2023年サントリー(株)ウイスキー事業方針
山崎・白州両蒸溜所の品質向上や蒸溜所魅力訴求強化に100億円規模を投資 ―
2023年、サントリー創業者・鳥井信治郎が山崎の地でウイスキーづくりをはじめて100周年を迎えます。1923年にウイスキーづくりへの挑戦をスタートさせてから、当社は絶えず「ウイスキー文化の創造・発展」「美味品質」に取り組み、ウイスキーの魅力をお伝えするとともに品質向上へ弛まぬ研鑽を続けてきました。
当社の企業理念である「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、“人間の生命(いのち)の輝き”をめざす」ことを体現する事業として、さらなるウイスキー文化の発展と品質向上に取り組みます。また、これからの100年に向けて、常に革新を続け、世界中の人々と自然と共生していくことで、「世界中から愛されるサントリーウイスキー」を目指します。
●2023年ウイスキー事業方針
▼サントリーウイスキー100周年へ向けた取り組み
1.設備投資について
山崎蒸溜所・白州蒸溜所において、さらなる品質向上や蒸溜所魅力訴求の強化を主な目的として、2024年にかけて100億円規模の設備投資を実施します。
〈さらなる品質向上に向けた取り組み〉
さらなる品質向上に向けた取り組みの一環として、仕込や蒸溜工程だけでなく、原料にまで徹底的にこだわる“原酒のつくり込み※1”に挑戦します。
山崎蒸溜所・白州蒸溜所に「フロアモルティング※2」を導入し、さらなる「美味品質」を目指します。
山崎蒸溜所では、「パイロットディスティラリー※3」という小規模蒸溜施設で、1968年より、サントリーウイスキー全体の品質向上に向けた新たな技術開発・原酒のつくり分けに挑戦してきました。今回、直火加熱に加えて電気式加熱も可能な蒸溜釜を導入することで品質向上等の研究を始めるとともに、ウイスキーづくりにおけるチャレンジの象徴として活動していきます。
白州蒸溜所では、原料の一つである「酵母培養プロセス※4」を導入します。原料にまでこだわることで、さらなる「美味品質」の向上を実現します。
※1
ウイスキーの製造工程における「蒸溜」を終えたばかりのニューポット(無色透明な原酒)までの段階においても、よりいっそうの品質向上を目指すこと。原酒の骨格をつくるとともに、長期熟成に耐えられるより品質の高いニューポットづくりを実現する。
※2 大麦をウイスキーの製造に必要な「麦芽」へと変化させる伝統的な製麦工程の一つの方式
※3 山崎蒸溜所の一角にある品質研究・技術開発用の小型蒸溜施設
※4 原料の一つである「酵母」を自社で培養すること。継続的に高品質な「酵母」の調達を目指す。
〈蒸溜所の魅力訴求活動〉
山崎蒸溜所と白州蒸溜所を改修し、2023年秋頃のリニューアルオープンを目指します。“日本の自然・風土に育まれ、つくり手の技によって仕上げられる、日本人ならではの繊細なウイスキーづくり”や、ものづくりの現場である“蒸溜所の魅力”をよりいっそう体感いただける施設を目指します。
2.サントリーウイスキー100周年を記念した限定商品の発売
〈サントリープレミアムハイボール缶〉
これまでウイスキーを支えていただいた皆様に感謝し、またウイスキーの魅力をお伝えしたいとの思いから、「サントリープレミアムハイボール缶」を発売します。第一弾として、ハイボールに合う白州モルト原酒のみを厳選した「サントリープレミアムハイボール〈白州〉350ml缶」を6月6日(火)より数量限定新発売します。
「サントリープレミアムハイボール〈白州〉350ml缶」数量限定新発売:(
https://www.suntory.co.jp/news/article/14315.html参照)
〈サントリーウイスキー100周年記念蒸溜所ラベル〉
サントリーウイスキー100周年を記念し、ものづくりの現場である蒸溜所のデザインをあしらった、2023年限定デザインラベルの「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」「同
12年」「サントリーシングルモルトウイスキー白州」「同
12年」を4月中旬から順次発売します。サントリーウイスキーの未来への思いを蒸溜所のデザインで表現しました。
▼主なマーケティング活動について
▽プレミアムウイスキー
「山崎」「白州」「響」は、蒸溜所起点のコミュニケーション推進やギフト施策等を通じて、品質価値訴求を強化します。ご好評いただいているSUNTORY WORLD
WHISKY「碧Ao」は、“ハイボールのちロック”の飲み方訴求を通じてウイスキーの新たな需要を創造します。
▽「ハイボール」マーケティング活動
“ハイボールを日本のソウルドリンクに”を実現すべく、料飲店に加えて、ご家庭でも楽しんでいただけるよう、「業務用・缶・瓶」の三位一体活動で需要を拡大していきます。
《角瓶》
“業務用・缶”接点を中心にハイボールのおいしさを訴求し続けることで、ウイスキー市場を活性化します。
業務用では、最高品質のハイボールを提供いただく「頂店ハイボール」店活動を推進します。
角ハイボール缶は、さらなる“お店のおいしさ”を目指して、リニューアルを実施しました。非加熱製法※5による爽快な味わいで、よりいっそう「角瓶」由来のコクやレモンの香りを感じられる“お店のおいしさ”をお楽しみいただけます。
「角ハイボール缶」リニューアル新発売:(
https://www.suntory.co.jp/news/article/14301.html参照)
※5 缶詰め後の加熱殺菌を行わない製法。香味変化を防ぎ中味品質が向上する。
《ジムビーム》
「ジムビーム」らしい“開放的で明るい世界観”を強化することで、ブランド価値向上を目指し、ブランドのイメージカラーであるホワイトを強調したデザインにリニューアルしました。
《トリス》
日常的に気軽に飲めるハイボールとして、缶・瓶ともにエントリーを獲得することでブランド成長を図ります。2月にはご好評いただいている「トリスレモンハイ」(缶)のリニューアルを実施することで、トリスらしい気軽に楽しめるおいしいハイボールを訴求します。
「トリスレモンハイ」新発売:(
https://www.suntory.co.jp/news/article/14276.html参照)
▼サントリーウイスキー100年の主な歩み
・1923年 山崎蒸溜所建設に着手
・1929年 本格国産ウイスキー「白札」発売
・1937年 「角瓶」発売
・1946年 「トリスウイスキー」発売
・1950年 「オールド」発売
・1960年 「ローヤル」発売
・1969年 「スペシャルリザーブ」発売
・1972年 サングレイン(株)設立(知多蒸溜所の前身)
・1973年 白州蒸溜所竣工
・1980年代 さらなる品質向上に向け、山崎蒸溜所・白州蒸溜所において大改修を実施
・1984年 「山崎」発売
・1989年 「響」発売
・1994年 「白州」発売
・2003年
世界的な酒類コンペティション「ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)」にて「山崎12年」が初めて金賞を受賞。以降現在に至るまで数多くの酒類コンペティションで最高賞受賞。
・2008年 「角ハイボール」マーケティング活動開始
・2010年 「ISC」にて「ディスティラー オブ ザ イヤー(Distiller of the Year)」を日本企業として初めて受賞
・2014年 米ビーム社の株式を取得し、ポートフォリオの拡充や世界的な販売流通網を獲得
・2022年 「ISC」にて「白州25年」がジャパニーズウイスキー部門最高賞である「トロフィー」を受賞
・2023年 サントリーウイスキー100周年
以上
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