部した部活に納得できない髪型ルールや伝統がある場合、3人に1人が「辞めるもしくは他の部活への入部を検討する」と回答
自分らしいスタイルでプレーしている選手に対して、「とてもいい」と回答した部活生は66.9%、先生は23.5%と意識差あり。
株式会社マンダム(本社:大阪市、社長執行役員:西村 健
以下マンダム)は高校生における「部活ヘア」の存在に着目し、「部活動の髪型ルールに関する部活生と先生の意識調査」を2024年3月に実施しました。
2023年の学生スポーツシーンでの部活動の髪型ルールに関する話題や、髪型ルールが部活選択時にどう影響するかなどをまとめましたのでご報告します。 【実態調査サマリ―】
◆2023年度の学生のスポーツシーンにおける「部活動での髪型」について、部活生の4人に1人が友人との間で話題に、先生の過半数が指導者の間で話題に上がった。
さらに、「時代は変わった」と実感した先生は過半数にも上る。
◆髪に関する納得できないルールや伝統が、「部活選びに影響がある」と回答した部活生と先生は、約1割の意識差あり。
「競技人口の減少に影響がある」についても同様。
◆入部した部活動に「納得できない髪に関するルールや伝統」があった場合、3人に1人の部活生が、「辞めるもしくは別の部活動への入部を検討する」と回答。部活を辞めたリアルエピソードもあり。
◆「自分自身で納得のできる髪や身だしなみルールの自由化」が、部活参加意欲アップや競技等のパフォーマンスアップに繋がると回答したのは、部活生と先生の間で大きな意識差。
自分らしいスタイルでプレーをする選手に対しての印象にも大差あり。
マンダムはこれまで、「どう思う?部活ヘア」と題し部活動における髪型ルールの存在に着目し、生徒や先生のたくさんの声を吸い上げてきました。部活動を行う高校生を取り巻く髪型ルールは徐々に変わりつつあり、夏の高校野球においても自由な髪型で活躍する学校が話題となりました。このような部活の髪型ルールについてどれくらい関心が持たれたのか、また新年度がスタートし部活を選択するこの時期に、髪に関する納得できないルールが部活生にとってどれほど影響があるのかなどを数値化しました。
今年は国際的なスポーツイベントも実施されることから、こうしたルールによる競技人口への影響についても聞いています。今回の調査では、閉鎖的になってしまいがちな学校の部活環境において、部活生のみならず先生側にも同様の質問をすることで、双方に共通する意識やギャップについて明らかにしています。
この調査を通して、部活生が心身ともに良好な状態でベストパフォーマンスを発揮できるよう、部活のみならず学校や競技団体など彼らを取り巻くコミュニティ全体で、自分らしく生きることやありたい自分を表現出来る環境について考えるきっかけとなることを目指します。
* 2023年度の学生のスポーツシーンにおける「部活動での髪型」について、部活生の4人に1人が友人との間で話題に、先生は過半数が指導者の間で話題に上がった。
さらに、「時代は変わった」と実感した先生は過半数にも上る。
◎「部活動での髪型」の話題をSNSやニュースで見たのは、部活生も先生も6割以上。
27.9%の部活生が友人との話題に、54.5%の先生が指導者間で話題に。
部活動での髪型に関して、昨年度は夏の高校野球優勝チームに注目が集まるなど、生徒・先生ともに話題に触れることが多かったようです。SNSやニュースでは共に6割以上が目にしており、部活生の間では27.9%、先生は54.5%が指導者間で話題に上がったとの結果が出ています。全く聞いたことがないのは、部活生は23.5%なのに対し、先生は12.5%と差が大きく、部活動での髪型について、先生は生徒以上に関心があることがわかります。
◎スポーツシーンでの「部活動での髪型」に抱いた印象、「自由な髪型でスポーツすることがいいと思う」が部活生も先生も3割以上。先生は「時代は変わった」が最多で54%。
部活動での髪型について抱いた印象は、部活生は「自由な髪型でスポーツすることがいいと思った」が35.3%と最も多く、先生も33.5%となっており、3人に1人はパフォーマンスと自己表現の両立が可能と感じた結果となりました。
一方で、先生は「時代は変わったと感じた」が54.0%と最も多く、部活生と比較しても大差でした。
* 髪に関する納得できないルールや伝統が、「部活選びに影響がある」と回答した部活生と先生は、約1割の意識差あり。「競技人口の減少に影響がある」についても同様。
◎髪に関する納得できないルールや伝統が、部活選びに「影響がある」と回答した部活生は39.8%、先生は28.0%、と10%以上の差。一方で「どちらかといえば影響がある」と回答したのは先生が48.0%と部活生より多い結果に。
髪に関する納得できないルールや伝統が、部活選びに「影響がある」「どちらかといえば影響がある」と回答したのは、部活生79.6%、先生76.0%とともに8割近くとなっています。一方、部活選びの影響度合いは意識差があるようで「影響があると思う」と回答した部活生は39.8%、先生は28.0%と部活生が10%以上高いのに対し、「どちらかといえば影響があると思う」と回答したのは、部活生39.8%、先生48.0%と先生が10%近く高くなっており、実感度合いが異なる結果に。
◎髪に関する納得できないルールや伝統がある場合、競技人口の減少に「影響がある」と回答した部活生は35.6%、先生は24.0%と10%以上の差に。
髪に関する納得できないルールや伝統が、競技人口に「影響がある」「どちらかといえば影響がある」の回答は、部活生73.6%、先生72.0%と小差でした。
一方、競技人口の減少への影響に対する実感度合いには差があり、「影響があると思う」と回答した部活生は35.6%ですが、先生は24.0%と部活生の方が10%以上高いのに対し、「どちらかといえば影響があると思う」と回答したのは、部活生38.0%、先生48.0%と先生が10%高くなっていました。
* 入部した部活動に「納得できない髪に関するルールや伝統」があった場合、3人に1人の部活生が、「辞めるもしくは別の部活動への入部を検討する」と回答。部活を辞めたリアルエピソードもあり。
◎入部した部活動に「納得できない髪に関するルールや伝統」があった場合、「やる気が下がる」は半数近くで、3人に1人の部活生が部活を離れることを検討。
入部した部活動に納得できない髪に関するルールや伝統があった場合、どのような気持ちの変化があるか聞いたところ、部活生の46.2%が「やる気が下がる」と回答し最も多い結果に。次に「辞めるか別の部活動への入部を検討する」が30.6%と続きました。ルール等が理由で当初やりたいと思っていた部活動を辞めてしまう可能性は、決して少なくない数値となっていました。
◎部活動の髪に関するルールや伝統があることで制限されたことは「入部をあきらめた」「やる気が出なくなった」などのほかに、学校行事まで制限されたエピソードも。
* 「自分自身で納得のできる髪や身だしなみルールの自由化」が、部活参加意欲アップや競技等のパフォーマンスアップに繋がると回答したのは、部活生と先生の間で大きな意識差。
自分らしいスタイルでプレーをする選手に対しての印象にも大差あり。
◎「自分自身で納得のできる髪や身だしなみルールの自由化」は、「部活参加意欲アップや競技等のパフォーマンスアップに繋がる」と回答したのは、部活生87.0%、先生63.0%と25%もの差が。
「自分自身で納得のできる髪や身だしなみルールの自由化」は、「部活参加意欲アップや競技等のパフォーマンスアップに繋がる」と回答したのは、部活生87.0%、先生63.0%で25%の差がありました。さらに、「とてもそう思う」の回答については、30%以上の大差で部活生と先生の間に大きな意識差があることが分かります。部活生は、現在プレーをする立場だからこそ、より実感しているのかもしれません。
◎自分らしいスタイルでプレーをしている選手に対し「とてもいいと思う」と回答したのは、部活生66.9%、先生23.5%と43.4%の大きな意識差。
髪型などのルールに縛られず、自分らしいスタイルでプレーをしている選手に対し、「とてもいいと思う」との回答は、部活生66.9%、先生23.5%と43.4%の大差になっています。そして「いいと思う」と回答した先生は58.5%と、かなり高くなっていました。部活生は自分らしいスタイルでプレーをする選手に共感や憧れを強く持つことが推察され、共感の強さでは先生と差があるようです。
■有識者によるご意見
内田 良(うちだ りょう)氏
名古屋大学大学院 教育発達科学研究科 教授
校則問題や教員の過重労働問題、部活動の問題など、学校内のリスクについての事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく研究を行っている。
また啓発活動として、教員研修等の場において直接情報提供を実施したり、様々なメディアで情報発信を行っている。
専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。
消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。
校則全般の場合、時には高校生が保守的だったりしますが、今回の調査では部活動に関しては、高校生が髪の自己表現や自由化をこんなにも望んでいるのだというのが分かり、大変興味深い結果となっています。服装と違い、髪は学校時間外のプライベートな時間も縛ることも理由になっており、より強い思いがあるのではないかと考えられます。
現在、中高生部活の地域移行が取り入れられ始めていますが、その部活選択において楽しさを感じられる競技に人気が高まる傾向が見られます。競技団体側が選ばれる部活になるためにはどうあるべきかを考えていかないと、競技人口の観点で継続が難しく部活動によっては死活問題になっていくでしょう。また、髪型のルールのように、部活動の運営方法や在り方自体も考える時期に来ています。過酷な練習メニューをこなし、勝ち上がっていく、ということだけを目指していくのではなく、競技に取り組む気持ちを高めるために楽しさや自己表現の自由度などの観点も踏まえて、どのような部活運営をしていくのがよいのかを考えていくことが必要だと思います。
花田 真寿美(はなだ ますみ)氏
Precious one.代表/アスリートビューティーアドバイザー(R)
現役アスリートを中心に、引退後のアスリートや学生アスリート、スポーツを楽しむ多くの方に向けて、粧い(よそおい)と内面の両方を磨く「美」をテーマに、女性が自信をもって目標を達成するためのプログラムをプロデュース。これまでに27競技のアスリートたちへ、メイクレッスンやサポートを実施。
私自身も、高校生の時に部活の伝統で髪を切る・覚悟の有無で髪を切るということを経験してきました。自分らしさをなくすことが、強くなることに繋がると無意識に思い込むようになっていたのかもしれません。今は「多様性」として個性を強みにしていく時代になってきたと感じるので、高校生の頃の私が見たら嬉しい変化だと感じています。
当時は「髪型を自由にしているあの学校には負けたくない」「私はこれだけ我慢してきているから負けたくない」という、自己犠牲をモチベーションにしていた部分もありましたが、その結果、バーンアウト(燃え尽き症候群)になったことにも繋がっていると思うので、自分自身で納得している髪型でプレーすることは、大好きなスポーツを続けるためにも大切な要因になるのではと考えています。
昨年から、本プロジェクトの中でアドバイザーとしてアスリートと対峙する中で、みなさん一人ずつに個人で実現したい夢やチームで達成したい目標があり、「ヘアスタイルを楽しむ」ということも、達成までの過程で大切な役割があるのだと感じています。皆さんの表情がどんどん明るくなり、私もやりがいを感じています。
◼︎実態調査概要
【部活動の髪型ルールに関する部活生と先生の意識調査】
・調査地域 :全国
・対象者 :部活動に所属している高校生 1,000名/部活動の顧問を務めている高校教員200名
・調査手法 :インターネット調査
・実査時期 :2024年3月
◼︎「どう思う?部活ヘア」アクションに込めた想い
BE ANYTHING, BE EVERYTHING.
(意味:なりたい自分に、全部なろう。)
マンダムの考える「自分らしい」とは、
・自分で決めること
・自由であること
・正解も間違いもないこと
・何度やり直してもいいこと
・他人の「らしい」を認めること
社会は、さまざまな価値観に満ちています。
一方で、高校生らしく、社会人らしく、男らしく、女らしくのような
見えない制約があるのも事実です。
誰かが決めた「らしい」ではなく、
自分だけの「らしい」を見つけることが
人生を豊かにすると私たちは信じています。
これからもマンダムは、
一人ひとりの「自分らしい」を応援していきます。
マンダム公式X(旧Twitter):
https://twitter.com/mandom_corp
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