介護は「専門職の手を借りたい」が約8割。一方で、“家族・身内でみてあげたい”意向も根強い!?
介護は「専門職の手を借りたい」が約8割。一方で、“家族・身内でみてあげたい”意向も根強い!? “金銭面”や“生活の自由”など課題を解決する介護施設も増加傾向に…
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社 LIFULLのグループ会社であり、 日本最大級の老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護」を運営する株式会社
LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人、 以下「LIFULL senior」)は、
全国30代以上の男女1400名を対象に「介護の実態および意識に関する調査」を2022年12月14日~12月16日に実施しました。
来る2025年には団塊の世代全員が後期高齢者になり、 日本は高齢化の一途をたどっています。 これに伴い、 2024年の介護保険制度改定に向けて、
自己負担割合の拡大などの議論が進んでおり、 漠然とした介護不安を感じている人も多いのではないでしょうか。 老人ホーム検索サイト「LIFULL
介護」には日々多くの入居相談が寄せられますが、 限界までご自宅での生活を続けて来られた方が多く、
介護施設への入居を決めるタイミングに悩まれていたことが伺えます。
そこで、 LIFULL 介護では介護の実態や、 介護に関する意識調査を実施。 施設入居を含む介護サービスの利用意向などを探りました。
■調査サマリー
1. 8割が「専門職の手を借りたい」と回答。介護経験者ほど推奨意向が高い結果に。
「家族だけで行うべき」といった従来の介護イメージから変化あり
2. 介護サービスを利用している人は84.3%。デイサービスと施設入居が二分
3. 介護は「長男の嫁の仕事」という考えも今は昔。「長男」、「長女」の役割に。
4. 介護施設に入居したくない・させたくない理由トップは、自分自身・親ともに「金銭面」
親は「家族・身内でみてあげたい」という気持ちが強く、2位にランクイン
5. 介護施設に入居したくない・させたくない理由、介護経験者/未経験者ごとの特徴
・介護経験者:“介護施設にあまり良いイメージを持てていない”
・未経験者:“サービスを身近に感じられていない”
■「LIFULL 介護」の編集長・小菅秀樹に聞く!最新の介護施設事例
今回の調査では、介護士などの“専門職の手を借りたい”という人が8割以上で、“家族だけ”で介護しなければならない時代は終わったと言えそうです。実際、どのような介護サービスを利用しているかという設問でも、「デイサービス」「施設入居」がともに3割程度と大半を占めており、核家族化が進む現代において、介護を家族だけで完結させるという考えは少なくなってきたと言えます。同様に、介護をする人の代表格が長男の配偶者、いわゆる「長男の嫁」だった時代も終わりを迎え、長男・長女と、被介護者の子どもが介護をするという結果がでました。
ここ10年で、介護を取り巻く環境は大きく変わっています。介護サービスは多様化し、入居型の介護施設も大幅に増加しています。また、共働き世帯も増え、家族の介護が始まっても介護離職はせず、介護サービスを利用して仕事を続けることが一般化してきた事も影響していると考えられます。
また、興味深いのは、入居したくない・させたくない理由として、「金銭面」に次いで自分自身の場合「生活の自由がなくなりそう」なのがネックとなる一方、親の場合は「家族・身内で見てあげたい」という意見が上位にランクインしたことです。家族や身内だけでみてあげたい意向も一定数見受けられ、施設入居の検討が後ろだおれになる一因にもなっているかもしれません。
介護施設入居のネックとして「金銭面」が挙げられていましたが、近年の介護施設は低価格と高価格の二極化が進んでいます。また、課題にも上げられていた「生活の自由がなくなりそう」「生活の質が落ちそう」という声にも応えられる施設が増加しています。
例えば、外出・外泊は自由な施設では、「週末だけ自宅に戻り家族と過ごす」という入居者も珍しくありません。また、カラオケルームや機能訓練室など共有スペースが豊富で、入居者が居室に籠らないように工夫している施設も。サークル活動に積極的な施設では、ピアノ、コーラス、英会話などに初めてチャレンジする入居者もいます。
また、介護施設に入居したくない・させたくない理由の3位に「どの施設が良いかわからない」がランクインしています。いざとなってから、介護施設・サービスの情報を収集する人が多いのですが、近年はサービス付き高齢者住宅など、1人で生活ができなくなってから入居するわけではなく、備えることも視野に入れた施設も増加しています。老人ホームの選び方や、要望に合う介護施設を探すために、「LIFULL介護」では入居相談室や「老人ホームの選び方」を解説した冊子の提供なども行っていますので、是非活用してみてください。
最後に、介護施設に入居したくない・させたくない理由の上位には、介護経験者は“介護施設にあまり良いイメージを持てていない”、介護未経験者は“サービスを身近に感じられていない”との回答も上位に入りました。過去に身内の介護を経験した際に感じた良くない印象や、虐待事件などの報道も要因のひとつとして挙げられるかもしれません。介護施設が急激に増加するなか、差別化を図るため入居者の個別対応を強化したり、サービス品質向上のため職員研修を充実させたりする施設も増えています。
介護施設への入居がご本人の身体状態や、ご家族との関係性にポジティブな影響をもたらすことを、引き続きLIFULL介護では発信していきたいと思います。
▼「老人ホームの選び方」解説冊子の無料プレゼント
▼LIFULL 介護入居相談室
▼LIFULL 介護、初のTVCM放送中
https://www.youtube.com/watch?v=Ps-y9VSBV8g
■「介護の実態および意識に関する調査」
<調査概要>
・名称:「介護の実態および意識に関する調査」
・対象:全国の30代~60代以上の男女1,400人
※介護経験あり 40~60代以上 600人、介護経験なし 30~60代以上 800人(各世代200人) 30代 40代 50代 60代以上 介護経験あり ー
200人 200人 200人 介護経験なし 200人 200人 200人 200人 小計 200人 400人 400人 400人
・期間:2022年12月14日~12月16日
・方法:インターネット調査
調査レポート1【対象:全員】
介護は「専門職の手を借りたい」が約8割。介護経験者ほど推奨意向が高い結果に。
「家族だけで行うべき」といった従来の介護イメージから変化あり
介護に関する考え方について伺いました。「介護士など専門職の手を借りた方がいい」と回答した人は、全体の84.2%。「介護保険サービスを利用した方が良い」と考える人も全体の85.8%と、大半の人が、専門職の手を借りたい、借りた方が良いという結果に。
また、介護に携わったことが“ある人”/“ない人”の意識差を見ると、「介護士など専門職の手を借りた方がいい」91.8%/78.5%(13.3ポイント差)、「介護保険サービスを利用した方が良い」93.7%/80.0%(13.7ポイント差)とそれぞれ約13ポイントの差があることが分かりました。
これは、介護に携わった人の方が、専門職や介護サービスの必要性を認識しているという結果と言えそうです。かつては、家族や身内で介護をすることが当たり前の時代がありましたが、当たり前が変わったと言えるかもしれません。
※介護保険サービスとは、デイサービス、訪問介護、老人ホーム等を指す
調査レポート2【対象:親が要介護者の方】
介護サービスを利用している人は84.3%。デイサービスと施設入居が二分
親の介護をどのように行っているか伺ったところ、デイサービス、訪問介護、施設入居などの“何かしらの介護サービスを利用している人”は全体の84.3%に。内訳は「家族や身内で介護を行っているが、デイサービスも活用している」33.3%、「介護施設などに入居して受けるサービスを活用している」32.4%と、デイサービスと施設入居で二分されるという結果。一方で、「家族や身内で介護を行っている(とくに介護サービスは利用していない)」はわずか9.5%と少数派のようです。多くの人が親の介護を行うにあたり、介護サービスをうまく活用していると言えそうです。
※“何かしらの介護サービスを利用している人”は、全体から「サービスを含めてとくに何も行っていない」「家族や身内で介護を行っている」人を除いた数値
調査レポート3【対象:親が要介護者の方】
介護は「長男の嫁の仕事」という考えも今は昔。「長男」、「長女」の役割に。「長男の嫁」は6位
親の介護を家族のうち、誰がメインで行ったかを伺いました。最も多いのは「長男」が29.1%でトップ。次いで、「長女」20.2%、「親の配偶者」が14.8%、「次女」10.3%、「次男」8.9%という結果。
かつて、親の介護者として筆頭で上げられていたいわゆる「長男の嫁」は8.4%と6番目のランクインとなりました。「長男」がトップであるものの、2番目は「長女」と、生まれ順が早い“長男・長女”の合計値は49.3%と約半数を占めました。「女性だけが担う仕事」とされてきた介護ですが、近年では男女問わず子世代が”いつかは直面する課題”となっているようです。※直接的な介護を行っていない場合でも、手配・検討等をメインで行った人を回答
調査レポート4 【対象:全員】
介護施設に入居したくない・させたくない理由トップは、自分自身・親ともに「金銭面」
次いで、自分自身は“生活の自由”、親は“家族・身内でみてあげたい”と、入居しない理由が異なる
介護施設などに入居して受けるサービスを利用したいか伺いました。自分自身が介護される場合/親の場合、それぞれにおいてに入居サービスを“利用したくない/させたくない”と回答したのは全体の28.9%/24.3%という結果に。
また、それぞれの理由をみると、自分自身/親ともに「金銭面が不安」がトップで、44.9%/38.8%という結果になっています。次いで、自分自身の利用したくない理由は「生活の自由がなさそう(減りそう)」(30.4%)であるのに対し、親は「家族や身内でみてあげたい」(24.4%)が2位にランクイン。自分自身はさておき、親については、“家族・身内でみてあげたい”という気持ちが強いようです。
※“利用したくない/させたくない”は、「どちらかと言えば利用したくない/させたくない」「利用したくない/させたくない」の合計値
調査レポート5 【対象:全員】
介護施設に入居したくない・させたくない理由、介護経験者/未経験者ごとの特徴
・介護経験者:“介護施設にあまり良いイメージを持てていない”
・未経験者:“サービスを身近に感じられていない”
自分自身が介護される場合/親の場合のそれぞれにおいて、介護施設などに入居して受けるサービスを“利用したくない・させたくない”理由を、介護経験者/未経験者で比較しました。
どのカテゴリでも共通して、「金銭面」が理由のトップでした。次いで、自分自身の場合は「生活の自由がなさそう」、親の場合は「家族や身内でみてあげたい」と介護経験による差異はみられませんでした。
それぞれのカテゴリごとの特徴を見てみると、介護経験者は「介護サービスのイメージが良くない」の回答が多く(自分自身:4位、親:5位)、未経験者は少ない(自分自身:8位、親:8位)とランク差がみられました。また、「使い方がよくわからない」については、未経験者が多く回答し(自分自身:4位、親:3位)、介護経験者の回答は少ない(自分自身:ランク外、親:8位)という結果でした。
これらから、介護経験者は、自分でリサーチをして、ある程度の知識を持っているが、“介護施設にあまり良いイメージを持てていない”。未経験者は、そもそもの使い方がわからず、“サービスを身近に感じられていない”という実態が伺えます。
LIFULL 介護基本情報
「 LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹(Kosuge Hideki)
神奈川県横浜市生まれ。老人ホーム・介護施設紹介業で主任相談員として1,500件以上の施設入居相談に対応。入居相談コンタクトセンターの立ち上げ、マネジャーを経て、現在は日本最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL
介護」の編集長。「メディアの力で高齢期の常識を変える」をモットーに、介護系コンテンツの企画・制作、寄稿、セミナー登壇などを行う。
Twitterアカウント:
https://twitter.com/kosugehideki
「LIFULL 介護」(ライフルかいご)について
有料老人ホームや高齢者向け賃貸などの情報を掲載したポータルサイトと電話相談窓口で、高齢者の
住まい探しをお手伝いするサービスです。あらゆる人々が、安心できる高齢期の住まい情報にアクセスできるよう、今後も機能を拡充していきます。
ウェブサイト:https://kaigo.homes.co.jp/
YouTube:
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株式会社LIFULL senior について
「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決する様々な事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム検索サービス「LIFULL
介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。
株式会社LIFULL senior 概要
会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)
所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4
代表取締役:泉 雅人
設立:2015年7月1日
事業内容:
老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営
https://kaigo.homes.co.jp/
遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営
介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営
介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営
https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/
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