東京大学との共同研究で「うんこドリル」における学力向上・学習意欲向上が実証されました!
株式会社文響社(東京都港区虎ノ門、 代表:山本)は、
文響社が刊行する「うんこドリル」のユーモア・笑いが子どもたちの学習にどのような影響を与えているかを科学的に検証するため、
東京大学(池谷裕二教授)と共同で実証実験を実施いたしました。 その結果、 うんこではないドリルで学習した場合と比較して成績の上昇率が約60%高くなり、
学力・学習意欲が向上することが実証されました。
2017年の「うんこドリル」シリーズ発売以来、
読者の保護者の皆様から「勉強しなかった子どもが興味を持って勉強するようになった」「通常のドリルよりも集中して取り組み、
成績が上昇した」などのご意見を数多くいただいてまいりました。 これらの声を受けまして、 勉強における「うんこ」のユーモア・笑いの要素が、
子どもの学力と学習意欲の向上に一定の効果があるのではないかという気づきを得ておりました。
このたびの結果を得まして、 より一層楽しく、 学習に資するドリルを提供していくことで、 より多くの子どもの学びに引き続き貢献してまいりたいと考えています。
※J. Neuronet., 1028:1-13, 2020
http://neuronet.jp/jneuronet/007.pdf
※「うんこドリル 漢字」を使用し、 小学3年生を対象に調査
〈実証実験の概要1〉
小学3年生32名を対象に、 「うんこドリル 漢字」とうんこではないドリルを使用して、 下記の実験を行いました。
1.事前テスト(未習漢字の基礎定着を調査):50字
2.「うんこドリル」で漢字の学習:25字
3.うんこではないドリルで漢字の学習:25字
4.確認テスト(学習定着度を調査):50字
※1・4のテストは同内容、 2・3で学習する漢字50字がランダムに出題
※2・3の実施順は16名ずつ入れ替え
また、 実験中は教室に定点カメラを設置し、 集中力の推移を計測しました。 (2020年9月19日(土)・20日(日)実施)
〈実証実験の結果1〉
(1)「うんこドリル」で学習した場合の成績の上昇率は、 うんこではないドリルで学習した場合と比較して約60%高いという結果に。
実験前と実験後に実施したテストの点数を比較しました。
(読み)
・うんこではないドリルで学習した場合の正答率上昇 5%
・「うんこドリル」で学習した場合の正答率上昇 8%
→「うんこドリル」で学習した場合、 正答率の上昇幅が大きく、 その効果が認められました。
(書き)
・うんこではないドリルで学習した場合の正答率上昇 8%
・「うんこドリル」で学習した場合の正答率上昇 10%
→正答の絶対数が少なく、 大きな差は見出すことができませんでした。
(2)「うんこドリル」で学習した場合の集中力の高さが実証。
定点カメラの撮影により、 集中力の推移を計測しました。
「うんこドリル」においては全体として体の動きが少なく、早い段階から紙面に集中して取り組んでいると考えられます。
〈実証実験の概要2〉
小学3年生8名を対象に、 「うんこドリル 漢字」とうんこではないドリルを使用して、 未習漢字の閲覧をそれぞれ10分間ずつ行いました。 脳波計を用いて、
閲覧時の脳波測定を行いました。 (2020年8月2日(土)実施)
〈実証実験の結果2〉
「うんこドリル」を閲覧した場合のベータ波・スローガンマ波が大きく増強。
「うんこドリル」を閲覧したときのベータ波が大きく増強していることから、 脳が刺激を受け、 活発に動いていることが確認できます。
脳は刺激を受けているときの方が記憶の定着がより図れることから、「うんこドリル」が記憶の定着により効果的であることが確認されました。
また、 スローガンマ波が増強されていることから、 知識や記憶を呼び覚ましていることが確認できます。「うんこドリル」による学習が、
学習した内容を呼び出すために効果的であることが確認されました。
〈実証実験の考察〉
東京大学 薬学部
池谷裕二教授
1998年に東京大学にて薬学博士号を取得。 2002~2005年にコロンビア大学(米ニューヨーク)に留学をはさみ、 2014年より現職。
専門分野は神経生理学で、 脳の健康について探究している。 また、 2018年よりERATO脳AI融合プロジェクトの代表を務め、
AIチップの脳移植による新たな知能の開拓を目指している。文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2008年)、 日本学術振興会賞(2013年)、
日本学士院学術奨励賞(2013年)などを受賞。
著書:『海馬』『記憶力を強くする』『進化しすぎた脳』
論文:Science 304:559、 2004、 同誌311:599、 2011、 同誌335:353、 2012
1998年に東京大学にて薬学博士号を取得。 2002~2005年にコロンビア大学(米ニューヨーク)に留学をはさみ、 2014年より現職。
専門分野は神経生理学で、 脳の健康について探究している。 また、 2018年よりERATO脳AI融合プロジェクトの代表を務め、
AIチップの脳移植による新たな知能の開拓を目指している。
文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2008年)、 日本学術振興会賞(2013年)、 日本学士院学術奨励賞(2013年)などを受賞。
著書:『海馬』『記憶力を強くする』『進化しすぎた脳』
論文:Science 304:559、 2004、 同誌311:599、 2011、 同誌335:353、 2012
教育において、 ユーモアは学生を学習内容に注目させるために広く用いられます。 先行研究によれば、 ユーモアを含む教材では、
ユーモアのない教材を用いたときよりも学習成績が高くなる傾向があることが示されていました。 これらの結果は、
ユーモアによって学生の注意力がより強く喚起されることで生じたものと考えられますが、 ユーモアと注意力の関係を示す直接的な証拠は示されてきませんでした。
そこで本研究では9~10歳の子どもを対象に、 電気生理学的アプローチを用いて、 ユーモアが注意力に及ぼす影響を評価することとしました。
本研究では、 ユーモアが脳波と記憶に及ぼす影響を統合的に検討しました。 心理学の分野では、 ユーモアが学習促進に役立つことが提唱されていますが、
ユーモアが学習における集中力にどのような影響を与え、 学習を促すのかについてはほとんど知られていません。 しかし、
記憶のエンコーディングにおいて遅いγ帯域の脳波が増加することが報告されていることと、 今回我々が示した結果から、
ユーモアは遅いγ波を増強することで学習促進に有用であることが示唆されます。
さらに、 ユーモア刺激によるβ波強度の増加も観察されました。 β波の活動は視覚的注意と関連していることが知られていること、
集中力の程度は体の動きで評価できることから、 本研究の結果からは、 ユーモアがβ波強度の増加を介して集中度を高めている可能性が考えられます。
これらの結果は、 ユーモアが学習に良い影響を与えるというinstructional humor processing theoryを支持するものです。
<本調査で使用したドリル>
うんこドリル 漢字 小学4年生
定価:980+税
ISBN :978-4-86651-175-7
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません