ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート「サクラシー(R)」発売のお知らせ

以下「当社」)は、 ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート「サクラシー(R)」について、 国内での発売を開始いたしましたのでお知らせいたします。

「サクラシー(R)」は、角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減を適応とする指定再生医療等製品として、2022年1月20日に薬事承認を取得しております。今回、保険適用後の実臨床における最初の患者様に対して、「サクラシー(R)」移植に向けての口腔粘膜組織採取が実施されました。

角膜上皮幹細胞疲弊症は、角膜輪部に存在する幹細胞の消失により、正常な角膜上皮の供給が妨げられ、角膜上に結膜組織が進展し、瞼球癒着(眼球とまぶたの癒着)が生じる希少疾病です。従来、このような癒着を伴う眼表面疾患に対しては十分に有効な治療法がありませんでした。「サクラシー(R)」は、患者自身より採取した口腔粘膜上皮細胞を、ヒト羊膜から作製した羊膜基質上に播種・培養して製した口腔粘膜上皮細胞シートです。患者様の眼表面に移植することにより、羊膜の基底膜が強度を持った支持組織として作用することで、口腔粘膜上皮細胞の生着・上皮化が期待できます。その結果、眼表面の高度のドライアイや角化を伴う重症患者に対しても適応可能で、高度の瞼球癒着に対する癒着軽減に用いることが可能です。

「サクラシー(R)」の国内第3相医師主導治験責任者でもある京都府立医科大学大学院医学研究科 視覚機能再生外科学

外園千恵教授は、「『サクラシー(R)』は既存治療では限界があった結膜瘢痕性の癒着を伴う角膜上皮幹細胞疲弊症に対する新たな治療選択肢である。癒着が解除され眼表面が整うことで、その後の視力改善のための治療をさらに組み合わせることも検討できるようになる。」と述べています。

当社はこれまで、「サクラシー(R)」の品質確保と安定供給、及び適正使用推進のための体制を整備してまいりました。今後も「サクラシー(R)」の治療対象となる全ての患者様のQOL向上に資するべく、事業の推進に取り組んで参ります。

【製品概要】

販売名 サクラシー 一般名 ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート 保険収載日 2022年9月1日 保険償還価格

1.培養自己口腔粘膜上皮細胞シートパッケージ 7,940,000 円

2.口腔粘膜組織輸送セット 5,470,000 円 効能・効果又は性能 角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減 使用目的と使用方法

本品は、患者自身より採取した口腔粘膜組織から分離した口腔粘膜上皮細胞をヒト同種羊膜から作製した羊膜基質上に播種・培養して作製したヒト体性幹細胞加工製品である。

角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD)に伴う癒着を有する難治性の眼表面疾患患者の眼表面に移植することにより、口腔粘膜細胞が生着・上皮化し、眼表面の異常を修復することを目的に使用される。

【口腔粘膜上皮細胞シート「サクラシー(R)」の移植】