フェリング・ファーマ、「世界不妊啓発月間」に保険適用から2年経った不妊治療を行政・医療・当事者の立場から考えるセミナー開催
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フェリング・ファーマ株式会社 プレスリリース:2024年07月26日 報道関係者各位
フェリング・ファーマ、「世界不妊啓発月間」に保険適用から2年経った不妊治療を行政・医療・当事者の立場から考えるセミナー開催
~出生率向上に向けて、不妊治療を取り巻く課題と目指すべき未来について考える~ * フェリング・ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:稲林
実、以下「フェリング・ファーマ」)は、2022年4月に不妊治療の保険適用が開始されて2年が経過することを受け、保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査を実施、さらに調査結果から見えてきた不妊治療を取り巻く課題と目指すべき未来について
行政・医療・当事者の立場から考えるセミナーを6月25日に開催しました。
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患者調査からは、不妊治療の保険適用によって、治療を考えてから妊娠にいたるまでの期間が保険適用前に比べて0.5年短縮し、受診までの経済的、心理的ハードルが下がった傾向が見えた反面、実際に治療を開始すると、事前の想定よりも経済的な負担が大きいことや、職場の理解が得られないこと、また保険適用下の年齢制限、移植回数制限の影響と推察される心理的な負担が、保険適用前に比べて増大していることが伺えました。
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登壇した各演者からは、日本の少子化問題は待ったなしの状況で、不妊治療を経て出生する新生児の割合が全体の1割近くに達しているとの推計もあり、不妊治療の保険制度の一層の拡充とともに、妊孕性については、包括的性教育の中で15歳までに教える必要性が訴えられました。特に本年6月から一般不妊治療でもAMH検査*が保険適用になったことで、AMH検査の一層の普及が期待されています。
*AMH:anti-Müllerian hormone、抗ミュラー管ホルモン■セミナー内容
和田議員より不妊症治療の保険適用化までの道のり、および出産・子育て関連の政府が取り組むべき課題についてお話いただきました。不妊治療における課題として保険適用の年齢や回数制限の見直し、東京都などが助成金の取り組みをしている卵子凍結への国の取り組み、仕事との両立を支援する両立支援等助成金の使用の啓発について挙げ、出産・子育てに関しては出産費用の保険適用化や産後ケアの充実、プレコンセプションケア(AMH検査)、身体についての教育の早期の必要性、卵子凍結、卵子・精子の第三者提供、児童手当の拡充について挙げ、政府は出生率の向上のため、あらゆる政策を駆使していくつもりであるとお話されました。
和田 政宗参議院議員
次に、2024年の診療報酬改定で、AMH測定の一般不妊治療における保険適用化に尽力された絹谷先生からは、不妊症と不妊治療の基礎知識についてお話した後、妊娠を希望する方にとって早めに「自分の妊娠可能な残り時間」を知ることはとても重要で、AMH測定は卵巣予備能を知る良い方法であり、今回の診療報酬改定における保険適用化は少子化対策に繋がる可能性もあるため、広く国民に周知することが重要であるとお話いただきました。
絹谷産婦人科 院長 絹谷 正之先生
石渡先生からは、性別に関係なく加齢とともに妊娠・出産は難しくなるため早期の治療が重要であり、妊孕性については包括的性教育の中で15歳までに教えていくことが必要であるということ、プレコンセプションケアの重要性についてもお話いただきました。また2023年に実施された日本産婦人科医会会員の不妊治療保険適用後の診療内容、診療環境の変化についての調査の結果を受け、医療機関による機能の分担と連携が重要であることをお話されました。
石渡産婦人科病院 院長 石渡 勇先生
最後に野曽原理事長からは不妊治療保険適用化の現状と課題として、保険適用になって65%*の当事者の方が経済的、精神的な理由で治療環境が良くなったと回答した一方で、保険適用の条件・制限の撤廃を求める声は大きいことをお話していただきました。また不妊治療と仕事の両立が難しい現状について、時間的なことに加え職場の理解やサポートの不足が大きな理由であることを説明し、これから子どもを持つことを望むかもしれない人も含め、当事者に正しい情報を提供し、子どもを授かりたいと願う人には正しい知識を得て頂き、納得して選択できる環境を作っていきたいとお話されました。
特定非営利活動法人Fine 野曽原 誉枝理事長*Fine実施「保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022」結果(N=1,828)
■参考:メディアセミナー登壇者略歴和田 政宗参議院議員
昭和49年10月14日、東京都杉並区生まれ。東京都小金井市や香川県高松市で育つ。慶應義塾志木高校を経て、平成9年3月慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同年、日本放送協会(NHK)入局。アナウンサー職。新潟中越地震、中越沖地震、十勝沖地震などの取材を通じ、防災・復興政策を専門とし、様々なニュースレポートや番組を制作。東日本大震災では、発災当日より現地で取材・放送にあたる。防災士。宮城県防災指導員。仙台青年会議所特別会員。
仙台三田会幹事。平成25年3月NHK退職。同年7月参議院議員に初当選。自民党広報本部副本部長、参議院内閣委理事、復興特理事、外交防衛委理事等を歴任。令和元年、国土交通大臣政務官兼内閣府大臣政務官。自民党不妊治療支援拡充議連事務局長
(令和4年11月30日現在)
絹谷 正之先生 絹谷産婦人科 院長日本産科婦人科学会会員日本生殖医学会会員日本受精着床学会会員日本IVF学会会員日本卵子学会代議員
日本生殖補助医療標準化機関(JISART)理事長アメリカ不妊学会(ASRM)会員ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)会員広島県産婦人科医会理事<略歴>1989年
愛媛大学医学部卒業、医師国家試験合格1989年 広島大学医学部産科婦人科学教室入局1997年 山王病院リプロダクションセンター(東京)
井上正人院長のもとで高度生殖補助医療研修、顕微授精修得広島大学医学部産科婦人科助手(体外受精部門担当)
1999年McGill大学医学部産婦人科(カナダ、モントリオール)、Toronto大学Toronto Centre for Advanced
Reproductive Technology (TCART)(カナダ、トロント)、Diamond Institute(アメリカ、ニュージャージー)、Bourn
Hall Clinic(イギリス、ケンブリッジ)にて高度生殖補助医療研修2000年 絹谷産婦人科副院長、博士号(医学、広島大学)取得2002年 絹谷産婦人科院長
石渡 勇先生 石渡産婦人科病院 院長日本産婦人科医会会長日本産科婦人科学会 産婦人科専門医日本臨床細胞学会 細胞診専門医母体保護法指定医Fellow of
International Academy of Cytology (FIAC)Member of International Academy of
Cytology (MIAC)日本産科婦人科学会日本生殖医学会日本受精着床学会日本臨床細胞学会日本周産期・新生児医学会日本婦人科がん検診学会日本癌学会
日本癌治療学会日本ヒト細胞学会<略歴>1971年 慶應義塾大学医学部 卒1977年 石渡産婦人科病院 副院長就任1989年 石渡産婦人科病院 院長就任
野曽原 誉枝様 特定非営利活動法人Fine(ファイン) 理事長
福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年間の不妊治療を経て、2012年12月に男児を出産。自らの不妊治療と仕事の両立での経験、高齢出産の経験から、今の妊活、多様な家族形態を認め合う社会を作るために2013年よりNPO法人Fineに参画、2014年9月同法人理事に就任。主にFine妊活プロジェクト~みらいAction~の推進と企業や自治体向け啓発活動に力を入れている。
<略歴>1990年 東海大学工学部・通信工学科卒業。
日本電気株式会社に入社。コンピュータ関連ソフト開発、販売促進、企画・マーケティング業務に従事し、2012年9月退職。2014年 NPO法人Fine 理事就任。
■保険適用前後における不妊患者の受診行動に関するペイシェントジャーニー調査結果 * 不妊治療の保険適用後、夫婦が子供を持つという決断をしてから妊娠に至るまでの総平均期間が短縮
夫婦が子供を持つという決断をしてから妊娠に至るまでの総平均期間は、保険適用前(2022年2月実施)の6.4年から保険適用後(2024年1月実施)では5.9年に短縮していた。
* 不妊治療の保険適用後、不妊カップルの挙児希望率は向上
保険適用により不妊カップルの挙児希望の思いはより強まり、初回受診後においても積極的に治療開始に進む傾向がみられた。
* 不妊治療に対する職場・雇用者など周囲からの理解やサポートが望まれている
不妊治療において改善の余地があることについて「不妊治療がもたらす感情的な影響について理解すること」を上位2位までに答えた割合が保険適用前後ともに最も多いが、保険適用後は「不妊症や不妊治療が社会にもっと受け入れられること」「職場・雇用者のより良いサポート、理解が得られること」と答える割合が増加しており、より周囲からの理解やサポートが望まれている。
フェリング・ファーマは、日本の不妊治療患者カップルを対象に、「保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査 2>」を実施しました。2022年4月に不妊治療の保険適用が開始されて2年が経過することを受け、妊娠を望むカップルが不妊症の疾患認知から受診、治療までの時系列での行動、心理状況の変化(ペイシェントジャーニー)を調査し、保険適用の前後で患者さんの行動がどう変容したのか、心理的な葛藤や必要としているサポートが保険適用前後でどう変容したのかを明らかにすることを目的として実施したものです。 フェリング・ファーマは同様の調査を2022年2月にも実施しており、今回の調査は不妊治療が保険適用となって以降、ほぼ同じ質問票を用いた初めての調査となっています。 今回の調査で、子どもを持つという決断から妊娠までの平均期間は約5.9年と、前回調査の約6.4年から約6か月短縮されていることが分かりました。一方で、不妊治療後、妊娠に至った患者さんの平均治療期間は保険適用前で約1.9年、保険適用後で約2.5年であり、保険適用後において期間が延長していました。また不妊治療の保険適用が及ぼす影響としては、費用負担が大幅に改善されたと回答した人が約50%で1位でしたが、残りの半数は変化なし、あるいは大幅に悪化したという回答でした。 加えて、不妊治療において改善の余地のあることは何かという質問に対しては、周囲に対して理解やサポートを望むとの回答割合が増え、治療の経済的な負担はもちろん、職場などにおける周囲の理解不足など、依然として課題の残る結果となっています。2024年6月からは一般不妊治療の患者様にもAMH検査が保険適用されるようになるなど行政の対応も進んでいますが、社会全体として妊娠・出産や不妊治療について適切な知識を持つことで不妊症患者の早期受診や適切な治療が促され、不妊治療における妊娠率向上につながると考えられます。 保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査 – 2024年Web定量アンケート-【概要】内容:不妊治療に関する意識調査実施方法: 自己記入式のオンラインアンケート調査調査地域: 日本調査対象: 臨床的に不妊と診断された20~50歳の女性(患者) 113名 パートナーが臨床的に不妊と診断された18歳以上の男性 87名2022年4月時点で不妊治療が終了していない方を対象とする内訳: (1)「検討中」 不妊治療を検討している:44名(2)「IVF*以外」 IVF(体外受精)以外の不妊治療を受けた/受けている:52名(3)「IVF」 IVF(体外受精)を含む不妊治療を受けた/受けている:104名*IVF:in vitro fertilization(体外受精)調査時期: 2024年1月 【結果要旨】調査結果の詳細は別紙をご覧ください * 夫婦が子供を持つという決断をしてから不妊治療により妊娠に至るまでの総平均期間は、保険適用前(2022年2月実施)の6.4年から保険適用後(2024年1月実施)では5.9年に短縮していた。(図1) * 不妊と診断されるまで、不妊と診断されてから治療を開始するまでの期間は短縮した一方で、不妊治療後、妊娠に至った患者の平均治療期間は約1.9年から約2.5年という結果で、保険適用後において期間が延長していた。(図1) * 保険適用により不妊カップルの挙児希望の思いはより強まり、初回受診後においても積極的に治療開始に進む傾向がみられた。(図5) * 不妊治療において改善の余地があることについて「不妊治療がもたらす感情的な影響について理解すること」を上位2位までに答えた割合が保険適用前後ともに最も多いが、保険適用後は「不妊症や不妊治療が社会にもっと受け入れられること」「職場・雇用者のより良いサポート、理解が得られること」と答える割合が増加しており、より周囲からの理解やサポートが望まれている。(図8) * 保険適用前後において不妊治療患者の基礎知識に大きな違いは認められなかったが、AMH値についての問いに対する正答率は32%で、3分の1はAMHを知らなかったと回答。(図12) ペイシャントジャーニーの時系列 図1不妊治療受診検討中カップルの治療開始時期の予定 図2挙児希望(=子どもを持ちたいという願い)の割合 図3保険適用が不妊治療に及ぼす影響 図4不妊治療中に経験する負担やストレス 図5不妊治療においてより望まれること 図6不妊症や不妊治療に関する基礎知識 図7不妊症や不妊治療に関する基礎知識 図8職場の不妊治療における支援状況 図9調査に参加した7割の正社員のうち、職場で不妊治療を支援する企業助成金や休暇制度がある、と答えた回答者の割合は3割であった 職場の不妊治療における支援状況と不妊治療に対する知識 図10職場で不妊治療の支援と、妊孕性や不妊治療に対する社員の知識量には相関がある職場の不妊治療における支援状況と不妊治療に対する行動変容 図11職場での不妊治療の支援と、社員のプレコン受診や卵子凍結の検討とは相関関係がある(調査詳細)「保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査 https://www.ferring.co.jp/media/press-releases/ フェリング・ファーマでは、不妊治療領域のリーディングカンパニーとして、今後も妊娠・出産や不妊症の正しい情報を発信するとともに、妊娠を望むカップルや医療従事者だけではなく、広く社会に対して情報発信を行うことで、妊娠を望むカップルのアクセス向上や日本の生殖医療に貢献していきます。 【参考:2022年調査 実施概要】2022年10月18日プレスリリース内容:不妊治療に関する意識調査実施方法:自己記入式のオンラインアンケート調査 調査地域:日本/韓国/インド/ベトナム/シンガポール/インドネシアの6カ国調査対象(日本): 臨床的に不妊と診断された20~50歳の女性(患者) 117名 パートナーが臨床的に不妊と診断された18歳以上の男性100名内訳:(1)「検討中」 不妊治療を検討している:20名 (2)「IVF以外」IVF(体外受精)以外の不妊治療を受けた/受けている:84名(3)「IVF」 IVF(体外受精)を含む不妊治療を受けた/受けている:113名 調査時期:2022年2月≪フェリング・ファーマ株式会社について≫ フェリング・ファーマ株式会社は、スイスのサンプレに本社を置く1950年設立の非上場企業フェリング・ファーマシューティカルズ社の日本法人として、2001年に設立されました。フェリング・ファーマシューティカルズ社は、ペプチド・ホルモン製剤に強みを持つグローバル研究開発型スペシャリティファーマとして、不妊症と産婦人領域、泌尿器・泌尿器がん領域並びに消化器領域における革新的医薬品の創薬・研究開発・販売により、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しております。同社は、日本を含む約50カ国で事業子会社を所有し、100カ国で製品を販売し、世界で約7,000人の従業員を擁しております。 詳細につきましては、フェリング・ファーマ株式会社ウェブサイト(https://www.ferring.co.jp/)をご参照ください。 [] 当リリースの詳細について https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000144850.html ※このメールは自動送信されていますので、返信はご遠慮ください。
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