(共同リリース) 東大生研次世代育成オフィスとJALによる中高生向け教育活動が日本オペレーションズ・リサーチ学会「第48回・普及賞」を受賞

東大生研次世代育成オフィスとJALによる中高生向け教育活動が日本オペレーションズ・リサーチ学会「第48回・普及賞」を受賞

~SDGs観点からのワークショップ実施や動画コンテンツを公開しました~

(共同リリース)

2023年3月9日

国立大学法人 東京大学 生産技術研究所

日本航空株式会社

東京大学 生産技術研究所(以下、「東大生研」)

次世代育成オフィス(以下、「ONG」)と日本航空(以下、「JAL」)は共同で、2016年度より、全国の中高生を対象に、STEAM教育(注1)としての横断的・総合的な学びを促す「飛行機ワークショップ」を継続開催してまいりました。このたび、2020・2021年度を担当した、社会システム工学を専門とする東大生研の本間

裕大

准教授を講師とし、ONGの教員やスタッフ、JALの現役運航乗務員(パイロット)や運航管理者(ディスパッチャー)から構成した企画チームが、日本オペレーションズ・リサーチ(以下、「OR」)(注2)学会

第48回・普及賞を受賞しました。本賞は、「社会における様々な問題を数学的に解決する科学的手法」であるOR分野の普及に大きな貢献をしたグループ等に対して贈られるもので、今回はワークショップそのものに加え、国際会議でのオーガナイズド・セッション(注3)主催、動画コンテンツ化が、OR分野の普及に大きく貢献したと高く評価されました。

ワークショップでは、SDGsの観点から、経済活動と環境保護との両立を主体的に考えてもらうため、持続可能な航空燃料であるSAF(注4)の話題を取り入れたり、参加者に主体的に考えてもらうために、航空機の安全運航と利便性の両立について現役パイロットやディスパッチャーと議論する機会を設けたりと、様々な工夫を凝らしました。また、一連の内容は、国際会議でも発表された他、東大生研ONG

STEAM

STREAM(※)にて動画とExcelシートから成る教材としてもインターネット公開しており、中高生のみならず大学生や社会人にも広く楽しんでいただける内容となっています。

※東京大学 生産技術研究所ONG 映像教材(ONG STEAM STREAM)

「ベストな航空路線をつくってみよう!」

https://ong.iis.u-tokyo.ac.jp/ong-steam-stream/archives/category/2020-02-koukuu

「未来の地球を飛行機で繋いでみよう!」

https://ong.iis.u-tokyo.ac.jp/ong-steam-stream/archives/category/2021-01-airplane

持続可能な社会を実現するためには、私たち一人一人の持つ多様な力が発揮され、新しい価値を創造し続けられることが重要です。そのような社会において主役となる中高生に対して、「社会における正解が一つではないこと、自らが主体的に考え実行することの大切さ」を伝えられたことに、本活動の大きな意義があると考えています。

東大生研ONGとJALは、2023年度以降も、様々なテーマで飛行機ワークショップを継続開催する予定です。これからも、産学が共同して次世代の研究者、技術者を育成する教育活動の新しいモデルを創り出し、推進してまいります。

(注1)STEAM教育

Science, Technology, Engineering, [Liberal-] Art[s],

Mathematicsの略。文系・理系の枠組みを超え、各教科の学習を実社会での問題発見や解決に活かす横断的な教育として注目されています。

(注2)オペレーションズ・リサーチ

意思決定にかかわる様々な問題に対して数理モデルや統計的モデル、アルゴリズムの利用などの数学的なアプローチによって分析し、より効率的かつ適切な解決法を見つける科学的技法。

(注3)オーガナイズド・セッション

学会などで研究者グループが企画、提案し、テーマを定め、そのテーマに関連する発表で構成されたセッション。提案したセッションは学会での審査を経て、開催することができます。

(注4)SAF (Sustainable Aviation Fuel)

植物などのバイオマス由来原料や、日常生活で排出される廃棄物・廃食油などが原料の航空燃料。化石燃料より二酸化炭素の排出量を大幅に削減でき地球にやさしい燃料として注目されています。

JAL

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