社会を生きるZ世代ですが、4年以下(半年~4年)の回答が2割弱(19.1%)と少なかったのはやや意外でした。

(以上)