訪問先の動物問題に悩む福祉従事者をゼロにしたい
もうこんな動物問題に困らない!「人福祉現場に獣医師を」が合言葉。【業界初】福祉従事者のための動物病院
このプレスリリースは、April Dreamプロジェクトに共感し、4月1日を夢があふれる日にしようとする事業者が、やがて叶えるために発信した夢です。
やまがた不妊去勢クリニック(千葉県茂原市、院長:山形友哉)は、社会福祉現場、特に訪問や居宅型の社会福祉サービス現場で問題となる動物の不適正飼養の解決に挑む動物病院です。
福祉事業者の顧問動物病院として相談窓口となり早期介入・協働によって、福祉従事者の働く環境改善と飼い主の健康福祉向上を目指します。
当院は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「やまがた不妊去勢クリニック」の夢です。
業界初。人福祉×獣医師で新しい解決の形を提唱
なぜ人福祉現場に獣医師が必要か
昨今、社会的孤立や生きづらさなど、福祉の課題と支援ニーズは多様化・複雑化し、これまでの福祉従事者だけでは課題解決が難しいケースが増えています。
2005年の介護保険法改正で『地域包括ケアシステム』という用語が初めて使われ、2021年の社会福祉法改正で『重層的支援体制整備事業』が創設されました。専門職による対人支援において、すべての人びとを対象に、本人と支援者が継続的に関わるための相談支援が重要視されています。
当院は包括的、重層的支援の一端を担うべく官民問わず福祉事業者の相談窓口となります。動物の管理と生活環境の改善を通じて、要支援者本人及び動物の健康福祉向上と福祉事業者の安心安全な職場環境の提供及び業務専念に貢献します。
環境省『人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携にむけて~』より抜粋
動物の不適正飼養(多くが多頭飼育)の第一発見者は福祉従事者であることが多いです。福祉支援により要支援者の生活全体をサポートすることが求められる一方、福祉従事者だけでこの問題を解決するのは非常に困難なため、官民問わず多機関連携が必須です。2021年環境省と厚生労働省の連盟通知により『人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携にむけて~』が発出されました。
しかし、現状はこの問題に対応できる動物の専門家(上図上部黄色枠部分)はほぼ存在せず、相談先すら思い浮かばない福祉事業者がほとんどです。
動物が原因で起こる問題
福祉現場の動物問題は、飼い主だけでなく訪問する福祉従事者にも悪影響を及ぼします。この問題が世間に認識されるのは、末期といえる状況まで放置された時であることが多いです。『猫屋敷』として報道されるのが代表的な例です。報道されるケースは誰の目にも明らかな程ひどい状況ですが、そこまで悪化する過程で対処すべき問題はすでに発生しています。
福祉現場の動物問題4選
入院入所拒否
飼い主の入院や施設への入所が必要になっても、ペットがいることを理由に拒むことがあります。飼い主の健康福祉低下につながりますし、福祉担当者も頭を抱える代表的な問題です。
健康被害
動物に咬まれるひっかかれる等の直接的な危害だけでなく、ノミダニ等による被害、感染症のリスクが増加します。昨今、致死的な感染症も報告され軽視できない問題です。飼い主に限らず、訪問する担当者もリスクにさらされています。
精神的苦痛
放置された餌にたかる害虫、生まれては死にを繰り返す子猫、ギリギリ生きている瘦せた犬猫、狂犬病ワクチン未接種の犬。衛生面、感染症リスクだけでなく、精神衛生面もいいとは言えません。担当者が精神的苦痛に耐えられず訪問継続困難を訴える日は明日かもしれません。悪臭や糞尿被害など、近隣とのトラブルにもつながります。近隣や親族からの「孤立」は飼い主のQOLを著しく落とします。
動物の置き去り
飼い主が入院等で家をあけた場合、動物は取り残されます。係留されている動物は、水も餌もなくなるため緊急事態です。係留されていない場合も、ゴミ漁りによる近隣迷惑や人に危害を加える事故を起こしかねません。「動物に関して、人の福祉従事者は無関係」と割り切ることは簡単です。しかし、普段から目にしていた動物たちの行方を知らんぷりするのは、気持ちの良いものではありません。
具体的取り組み
人福祉×獣医師の協働イメージ
これまで市町村行政や地域包括支援センター等からの相談ケースに介入しています。
多くのケースでノミやマダニの予防や動物の不妊去勢手術が問題解決に必要かつ、ひとつの目標となります。飼い主に聞く耳を持ってもらうために信頼関係を築くことから始めます。そのうえでできることから提案し、話し合いを重ね、目標達成に導きます。目標達成後も元の不適切な管理に戻らないように見守りを継続します。このように福祉現場の動物問題は解決までに時間を要します。
当院は2022年から取り組み、約1年半で不妊去勢手術まで到達しているケースがすでに4件あります。相談者である福祉従事者から感謝の言葉もいただき、効果を実感しています。
茂原市子育て支援課長より養育支援専門員委任状を受け取る山形
2022年度より千葉県茂原市の養育支援訪問員を受諾しています。養育支援訪問制度とは、様々な事情で子育ての支援が必要な家庭に専門家が訪問支援する制度です。茂原市では市長から専門家への委嘱によって実施されています。これまで保育士、助産師、保健師のみでしたが、おそらく日本で初めて獣医師として受諾させていただきました。
きっかけは、とあるケースを中核地域生活支援センター(千葉県独自制度)と市子育て支援課からのケース相談でした。初めて市職員さんと支援先に同行訪問した際、要支援者である飼い主の反応がかなり良く、少し踏み込んだ話もできました。理由は、「猫のことを相談できる獣医さんが来たからに違いない。」と市職員さんに言っていただきました。普段は訪問の約束を取りつけるのが難しく、約束してもすっぽかされることも多い方でした。しかし、当院介入後は訪問頻度が格段にあがりました。結果的に市の子育て支援もスムーズに進み大変喜んでいただきました。飼い主も猫を正しく管理できるようになり、生活環境も改善しています。2023、2024年度も継続して養育支援訪問員を受諾させていただいています。
殺処分もゼロの未来
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
福祉事業者との協働は同時に動物愛護分野にも貢献することになります。実は現在、自治体によって行われている犬猫の殺処分の約半数は子猫です。この子猫の主な供給源は悪質なブリーダーやペットショップではなく、一般人の管理不適による過剰繁殖です。その多くが人福祉が関わる現場で起こっています。無責任な野良猫のエサやりや管理不足による望まれない繁殖が、結果的に殺処分となる猫を生んでいます。
つまり、福祉現場の動物問題解決は、動物の殺処分ゼロ達成に最も重要な要素のひとつでもあります。人福祉×獣医師によって、飼い主本人と福祉従事者に好循環が生まれた先には、動物の殺処分ゼロも見えてきます。
今後の展望
福祉事業者と同行訪問で支援先と話す山形
これまで主に自治体やその関係機関からの相談に対応し、当院の取り組みが福祉事業者の力になれることを確信しました。今後は広く民間の福祉事業者にも認知、利用していただきたいです。
長く福祉業務に携わっていると必ず遭遇する動物の問題。遭遇してもどうすることもできなかった問題。これに対応すべく獣医師を顧問に持つことが社会福祉業界の常識となり、すぐ相談できる体制を創りたい。動物問題で悩む福祉従事者をゼロにしたい。これがやまがた不妊去勢クリニックの夢です。
「April Dream」は、4月1日に企業がやがて叶えたい夢を発信する、PR TIMESによるプロジェクトです。私たちはこの夢の実現を本気で目指しています。
当リリースの詳細について
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000138011.html
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