サントリー食品インターナショナル株式会社 2023年 国内事業活動方針
■2022年振り返り
■2023年事業活動方針
1.基幹ブランド活動
2.自販機事業活動
3.サステナビリティへの取り組み
■2022年振り返り
昨年の国内清涼飲料市場は、コロナ感染の再拡大はあったものの、制限緩和による行動再開や天候にも恵まれたことで前年を2%程度上回って着地したとみられます。
その中で、当社は「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」、「GREEN
DA・KA・RA」など基幹ブランドのマーケティング活動強化によって、2022年の国内販売数量は前年比106%と総市場以上の伸びを達成しシェアを拡大することができました。
「サントリー天然水」は、引き続き水源にこだわった活動を展開した結果、さらに伸長することができました。ブランド計の販売数量は1億2千万ケースを超え、過去最高を記録した昨年実績を更新し、国内トップの飲料ブランド※1としての地位を確立しています。
※1 年間販売数量において(当社推計)
「BOSS」は、昨年、発売30周年を迎え、“働く人の相棒”として「BOSS」ならではのマーケティング活動を展開しました。
「クラフトボス」はカテゴリー拡大によって新たなファン層を獲得し、濃縮飲料の「カフェベース」は“イエナカ”飲料として定着しています。
「サントリー緑茶
伊右衛門」は、淹れたての緑茶のような緑の水色(すいしょく)と豊かな味わい・香りに一層磨きをかけ、ご好評をいただいています。さらに機能性表示食品の「伊右衛門
濃い味」が好調に推移し大きく伸長しました。
「健康茶」は、昨年発売10年目を迎え、過去最大の刷新をした「伊右衛門 特茶(特定保健用食品)」の伸長に加え、機能性表示食品として新発売した「伊右衛門
濃い味」、「サントリー烏龍茶OTPP」が好調に推移し、22年の健康茶カテゴリーの販売数量は過去最高となりました。
「GREEN
DA・KA・RA」は、昨年発売10周年を迎え、「本体」、「やさしい麦茶」とも中味、パッケージ、コミュニケーションの刷新を図り、活動を強化した結果大きく伸長しました。年間販売数量は過去最高実績を更新しました。
サントリーの清涼飲料水は、2023年も基幹ブランドを中心に、商品開発から飲用時まで品質にこだわった新たな価値の提供と積極的なマーケティング活動を展開し、事業拡大を目指します。
■2023年事業活動方針
2023年もお客様の嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客様の生活に豊かさをお届けするという考え方のもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力し、品質の向上に取り組んでいきます。
1.基幹ブランド活動
引き続き、「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」、「GREEN DA・KA・RA」などの、基幹ブランド強化と「伊右衛門
特茶」をはじめとした健康茶カテゴリーなどの高付加価値商品群による需要創造に取り組みます。
・「サントリー天然水」
「サントリー天然水」は、水源にこだわった、冷たくて清らかな「清冽なおいしさ」という独自のブランド価値を訴求し、国内トップの飲料ブランドとして、引き続き活動を強化していきます。
特に、「サントリー天然水」の本体は、ご好評いただいているコミュニケーションを今年も進化していくほか、昨年新たに体験型施設をオープンした「サントリー天然水
北アルプス
信濃の森工場」が立地する北アルプスを合わせた4つの水源で、「サントリー天然水」のさらなるブランド価値向上を目指すとともに、より一層の安定供給体制の構築を図っていきます。
また果汁入りや無糖炭酸水など「サントリー天然水」ブランドの新たな価値を提案していきます。
・「BOSS」
「BOSS」は、これからも“働く人の相棒”として、あらゆる働き方や世代を超えてさらに愛されるブランドを目指し、新商品の開発および「BOSS」ならではのコミュニケーション、マーケティング活動を通して新たな価値をご提案すべく本年も積極的に展開します。
「クラフトボス」は、今年もコーヒー、紅茶、抹茶ラテなどの多様なラインアップのもと、さまざまな活動を実施していきます。なかでも中核となるコーヒー本体の活動強化と、コーヒーの新たな需要創造に向けた新商品提案により、「BOSS」ブランドのさらなる成長を目指します。ショート缶は、引き続きヘビーユーザーとの絆を強化する施策を展開しつつ、一服の価値を広く提案していきます。また、「ボス
カフェベース」は、“イエナカ(家庭内)”の定着における時短&豊かさニーズにお応えする価値創造をさらに加速すべくマーケティング活動を強化します。
・「伊右衛門」
「サントリー緑茶
伊右衛門」は、淹れたてのような緑・味・香りでご好評いただいている「伊右衛門」本体を軸に、コミュニケーションを積極的に展開し、無糖茶カテゴリーをさらに盛り上げていきます。昨年、機能性表示食品として発売した「伊右衛門
濃い味」や、有糖飲料にチャレンジした「伊右衛門 レモネード」などは、お客様に大変ご好評いただきました。
今年も「伊右衛門」ブランドのさらなる飛躍に向けて、五感に訴える商品づくりやコミュニケーションなど、引き続き新しい価値創造へのチャレンジを続け、緑茶・無糖茶市場を盛り上げていきます。
・「健康茶」
サントリーの健康茶は、人生100年時代を見据え、さまざまな健康課題に合った商品やサービスを展開することで、健康的な生活習慣をサポートしたいと考えています。
昨年ヘルスクレームも新たにした“脂肪を代謝する力を高め、体脂肪を減らすのを助ける”「伊右衛門
特茶(特定保健用食品)」を中心に、豊富なラインアップを活かした“健康茶統合”活動を引き続き展開していくとともに、高付加価値商品としてさらなる健康生活提案を行っていきます。
・「GREEN DA・KA・RA」
「GREEN
DA・KA・RA」本体は、リニューアル後好評いただいている、スポーツドリンクとしての機能感と、果実などの素材を使ったすっきり飲みやすい味わいの両立を強みに、独自の価値を強化していきます。
また同じく昨年に大刷新し好評いただいている「やさしい麦茶」は、体にやさしい素材を使った、すっきり香ばしいおいしさの麦茶として一層進化していくとともに、マーケティング活動にも注力していきます。
【2022年実績・2023年計画(販売数量)】
2.自販機事業活動
自販機市場は、未だコロナ前の市場への戻りが遅れ影響を受けています。その中で当社はブランドを磨き、その魅力をお客様にしっかりとお伝えすることに注力し、新商品の開発や自販機ならではのマーケティング活動を徹底した結果、自販機市場におけるシェアを拡大できたと推測しています。自販機チャネルについては、これまでも既存パーマシンの向上や「社長のおごり自販機」をはじめとしたサービス強化、コスト改善などの構造改革を行い、新時代に向けたビジネスモデルの構築を目指しています。
昨年1月からは、お客様に対する商品・サービスを通じた新しい価値の提供をさらに推進するために、自らが自動販売機等によって直接お客様に価値をお届けする事業と、流通パートナーの皆様と共にお客様に価値をお届けする事業の2つの異なるビジネスモデル毎に組織を再編し、それぞれの特性を活かし当社グループの活動をさらに磨き上げていくべく活動を行っています。2年目の今年は総力を結集しトップラインのさらなる成長を目指していきます。
3.サステナビリティへの取り組み
サントリーグループは、「人と自然と響きあう」という企業理念のもと、自然の恵みに支えられている企業の責務として環境経営を推進し、持続可能な地球環境を次世代に引き継ぐための環境負荷低減活動を行っています。そのために、容器包装の取り組みや水源涵養林として高い機能を持つ森を育てるサントリー「天然水の森」の活動など、さまざまな活動を続けています。
・「ボトルtoボトル」水平リサイクル
サントリーグループは、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、持続可能な社会の実現に向けて、循環型かつ脱炭素社会への変革を強力に先導すべく、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入※2したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発※3するなど、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきました。
2022年は、国内清涼飲料事業における当社全ペットボトル重量のうち、サステナブル素材(リサイクル素材あるいは植物由来素材)比率50%以上を目標にさまざまな活動を行い、年間実績は46%での着地となりました。大幅な販売数量増となった最盛期にリサイクル材の調達が追い付かなかったことなどが影響し目標未達となりましたが、対前年では着実に前進することができました。
2023年は、引き続き「ボトルtoボトル」水平リサイクルを積極的に推進し、また植物由来素材の活用も進めることで、改めて使用する全ペットボトル重量のうち50%以上でサステナブル素材を使用することを目指します。また、啓発活動など消費者の皆さまとのコミュニケーションを強化していきます。
2019年策定の「プラスチック基本方針」で掲げた、“2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標達成と持続可能な社会の実現に向け、引き続き活動を推進していきます。
※2 メカニカルリサイクルとして
※3 協栄産業(株)など4社で共同開発
・「天然水の森」活動と「水育」
サントリーグループでは、水源涵養機能の向上と生物多様性の再生を目的とした活動である「天然水の森」を2003年にスタートさせました。
現在では、15都府県21ヵ所、約12,000ヘクタールにまで拡大し、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養しています。
活動を進めるに当たっては、多様な分野の専門家や地域の皆さまのご協力を得ながら、50年、100年先のビジョンの実現に向け、流域の地下水を育む森づくりを続けています。
さらに、天然水工場の流域を中心に「天然水の森」や地元の小学校において次世代環境教育「水育」を展開するとともに、行政や地域の皆さまと協力して、流域における地下水位など水資源のモニタリングを継続的に取り組んでいます。
これらの活動は、事業活動を展開する世界各地にも広がりつつあります。
昨年1月、サントリー白州工場は、工場周辺流域の持続可能な水利用に関する「Alliance for Water
Stewardship(以下AWS)」認証※4を取得しました。AWS認証は、サントリー天然水
奥大山ブナの森工場が日本で初めて取得し、白州工場の取得は、九州熊本工場に続き、日本で3番目となります。
※4 AWSは、世界自然保護基金(WWF)やThe Nature
Conservancy(TNC)等のNGOと企業が共同で設立した、水のサステナビリティをグローバルに推進するための機関です。AWS認証は、世界中の工場を対象とした持続可能な水利用に関する認証で、水の保全やスチュワードシップ(管理する責任)の推進を目的としています。
以上
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